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【ホワイトデー】煌燦-KiraKira-ホワイトアイランド
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● 動物園~勇気をだして
歩きながら
壬生 由貴奈
は隣を見る。
年下の、じぶんより小柄な
卯木 衛
と過ごす時間を、もう何度持っただろう。
今日はデート。たぶん、デートだ。
「動物園かぁ、そういえば誰かと一緒に来たことは無かったかも」
「よかった! じゃあ今日は、思う存分楽しみましょう」
衛は、まだ幼さの残る頬を緩ませ、にこりと笑う。動物園を一通りまわり、最後にふれあいコーナーへ足を運んだふたりは、うさぎの群れの中にしゃがんで、野菜をあげたり背を撫でたりした。
「うさぎかわいいもふもふ。ほら、このうさちゃんなんかうーちゃんと顔が似てる気がするし」
衛は白うさぎを抱えて自分の横に並べ、「似てます?」と聞いてみる。
「うん。似てる似てる。もふもふがたくさんでもふもふ。しあわせーふふふー」
笑う由貴奈を見て、衛も心が温かくなる。
「ふー、楽しかったねぇ」
帰り足、由貴奈ののんびりした感想に、衛は伸びをして答える。
「楽しかったー。っと……帰る前に渡したいものがあるんですよ」
表情を引き締めた衛に、由貴奈は小さく頷く。
「……ん? あぁ、バレンタインのお返し? ちょっとだけ期待はしてたよぉ、うーちゃんがどんなお返ししてくれるのか」
「期待通りだといいんですけど……」
衛がまず渡したのは、
キーホルダーサイズのうさぎのぬいぐるみ
だった。胸に格子柄のアイスボックスクッキーを抱えているのが愛らしい。
「へぇ、クッキーも持ったうさちゃんかぁかわいいねぇ」
由貴奈が感想を述べると、衛は、そのぬいぐるみはただのお返しで、友チョコ本命関わらずバレンタインにチョコを貰った人にはあげているのだと明かした。その上で、もうひとつの包みを取り出す。
「これは由貴奈さんにだけ、特別で……」
口ごもる。
渡したのは、
うさぎ型のガラス瓶。
おなかのなかに、色とりどりの飴玉が入っている。コーヒー、鼈甲飴、林檎、ミルク。
「へ? こっちのガラスの方はお返し……とは違うの?」
由貴奈はきょとんとしている。
「んーチョコ以外に何かあげたものあったっけ……思い出せないなぁ」
これは、お返しじゃない。
由貴奈さんは特別で……。
ああ、うまく言葉にならない。
(きっちり決めろよ男だろ!)
衛はぱんっと自らの頬を叩いて気合を入れた。うさぎのガラス瓶の中で、飴玉が揺れる。
「由貴奈さんにだけ特別で、由貴奈さんの好きなとこをイメージした飴を詰めました!」
ミルクは、優しくてちょっとかわいいトコ。
コーヒーは、ゆったりしたトコと偶に出る皮肉めいた言動。
林檎は、頭の回転が凄くて尊敬できるトコ。
鼈甲飴は、由貴奈さんのキレイさを凝縮したみたいな目をイメージして。
指折り数えて説明し、それら全部が衛の気持ちだと告げる。
「俺の中にいっぱい溜まった好きの気持ちと言うか……」
衛は由貴奈の手を取って、黒曜石のような年上のひとの瞳を見つめた。
「好きです、そういう意味で」
心臓がバクバクする。
緊張しているだなんて知られたくはないけれど。
飴玉に込めた想い、好きだという気持ち、全部伝わってほしいと願う。
由貴奈は……しばし、沈黙した。
「……えーと……うん。そっか」
由貴奈の瞳が不安げに揺れる。
「いやぁ……そんなに見られてて、そんなに好きなところを挙げられるとさすがに照れちゃう、ねぇ」
軽い口調とは裏腹に、何故だろう、笑みを返せない。
それどころか、悲しみが胸の深いところからあふれ出てくる。
(悲しい顔してどうするの。うーちゃん不安にさせるじゃんか)
そう思うのに。
うつむいてしまうのは何故だろう。
嬉しくないのか、と己が心に問いかければ、嬉しいに決まっている、と返って来た。
これまでの人生で、男の子から好きと言われたことなんて一度も無かった。
はじめての告白。しかも相手は、ふだんから可愛がっている衛なのだ。
ありがとう、って言って然るべきだと自分でも思う。
ありがとう、嬉しいよって。
それなのに……言葉が出てこない。
(あ……)
胸がしくりと深く痛んだ。
死の匂いがした。
衛の顔と、5年前に親しくしていた後輩の顔がだぶる。
目の前で、命を落とした後輩の……。
(こわい)
こわいんだ、自分は。
また、ああなってしまったらどうしようって。
目の前の彼が……あのときみたいに突然に、どこかいっちゃったらどうしようって。
まっすぐに自分を見つめる年下のひと。だから、こわい。彼と過ごすことが自分の当たり前になってしまったら、自分はいつも、彼を失ったらどうしようと怯える自分と戦わなきゃならない。だからこそ無意識に、彼を意識しないようにしている自分がいたことに、気づく。
(弱いなぁ)
こわさと彼とを天秤にかけて……いますぐに決断できない自分がいる。
(なさけないなぁ。ああ、でも)
彼に微笑みを返さなきゃ、と由貴奈は思う。
葛藤は、自分の問題。彼は、悪くない。だから。
(……無理にでも作らなきゃ。笑顔を)
その試みが、うまくいったかは自信がなかった。
ただ、嘘はつかないようにしようと思った。
「すごく嬉しいけど答えは……ちょっとまだ出来ない。ごめんね」
衛は一瞬、傷ついた顔をした。けれどすぐに、彼の素敵な金の瞳は強い光を取り戻した。
拒絶されないなら離すつもりはない。好きだから。
――そんな、強い光。
「ごめんね」
由貴奈はそれが眩しくて、もう一度、うつむきがちに零す。
「全然! 意識して欲しくて今言っただけです」
衛は強がる。由貴奈の不安を吹き飛ばせればいいのにと願って。
「こっからもっと惚れちゃうくらいカッコいいとこ見せるんで、見ててください」
「ん……」
由貴奈は儚く笑みを浮かべた。
今日はこれが、精一杯。
衛にもそれが分かって。
分かったうえで、もう一歩だけ、進んでみたいと欲を出す。
「意識してほしいって言った手前断られてもしょーがねーかなって思うんですけど……思うんですけどぉお! 由貴奈さんが嫌じゃなかったら、手、繋いで帰りませんか……?」
上目遣いに願い出る。そういうところが、
(ほんとに可愛いんだよね、うーちゃんは)
だからつい、彼の前に手を差し出てしまう。
「……うん、いいよぉ。うちでよければ……手繋いで帰ろ」
冷たくなった由貴奈の手に、熱を帯びた手を絡める。
手を繋いで帰ろう。
返事は、また、今度。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
定員
1000人
参加キャラクター数
42人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月25日
参加申し込みの期限
2017年03月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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