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鴻上 彰尋
と翁の扇子
金は天下の回り物なんて申しまして、酒屋で太い眉毛を書き込んだ五千円札を払ってみれば店主がバイトに持たせてオイちょっくら出前を取ってきなさいよと言えばバイトはラーメン屋に電話をかける。その分ちょろっと自分の懐におつりの小銭をしまい込みつつ出前にやってきたバイトに五千円札を渡せばその出前番はこりゃあ珍しいお札に眉毛が描いてあるよと財布にあった自分の五千円札と交換して持ち帰って妻に見せる。すると彼女はアラこのお札は私が払ったものよと話して旦那の誕生日祝いに買ったウィスキーの瓶を差し出すんですな。こりゃあ奇遇だと驚いている隙にこのお札も私のものねと懐に入れてしまう――とまあこんなもんで、物ってやつは不思議な巡りをするもんでございます。
さて、物が巡れば歴史が出来ますな。
かといって物がこれこれこういう辿りをしたんだよと話すこたあない。それが通りでフツウというもんでございますが、今日だけは違った。そんなフシギのお話でございます。
『やあやあ、どうも暗いねえここは。彰尋、彰尋くん』
鞄の中から声がしまして、鴻上彰尋くんは学校鞄を開いて見る。電話が入っているでもなくスピーカーが鳴っているでもなく誰かの悪戯ってえわけでもない。普通はここで混乱するモンでございますが、なにぶん彰尋くんはフシギ慣れしているもんですから、キリリとした顔で鞄の中へ「誰が喋っているんだ?」なんて問いかける余裕があるんですな。
すると鞄の中で。
『私だよ、私。いやあよくよく見ると大きくなったもんだ彰尋くん。どれ、ちょっと出してはくれないかね』
と扇子が言うもんだから鞄から出してやる。
これがただの扇子だったんなら話はここでおしまいですよ。まあフシギな話だったわねで落とすんですが、コレが彰尋くんのおじいさんから受け継いだ扇子だというからそうはいかない。
言ってみりゃあ彰尋くんの大先輩にあたるわけでございますから、それなりに敬意というもんを持つんですな。
こう、両手で拝借するように畳んだ扇子をもちまして、小さく頭を下げる。
どうもお世話になっています。
礼儀正しい子供ですよ。きょうびよそのお宅に言っても両手をポケットに入れて首だけくいっと出して『チッス』なんて言うのが当たり前だというのにこのこと来たら。
それもそのはず、かの高名な舞台役者のお孫さんに当たる鴻上彰尋くんでございますから。
扇子の方も気をよくしまして。
『はっはっは、そう硬くなることはない。そこに座りなさい。私を手前のところに、そう……おお分かっているじゃあないかその置き方だよ。うんうん。どれ、折角の機会だ。昔話でもしようかい』
と、語り始めたんですな。
老人というもんは昔の話をしたがるもんですが、今回ばっかりは制限時間というもんが長くありませんから、話せることは話しておきたい。
彰尋くんもこれで家では素直で実直な子ですから、まるで先生に教えを請うように話を聞き入っていたんですな。
話した内容と言えば、彰尋くんのおじいさんの話からで……えー、時は明治か昭和の……とまあ長く話す時間もございませんから、おじいさんが舞台で扇子を振った際にたいそう気に入って元の持ち主から頂いたという話しから始めたんでございますが……。
「俺のことを、覚えているんですか」
『なあに、ずうっと小さかった頃からみているとも。私をこう、綺麗なオモチャを見る目でね、キラキラと見ていたもんだよ』
「はあ、その節は……」
彰尋くんとしては頭が上がりませんよ。だって当時は油性のペンをぽんと抜いて自分の名前を書いてしまおうなんて思っていたわけですから。誰にも見つかっていないと思ったら扇子本人が知っているっていうんだから、悪い気は起こすもんじゃあございませんな。
頭を下げて聞いておりますと、次にお兄さんの話になる。
彰尋くんのお兄さんはまた複雑なお方で、彰尋くんはこの扇子がおじいさんからお兄さんへ、やがては自分の手元へ巡ってきたと思っておりますから、これまたありがたいような懐かしいような気持ちで聞いていたんですな。
『あの子は可愛いもんね、こう私を振っては舞を懐かしむことがあったもんだよ』
「兄さんが、ですか……」
誰も知らぬ意外な一面というやつですな。
思えばお兄さんの手に渡ってから暫くして、彰尋くんは改めてその扇子を頂けないかと話を持ちかけたわけですから、そこが一番気になるところでして……。
「俺が貰って、本当に良かったんでしょうか」
なんて尋ねるのは無理もございませんな。
扇子はそんな彰尋くんにかたかたと笑って。
『なんのことはない。あいつは、お前さんが私を気に入るとふんで手元に置いておいたのさ』
物の巡りは不思議なものでございます。
欲しい欲しいと思っていたものが、知らぬうちに大事に暖められて、いずれしっかりと触れる時になって改めて手元にやってくるなんてことも、あるんでございます。
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担当ゲームマスター
青空綿飴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
SF・ファンタジー
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月17日
参加申し込みの期限
2017年01月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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