小学生の年度末｜リアクション

小学生の年度末

○test ワクワクデス！

「test デスカー。ショージキートワは得意ではないデス」
　10月まで箱入りお嬢様だった、４年生のトワ・E・ライトフェロゥもテストを受けることになった。
「because.トワはー　outdoor の方が好きデスカラー。あとー日本語がまだ読めない所もあるマス」
　そう言いつつも、本格的なテストは数える位しか受けたことがないトワは、凄く楽しそうにテスト用紙を受け取った。
　しかし問題を見たとたん大きな目を見開き固まったトワは、机に突っ伏す。
　ポニーテールの金髪が机に美しく広がり波打った。
　案の定、問題文が読めない。
　国語はほぼ全滅だった。
「でも算数は数字デスカラー　問題文以外はclear」
　そんな感じで。
「社会は日本語が多くて読めにくいデスからほぼ全滅。逆に理科はー外で見る色んな草花とかが出るデスカラ読めなくても何とかなるマス！」
　ついでに地図も読めないので、社会は文字以外でも苦手だ。
　heaven or hell.
　ワクワクしたり机とごっつんこしたり天国と地獄を繰り返すトワ。

「5年生になったらもっと難しくなるんデス？　その前にもっと日本語をおぼえないとー。国語も社会もじごくのままデスネー」
　だがその割に、トワの顔には笑みがあった。
「世界的に有名な本の内容とかー英語とかー、紀元前から1370年までの歴史の主な出来事とかー、それ自体はわかるデス、ケードー。日本語の読み書きができないと意味のなくなるとイウ。これがトウダイデモクラシー、ネコにゴハン、イッスンボウシもゴブリンソウルデスネー」
「……トワちゃん、それちょっと違うんじゃ」
　見事な間違えっぷりに、隣の席の子がついツッコミを入れる。
「oh違う？　ソデシタカー」
「でもトワちゃん、楽しそう」
　不思議そうなその子に、トワは答えた。
「ああ、得意ではないだけでー、家庭教師から一人で受けるタイプじゃなくて―、皆で一緒に受けるタイプデスカラー、テスト自体は楽しいデスヨー！」
「そうなんだ……」
「得意でも得意じゃなくても皆で頑張るマス！」
　青い目を輝かせる、あくまで元気なトワだった。