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■すいぞくかん
ベルーガってなんだろう。
碧南がその真っ白いイルカのショーを眺めることにしたのはそんな気持ちからだった。
ショーの合間合間にマイクで解説する飼育員によると、ベルーガというのはロシア語でクジラを意味する言葉なんだそうで、日本ではシロイルカやシロクジラとも呼ばれるそうだ。
絵本でばかりイルカやクジラを見ていた側からすると、クジラと呼ぶには小さいじゃあないかと思いがちだが、イルカも歴としたクジラ類の動物である。
色は言葉通りに白く、顔の形はクジラっぽくサイズや泳ぎ方はイルカっぽい。碧南はそんな風に思いつつ……なんかこれに跨がって色黒の男が歯を光らせるさまはイイなあみたいな妄想モードに早速入りつつあった。
今更やもしれないが、羽生碧南の特技は妄想である。
無数にプレイした乙女ゲーム(イケメンと恋するゲーム)をハブにして人間界の様々な事柄に興奮できるという彼女は、その特技を活かして上手な生き方をしていた。
どんなご飯も美味しくなるふりかけを持っていると考えて貰うと分かりやすい。
そんな碧南にとって水族館というスペースは思いの外『はかどる』場所だった。
屋内でありながら人が沢山通っても混み合わないくらい広く、しかし数メートル離れると顔が分からないくらい薄暗く、常に海底を漂うような落ち着く音が流れ、淡い間接照明が行き先だけを示してくれる。
それでいてそこかしこが先進的な構造をして、普段見かけないような動物が目の前をふよふよ浮いているのだ。
この非日常感満載の雰囲気で、尚且ついい具合に孤独になれる空間。
碧南は早速乙女ゲーのあれやこれやのシチュエーションをリアルな風景に幻視しながらにへらあと笑っていた。こんな風に笑っても別に誰も不思議に思わないというのも、またはかどりポイントだったりする。
けど本人的には恥ずかしいことだと思っているようで、はっと我に返ってはなんでもない風を装ってみたりみなかったり。
だがそこへ、碧南以上にこの世界にどっぷりと浸かっている人がいた。
みつびである。
「こんにちは。きみ、この辺じゃ見ないねえ。どこから来たの?」
熱帯魚に囁きかけるみつび。
水槽の向こうで黄色と黒のストライプ模様が入った熱帯魚(あの割と有名なやつ)はまるでみつびに応えるようにふよふよと泳いでいる。
「ノースショアに行けば、あんたのお仲間とも沢山会えるかな。珊瑚礁の周りをくるくるってさ」
テレビで見かけたスクーバダイビングの映像を思い出す。
海というのは不思議なもので、水の中と外というごくごく身近な距離に日頃目にすることの無いトンデモな生態系が広がっているのだ。
光が届かないくらいの深海に潜ると軽く宇宙人みたいなやつがごろごろいるそうで……。
波に乗って地球の浮遊感で遊ぶのも楽しいが、海の中もそれはそれで楽しそうだった。
「卒業までには、聖地に行っときたいなあ。伝言あったら伝えとくよ」
そう言って、みつびは水槽を指でつんと小突いた。
みつびの後ろをなんだかキャッキャした二人組が通り過ぎていく。
「先輩! クラゲですわクラゲ! 光ってますのよ! クラゲって光るんですのね! エコですわね!」
「あれは光ってるんじゃあなくてブラックライトといって……」
「太陽の真ん中でうっすら光ってるものがクラゲにもあるんですのよ」
「え、なに? 紫外線を肉眼で見分けられるの?」
見分けられなくは無いですけれども。
さておき。
左右や湊がふわーと言いながら張り付く水槽には、梢もまた張り付いていた。
「絶景ですねえ……」
クラゲというのは生育が地味に難しい生き物で、生き物としてのへんてこさもさることながらよく考えると合理的な生体機能にちょっとしたロマンを感じたりもできる渋いやつなのだ。
梢も梢で生物部としてその辺のちっちゃいクラゲを捕まえて水槽で飼ったりしてみるが、ああいうのってその辺の海にふよーっと浮いてるくらいが丁度いい生き物らしくすぐに死んでしまう。
更にムズいのがあのクリオネである。なんかクラゲの綺麗なやつみたいな扱いを受けているがあいつって要するにヒレのついてナメクジで、日本じゃそうそういないへんてこ生物を喰って生きているへんてこ海ナメクジである。当然ご自宅で生育なんてできないので、梢は水槽に穴が空くんじゃないかってくらいガン見していた。
「けど、やっぱりマイナーなやつに注目しちゃいますよね。ダンゴウオかあいー」
ダンゴウオ。ファンタジー系RPGの最初の村とかに出てきそうな、文字通りお団子みたいなフォルムをした魚である。
けどこいつおもしろいんですよ。お腹に吸盤的なものがあって岩肌やなんかにピッタリくっついて生息してるんですよ。あと地味にヴァリエーションが多い。やっぱRPG序盤に出てくるモンスターなんじゃあないかなあこいつは。
鴨川シーランドが娯楽施設であると同時に博物館としても登録されている。それは生物の生態系をじっくり観察できるという丁寧な作り込みにも現われていて、梢はもう日が暮れるまでここに張り付いていてもいいなあとか思っていた。
なにせここは想像が膨らむ。
巨大な亀の背に乗ってすいすい海をゆく自分だとか、指の上にお魚乗っけて泳ぐ自分だとか、せいうちの横に寝そべる自分だとか、およそ日常ではあり得ないような光景がありありと想像できるのだ。
同時に、毒を持っていたり人間でも構わず喰ったりする危険な生物も少なくない。
たまにゾッとした気持ちになりながらも、巨大な生態系に思いをはせる。
とても壮大で、そして満ち足りた時間である。
「アザラシいたなあ。やっぱ可愛いよなあ、アザラシ……」
ぼやーっとアザラシの姿を思い返す流。
陽毬はジェスチャーでアザラシの形を作って見せた。
「アザラシってあの白くてふわふわのじゃないの?」
「それは子供の頃だな。短いんだってよ、あの時間」
「ペンギンも?」
「ああ、ペンギンも子供の頃はふっさふさらしいよなあ」
陽毬はぽやーっとした顔でペンギンと握手したのを思い出した。
ペンギンショーというか、ふれあいパフォーマンスのようなことをしていたのだ。ペンギンの泳ぎに特化したあの腕は、握ってみるとなんだかキュッとしていて、それでいて柔らかくてほんのり暖かい。そんな、不思議な感覚になったものである。
「楽しいね、水守君! 一日で全部回れるか分かんないくらい盛りだくさんで」
「そうだなあ。半分も見れるか分からないし、今日は要所だけ見て……」
「だめだめ!」
陽毬は流の腕をぎゅっと掴むと、輝くような笑顔で振り返った。
「今日は全部回るんだから! いくよ、水守君!」
水槽展示エリアから野外エリアへ飛び出す陽毬。
逆光に包まれる彼女の美少女感を、是非覚えたまま次をご覧頂きたい。
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担当ゲームマスター
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グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月11日
参加申し込みの期限
2017年01月18日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月18日 11時00分
参加キャラクター一覧
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