【ホワイトデー】学生達のWhite Day!｜リアクション

【ホワイトデー】学生達のWhite Day!

　千鳥雅人のアホ毛は、楽しそうにピコピコと動いていた。

（今日はホワイトデー！）
　登校中の雅人は、元気に青空に向かって微笑む。ほんとはビシッと片手を空に突き上げたいくらいだったが、残念な事にその両手は紙袋で埋まっていた。
　雅人が持っている紙袋には、ある物がいっぱい詰まっていた。それは……。
（俺がお菓子を作って学校に持ってきたのでした！）
　そう、それはホワイトデーのためのお菓子。上にマシュマロものっているプチサイズのチョコタルトだ。これは雅人が結構頑張って練習までした、手作りなのだ。
（そういえば、先輩は上手く作れただろうか）
　一緒に菓子作りを練習した高峰一馬の顔が、雅人の頭にぽわんと浮かんだ。ハードだったけど楽しかったお菓子作り。あの先輩の一生懸命さで、彼の作るお菓子はきっと素敵な物になるに違いない。
（そして、俺も頑張ったよ！）
　雅人は自分の持ってる紙袋を見ると、うんと自信を持って頷いた。
　お菓子の材料も無駄にしないように、色々考えた。１つ１つ小袋に包んで、リボンで可愛らしく結んでみた。
　大変だったけど、楽しかった準備。それは、みんなの笑顔が思い浮かんだから。いっぱい作ったから、クラスのみんなに配ろう。もちろん、バレンタインにチョコをくれた人達にも。
「ふふっ、早く放課後にならないかな～♪　気合い入れるぞー！」
　まだ登校すらしていない雅人だが、アホ毛を元気に青空に向かってビシリと立たせ、放課後のために元気に学校に向かって歩き出した。