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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
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小学生の年度末
○おうちで勉強会
「まとめテスト……先生……言うの……遅い」
下校の通学路で、小学三年生の楠木 ゆきのはつぶやいた。
(もっと早く言ってくれたらお勉強頑張ったよ）
という意味だ。口下手のため、無意識のうちに尖った言葉になるが悪気はない。
「……はあ、帰ったら……勉強」
そう言いつつゆきのは、一緒に帰る幼馴染の東条 あんずがいつになく静かなことに気づく。
「……？ あんず……大人しいね」
(元気ないけど大丈夫？)
普段活発で元気なあんずが無口になるなんて、心配になってしまう。
「テストやだー！ だって難しくて分かんねーもん！」
あんずは、男の子っぽい口調で溜まった思いを一気に吐き出した。
「今回もテスト……だめなの？ わからないって何が」
やっとしゃべってくれたことにちょっと安心してゆきのが聞けば。
「分からない教科？ うーんと、全部だけど……特に国語と算数がやばいかなって感じ！」
「わかった……国語も、算数も……教えてあげる」
ゆきのの言葉に、あんずの顔色がぱあっと明るくなった。
「え？ ゆきの教えてくれるのか！？ わーい！！ じゃあ今からゆきのの家行く！！」
間もなく、二人はシーサイドタウンにあるゆきのの家のドアを開けた。
「ただいま……」
「お邪魔しまーす！」
ゆきのの両親は仕事で留守だから返事は返ってこないけど、二人はちゃんと声をかける。
そしてそのままゆきのの部屋に行く。
あんずは普段から頻繁に遊びに来ているので、勝手知ったる他人の家という感じだ。
ランドセルから教科書を取り出しながらあんずは言う。
「えっと、じゃあまず算数を教えて！ 掛け算と割り算がうまくできなくて……」
「最初は算数ね……わかった、掛け算は……得意」
普段は表情が乏しいゆきのだが、掛け算と言ったときの顔はなんとなく誇らしげだ。
さっそく問題に挑戦するあんずだが。
「ふんふん、こうしてああして……えーっとお……」
時折指で数えながら計算している。
「……わかった？」
覗きこむゆきのに、あんずはセミロングの灰色の髪を揺らして頷き、式と答えを書く。
「分かった！ こうだな！！」
「……わかってない、ね」
だがゆきのは無情に赤色のロングヘアを横に振った。
「えーっ違うの！？ なんでなんで！！」
信じられない、という様子のあんずに、ゆきのは自分の鉛筆で正解を書いてみせる。
「落ち着いてやれば、あんずも出来る……ほら、ここが違う」
「あー！ なるほど！ ここが間違ってたのかー！ ゆきのはすごいな！！」
目を見開いて感心するあんずに、ゆきのは無表情のまま答えた。
「別に、ふつう……」
そんなことないよ！ あんずもちょっと頑張ればこのくらい簡単だよ！ という意味である。
「教えると、自分の復習にもなる……ね」
しばらくそうして勉強を続けたが、だんだんあんずの元気がなくなってきた。
「……もう疲れたの？」
冷たく聞こえるゆきのの言葉だが。
「う、うん……ちょっと」
飽きてしまったあんずである。
「ちょっと、待ってて……」
ゆきのは部屋を出て、キッチンの冷蔵庫を開ける。
「……あった。ママが買ってたケーキ」
（2つあるから、たぶんゆきのと、あんずのぶん。あと、ジュースも）
日常的に遊びに来ているのであんずの分も用意されている。
いちごのケーキとジュースをトレイに乗せて戻ると、あんずが目を輝かせて、
「えっ！ 休憩していいの！ やったー！！」
歓声を上げた。
「あんず、これ、食べて。早く」
これ食べて頑張ろうね、という意味だ。
「わーかわいいケーキだ！！ 食べていいの！？」
「食べていいって……言ってたし」
「えへへ、いただきまーす！」
二人は仲良くケーキを食べ始めた。
「ん～おいしい！ 甘くて、いちごがすっぱくて、おいしいぞ！！」
あっと言う間にあんずはいちごのケーキを食べ終え、ゆきのもジュースを飲みほした。
「ごちそうさまでした！ よーっし、やる気出たぞー！！ 残りのテスト勉強も頑張るぞー！！」
「それじゃ、次は国語。国語は得意……」
国語の読み取り問題は大の得意であるゆきの。
「ふふ、この男の子たちが何考えてたか……？ 簡単」
ちょうど教科書には、少年たちが出てくる文章が載っていた。
「すごい、どうしてそんなことわかるの？」
……男子の登場人物の心情は読み取らなくていいところまで読んでしまっている。
9歳にして、実は目覚めたての腐女子であるゆきのだった。
「……っと、ここまでは、わからなくていい」
（あんずは、まだ、知らないほうがいいかも）
「そうなの？」
かたや、あくまで無邪気なあんずである。
二人は楽しくテスト勉強を続けた。
「まとめテスト……先生……言うの……遅い」
下校の通学路で、小学三年生の楠木 ゆきのはつぶやいた。
(もっと早く言ってくれたらお勉強頑張ったよ）
という意味だ。口下手のため、無意識のうちに尖った言葉になるが悪気はない。
「……はあ、帰ったら……勉強」
そう言いつつゆきのは、一緒に帰る幼馴染の東条 あんずがいつになく静かなことに気づく。
「……？ あんず……大人しいね」
(元気ないけど大丈夫？)
普段活発で元気なあんずが無口になるなんて、心配になってしまう。
「テストやだー！ だって難しくて分かんねーもん！」
あんずは、男の子っぽい口調で溜まった思いを一気に吐き出した。
「今回もテスト……だめなの？ わからないって何が」
やっとしゃべってくれたことにちょっと安心してゆきのが聞けば。
「分からない教科？ うーんと、全部だけど……特に国語と算数がやばいかなって感じ！」
「わかった……国語も、算数も……教えてあげる」
ゆきのの言葉に、あんずの顔色がぱあっと明るくなった。
「え？ ゆきの教えてくれるのか！？ わーい！！ じゃあ今からゆきのの家行く！！」
間もなく、二人はシーサイドタウンにあるゆきのの家のドアを開けた。
「ただいま……」
「お邪魔しまーす！」
ゆきのの両親は仕事で留守だから返事は返ってこないけど、二人はちゃんと声をかける。
そしてそのままゆきのの部屋に行く。
あんずは普段から頻繁に遊びに来ているので、勝手知ったる他人の家という感じだ。
ランドセルから教科書を取り出しながらあんずは言う。
「えっと、じゃあまず算数を教えて！ 掛け算と割り算がうまくできなくて……」
「最初は算数ね……わかった、掛け算は……得意」
普段は表情が乏しいゆきのだが、掛け算と言ったときの顔はなんとなく誇らしげだ。
さっそく問題に挑戦するあんずだが。
「ふんふん、こうしてああして……えーっとお……」
時折指で数えながら計算している。
「……わかった？」
覗きこむゆきのに、あんずはセミロングの灰色の髪を揺らして頷き、式と答えを書く。
「分かった！ こうだな！！」
「……わかってない、ね」
だがゆきのは無情に赤色のロングヘアを横に振った。
「えーっ違うの！？ なんでなんで！！」
信じられない、という様子のあんずに、ゆきのは自分の鉛筆で正解を書いてみせる。
「落ち着いてやれば、あんずも出来る……ほら、ここが違う」
「あー！ なるほど！ ここが間違ってたのかー！ ゆきのはすごいな！！」
目を見開いて感心するあんずに、ゆきのは無表情のまま答えた。
「別に、ふつう……」
そんなことないよ！ あんずもちょっと頑張ればこのくらい簡単だよ！ という意味である。
「教えると、自分の復習にもなる……ね」
しばらくそうして勉強を続けたが、だんだんあんずの元気がなくなってきた。
「……もう疲れたの？」
冷たく聞こえるゆきのの言葉だが。
「う、うん……ちょっと」
飽きてしまったあんずである。
「ちょっと、待ってて……」
ゆきのは部屋を出て、キッチンの冷蔵庫を開ける。
「……あった。ママが買ってたケーキ」
（2つあるから、たぶんゆきのと、あんずのぶん。あと、ジュースも）
日常的に遊びに来ているのであんずの分も用意されている。
いちごのケーキとジュースをトレイに乗せて戻ると、あんずが目を輝かせて、
「えっ！ 休憩していいの！ やったー！！」
歓声を上げた。
「あんず、これ、食べて。早く」
これ食べて頑張ろうね、という意味だ。
「わーかわいいケーキだ！！ 食べていいの！？」
「食べていいって……言ってたし」
「えへへ、いただきまーす！」
二人は仲良くケーキを食べ始めた。
「ん～おいしい！ 甘くて、いちごがすっぱくて、おいしいぞ！！」
あっと言う間にあんずはいちごのケーキを食べ終え、ゆきのもジュースを飲みほした。
「ごちそうさまでした！ よーっし、やる気出たぞー！！ 残りのテスト勉強も頑張るぞー！！」
「それじゃ、次は国語。国語は得意……」
国語の読み取り問題は大の得意であるゆきの。
「ふふ、この男の子たちが何考えてたか……？ 簡単」
ちょうど教科書には、少年たちが出てくる文章が載っていた。
「すごい、どうしてそんなことわかるの？」
……男子の登場人物の心情は読み取らなくていいところまで読んでしまっている。
9歳にして、実は目覚めたての腐女子であるゆきのだった。
「……っと、ここまでは、わからなくていい」
（あんずは、まだ、知らないほうがいいかも）
「そうなの？」
かたや、あくまで無邪気なあんずである。
二人は楽しくテスト勉強を続けた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年01月24日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年01月31日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年01月31日 11時00分
