【ホワイトデー】学生達のWhite Day!｜リアクション

【ホワイトデー】学生達のWhite Day!

「ああ、生きているって素晴らしい！」
　羽生碧南は朝から爽やかな笑顔だった。

　彼女がこんなフレッシュレモン１００％の笑顔なのには訳がある。
　碧南は無事、補習＆追試のコンボをくぐり抜けたのだ。
　音楽に始まり音楽に終わった苦労話はここでは割愛する。とにかく碧南は大奮闘して進級を勝ち取った。という事は大好きなバスケも乙女ゲーも思い切りできるという事で。
　碧南はすがすがしい気持ちで残り少ない３学期を過ごしていたのである。

　だからイベント事だって思い切りできてしまう。
　バレンタインに友チョコを交換していた女子達は、ホワイトデーはそのお返しラッシュだ。碧南だって進級が決まった時点でしっかり用意した。だから今日彼女の手にはお返しのクッキーがたくさん。友人達の間を歩き回りながら貰ったチョコのお返しをしたりされたりと朝からとっても忙しい。それでも振りまく彼女の笑顔には、一片の憂いもなかった。
（午後からは部活だから、午前中に配っちゃわないとね！）
　こんなに部活が嬉しいと思った事があろうか、いやないと反語表現で喜びを噛み締めながら、碧南はお返し配りにスパートをかけ始めた。