this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
春色タペストリー
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
35
つぎへ >>
この休日も
優木 遥斗
は学校に来ていた。稽古着に着替え、早朝の武道場に立っている。
手にしているのは竹刀、さきの日曜に、校内での立ち回りでボロボロになったものだ。すでに竹を入れ替え修繕したのっで、新品同様に戻っている。
両腕でしっかり握り、上段で構え、振り下ろす。
何度もそれを繰り返す。腕に馴染ませるように。
この竹刀は鍛錬用の特注品で、中には鉄の芯が入っている。そのため見た目よりかなり重いのだ。ずっしりした質感は、慣れれば逆に、試合用の竹刀が物足りなく思えるほどである。
当然、取り回しづらいが先日の事件では、その重さがそのまま破壊力となり大いに助けとなった。
両手の素振りを満足いくまで行った後、今度は片手で同じことを行う。
ゆっくり、または素早く、足先を移動させながら、または踏み込みを繰り返す。
あの事件に関して、遥斗には忸怩たる重いがあった。心の土中に蠢く蚯蚓のような。
――竹刀が割れたのは、意識が集中できていなかったからだ。
素早い動きの多くの敵に対し、焦りがあったことは否めない。先日の屋上での戦闘を思い出し、もう一度動きを確認する。
何十回竹刀を振り下ろした頃だろうか、このときふいに、
「会いたいの?」
声が、聞こえた。
ドン、と鈍い音を立てて竹刀が武道場の壁にぶつかっている。
遥斗の手から竹刀がすっぽ抜けたのだった。
「!?」
実際に声が聞こえたわけではない。それは、遥斗の脳裏に蘇った声に過ぎない。
はっとなって壁に走り、遥斗は竹刀と壁の無事を確認する。そうしてようやく、肩を落とした。
――泰葉さん……。
遥斗は壁に両手をついている。そうして、ずるずると滑るようにして板敷きの上に腰を落としていた。
「会いたかった……のか? 俺は……」
座り込んでも、まだ彼は両手を壁についていた。
鍛錬中に邪念を抱くものではない。それはわかっているはずなのに。
思わずにはいられない。彼女のことを。華美な衣装とメイクの下にある、切なげなあの眼差しを。
学校周辺に異変が発生したので、急いで彼女の無事を確認したかった。それだけだ。それ以上の意図はない電話だった。
それだけに彼女の言葉が意外だった。
胸が痛い。
小さな傷が心臓についていて、それがひりひりと痛むような感覚がある。
いつか自分は、父親のように制服に身を包んで市民を守る仕事に就くつもりだ。
だから心を迷わす隙は持ちたくない。
遥斗は立ち上がっていた。
気になったら確認するのは当然のことだ、と自分に言い聞かせる。
朝稽古を終えた遥斗は着替えを終えてから、学校の敷地外で電話を手にしていた。
五回コールして出なければ切ろう、そう決めていた。
その五回目のコールで、彼女が出た。
「優木君?」
「はい」
泰葉の声は落ち着いている。不審がっている様子もない。安心して彼は続ける。
「先日……あの日曜は、すいませんでした。あのとき、『ちょっとした騒ぎ』があったため、唐突に電話をかけてしまって……ただ、それは必要があったから確認したんです」
いいのよ、と泰葉は言った。受話器の向こうで微笑んでいる様子が、遥斗の目に浮かんだ。
「また声が聞けて、嬉しい」
ぼっと顔が熱くなるも、それを声に出さぬよう気をつけて遥斗は言う。
「ただ、もしもあのとき……」
客観的に見れば、おかしなことを言っているということくらい判っている。けれども遥斗は言わずにはおれなかった。
「もしも、泰葉さんが何か違和感を感じているようだったら、危険そうだったら、そこに駆けつけていました。
その時は、泰葉さんを全力で守りますから」
息継ぎをせず一気に続けた。
「俺は泰葉さんを守りたいのです」
突飛な話すぎないか、自分の想いを押しつけてしまったのではないか――そんな危惧もかすかに抱いたものの、遥斗はすべてと言葉にしていた。同じ後悔なら、言わずにする後悔より、言ってする後悔を選びたかった。
一、二秒、沈黙があった。
そうして泰葉が告げたのは、
「ありがとう」
という言葉だった。
「頼りにしてるね」
軽くあしらうような調子ではない。守りたい、という意思への返答だというのに、受け止めて、包み込んでくれるような口調だった。
それから泰葉はまた何か言の葉を継ごうとしたのだが、その前に、
「それでは」
直立不動で告げると、遥斗はそっと電話を切ったのである。
空を見上げる。
すっきりした気分だった。やるべきことをやった、というような。
<< もどる
1
…
11
12
13
14
15
…
35
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
春色タペストリー
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
30人
参加キャラクター数
30人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年02月27日
参加申し込みの期限
2017年03月06日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年03月06日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!