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やっぱり――。
津島 直治
は携帯電話を手にして小さく溜息をついた。
いまやすっかりケータイ業界の主役となったスマートフォンではなく、折りたたみ式のガラケーだ。それも、やや古いタイプのもの。直治はあまり機械が得意ではないのだけれど、この携帯電話のメール機能くらいなら、なんとか使いこなすことができた。
しかしその携帯電話が、沈黙した。
開いても画面が点灯しない。電源を入れ直しても無駄だった。
一応電源は来ているので電話はできるだろう。けれど画面が映らなければメールもできない。
一晩寝たら直るかと、おおよそ非科学的なことも考えたが、朝確認したところで何も変わらなかった。
黒い画面は鏡のように、直治の眼鏡と、その背後にある黒目がちな瞳を映すだけだ。
――そろそろ新しいものに替えたらどうか、と、ちょっと前にケータイ会社のダイレクトメールで提案もされましたが……。
画面の中の直治の目に、春の雪のような愁いが宿った。
今使っているものにも慣れていないのに新しいものだなんて、気乗りしません――。
世の中には、ケータイの新機種が出るたび、乗り換える人があると聞く。その姿勢を非難はしないが、使い慣れ愛着らしきものすら出てきたものを、簡単に過去のものにできる気持ちが直治にはわからない。けれどもこのまま、この機種を使い続けるわけにもいかない。
仕方がない。折良く休日ということもあるので、直治はケータイショップまで行ってみることにした。
◆◆◆
スマートフォンの画面を立ち上げ、ワルツを踊るように滑らかな指操作でロックを解除する。
インターネットバンクの口座をチェックすると、まとまった金額が振り込まれていた。『進級祝い入れといたから』と、いう母からの連絡通りだ。
――まぁ、忙しい割には気にかけてもらってる方だよね。
羽月 英理
の両親は本土で仕事をしている。父は外科医、母は弁護士、彼らの毎日は、それこそ分刻みでスケジュールを組まざるを得ないほどに多忙だ。
父は主治医として執刀をこなす一方で、複数の学会に出席し、しばしば大学で講義も担当する。急な手術や夜勤も茶飯事だ。
母とて、たくさんの裁判案件を掛け持ちする一方、弁護士事務所の『大(おお)先生』として運営をこなし、各種セミナーや勉強会をたびたび開くなどして目まぐるしく駆け巡っている。
そんなわけだから、家族揃って食事することなど月に二、三回あればいいほうだ。家事のほとんどは通いの家政婦がやっている。それを考えれば、気まぐれに「スマホ機種変したい」とメールするや間もなく、書類をとりよせてお金まで振り込んでくれた母には、英理は感謝してもしきれない気持ちだった。
機種変更したい理由は特にない。強いて言えば、春だから、ということになるだろうか。毎年春になれば日用品を買い換えたくなるものだ。丁度スマホが更新時期に来ていたというのもある。
鏡を覗いて前髪に触れる。髪質は固いので、ちょっと直すだけでそれなりの見栄えに整った。
クローゼットを開けて上着を探す。今着ているのはデザイナーブランドのシャツなので、相性のいいデニムジャケットを選んだ。黒のパンツと合わせているから、明るすぎず暗すぎない、早春らしい組み合わせになる。
ドアを開けるといい天気だ。さて、ケータイショップまで歩いて行こう。
◆◆◆
ショップは混んでいた。普段前を通ってもガラガラなのに、今日に限ってなかなかの賑わいだ。
こうなる予想はしていた。この時期は機種変する人や、新しく持ち始めるという人が多い。新しくなる季節なのだ、色々と。
「大体の目星はつけてきたので結構です」
店員の接客をやわらかく断ると、英理は予定していたスマホを手に取った。ちょっと試してみる。なるほど。使い勝手は悪くなさそうだ。デザインも嫌いじゃない。色は三色だがどれでもいい。どうせカバーをつけてしまうのだから。
展示品の前にあった注文票を手に、市役所みたいな受付票をプリントアウトして英理は待ち合わせ席についた。
――早々に契約したいんだけど、これって、自分の順番来るまで結構時間かかりそうだよね。
仕方がない。英理は自分の鞄に手を入れた。夜は塾の春期講習がある。家でもやったがもう一度予習しておこうか、そんなことを考えたとき、英理は見覚えのある顔を目にしていた。
あれ、隣のクラスの……津島だったかな。アイツも一人で来てるのか。
なんとなく親近感がわいた。
◆◆◆
ショップは混んでいた。いつもこれくらい混んでいるのだろうか。あまり訪れない場所ゆえ勝手がわからない。はじめて集団登校に参加する小学生のように入口あたりでもじもじしていたら、女性の店員が直治に声をかけてくれた。
「使っているものが壊れたので、新しい機種を……」
どうぞこちらへ、と案内されて、直治は途端に面食らってしまった。
世の中には何種もの携帯電話があることは知っている。けれども、知識として頭にあるだけの話と、実際を目にするのとではやはり後者の情報量のほうが圧倒的だ。
すまほ、がらけー、がらほ、ケータイ電話って色々あるんですね……。
それだけで立ちくらみがしそうだ。あんな機能があって、こんな機能も、と、忙しいだろうに店員は、丁寧にひとつずつ説明してくれた。
「え、ケータイ電話って写真撮れるの……? え、テレビも見られる??」
もうそのレベルで直治には、カルチャーショックの激震が走っている。
し、知りませんでした。というか、電話……なんですよね……?
その上、自販機でジュースが買えちゃうとか、位置情報とかゲームとか、さらには理解不能な謎めいた機能が、次々と店員の口から語られていった。
機能過多すぎませんか?
頭がパンクしそうです……。
頭を抱えてうずくまりたい気分だ。途中から店員の言葉は、直治にとっては遠い異国の呪文のようにしか聞こえなくなっていた。
「じゃあちょっと、考えさせてもらっていい?」
やっとそれだけ言って、忙しいであろう店員を直治は解放する。なんでも聞いて下さいね、と親切そうに彼女は言ったのだが、何でも聞いたら今度こそ卒倒する予感があった。
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担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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