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春色タペストリー
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啓蟄も過ぎたけれど――と、
都府楼 暦
は灰色の空を見上げる。
好天があるかと思いきや寒の戻りがあり、どうにもまだ春を、実感しづらい今日この頃だ。
啓蟄とは太陽暦でいう3月初頭にあたる。大地が温まることで地中の虫(蟄)が閉じこもっていた穴を開(啓)いて出てくる時期、ということで、つまり春の始まりを表現する言葉だ。
もちろん暦が重視するのはその文字通りの意味だった。すなわち、春になって出てきた虫たちを、じっくりたっぷり観察することを楽しみにしていたのである。
ところが参道商店街に出た彼女は、うーん、と不完全燃焼気味のつぶやきを洩らすほかなかった。
寒の戻りのせいか、暦にとっての観察対象(昆虫たち)が思いのほか少ないのだ。昨日までの好天が嘘のよう、今日はまるで冬のまっただ中、これでは、越冬中の蛹も、目覚めかけてまた眠ることに決めたに相違ない。暦は寝子島神社のあたりまで足を伸ばしてみたものの、あらこんなところにダンゴムシ、という小さなサプライズにすらありつけぬ始末だった。
本日暦は、クローゼットにしまっていた防寒着(もこもこコート)を引っ張り出して旧市街に来ていた。排気対策を兼ねた大ぶりのマスクも装着している。
けれどそれでも、寒いものは寒いのだった。
――こうも不作だと、寒さが身にしみますね……。
あまり建設的な解決方法ではないのだろうけれど、コンビニで温かいお汁粉でも求めるとしようか。
といった次第で暦が商店街のコンビニを訪れた矢先であった。
おや?
見覚えのある姿を暦は店内で目撃した。少し遠い距離から観察を開始する。
彼女は駄菓子のコーナーでしゃがんで、なにやら一生懸命に、棒状スナック菓子の新作をチェックしているようだ。
「これも気になるが、こちらも心惹かれるものがあるのう……ふむぅ」
ふむぅ、なんて独り言が出る女性が他にいるだろうか。んふふ、と暦は声を洩らしていた。思わぬ観察対象の発見である。
同じく身を屈め、ゲームキャラのようなしゃがみ歩きでずりずり進んで、ぴたと
九鬼姫
の背後につけて暦は呼びかけた。
「こんにちは、お姫様」
「ぬわ!」
無防備だったためか、長い黒髪が逆立つほどに九鬼姫は仰天した。
「『ぬわ』、て」
思った以上の新鮮な反応が聞けて、腹を抱えたい気分の暦だが、よほど驚いたのか九鬼姫は尻餅までついて、
「ぶ、無礼者! 本当に驚いたんじゃからな!」
と右手の拳を振り上げて怒るので、本当にこの人年上なのかと、暦は微笑ましくも思うのである。
「お久しぶりです。夜の蝶の昼間の生態……興味深く観察させていただきました」
「……観察して面白いものでもなかろう」
ふん、と腕組みする九鬼姫は仕事中と違ってノーメイクだが、目鼻立ちは整っており、そこはかとなく色っぽくて、昼間見てもたしかに姫君風ではある。しかし、ダウンジャケットの下に着ているものがベージュのいわゆるババシャツだったり、履いているものがつっかけだったりしてオフ感は満点なのだった。
「そのマスク、誰かと思うたぞ」
「おや、これは失礼しました」
暦はマスクを剥がして、
「ところで九鬼姫さんは、駄菓子に興味がおありか?」
「うむ、出勤日でないときはよく食す」
嘘か誠か不明だが、九鬼姫は自称戦国時代の生まれなので、タイムトラベラーだということらしい。そんな彼女からすれば、なるほど駄菓子というのは、面白いものだろう。
「お好きなのですか?」
「……身も蓋もないことを言うと、安価じゃからな」
一般に思われているほどキャバ嬢は儲からないというが……本当なのだろうか。
暦は観察眼を働かせる。確かに、ババシャツはファストファッションで購入したものっぽく、やや季節外れのダウンジャケットは年季が入っておりもらいものの可能性がある。
お好きでしたら、と暦は言った。
「ここにもたくさんありますけど、近くにもっと凄いところがありますよ」
暦が九鬼姫を案内したのは、旧市街にある卸問屋だった。
「この前のチョコのお礼にお連れしました。さきほど注目されていた棒状スナック菓子なら、ここには全種類が揃っていますよ」
「おおう……」
確かに、目を見張るものがあった。少額商品に強い問屋のようで、ありとあらゆる駄菓子が、所狭しと積み上げられている。さっそく二人で色々と見て回る。
「あ、これってココア風味のスティック状清涼菓子ですね。厳格な父様は苦手ですけど、このお菓子は……父様もわたくしも大好きなんです」
「そうか、お父上が、か……」
九鬼姫は何か言いたげな顔をしたが、
「って、そんなことより!」
暦が力強い声を出したので「お、おう」と口を閉ざした。暦が手にしているのは、誰でも知っている有名なチョコ菓子だった。
「これは、かつては最安価格で買えたチョコですね。いろんな種類があって、今でも季節限定品なんかが色々出てるんです。わたくしの一押しはきなこ餅味ですけど、イチゴゼリー入りとか元祖のコーヒーヌガー入りも美味しいです」
「おお、これかこれか……わらわもしばしば購入するぞ。きなこ餅とはのう」
他にも、と暦はお勧めの菓子を示した。
「綿菓子にパチパチ弾けるキャンディが入ってるお菓子もあるんです」
「ほほう、だが体に毒ではないのか? その、パチパチと弾けるあたりが」
大丈夫です、と暦は請け負って、個人的には一番推したいものを出した。
「そしてこれです! なんと、粉に水を加えて練れば練るほど色が変わるんですよ!!」
ぱっと九鬼姫は手を上げた。
「知っておる知っておる。テレビの宣伝もな」
「ということはあの効果音も」
「無論じゃ」
「ではご一緒に! せーの」
「テーレッテレー!」
ふたりは声を唱和させていた。
練って楽しい、そんな春の日である。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
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