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(ヒマだ)
ひどくシンプルに
北里 雅樹
は思った。今日は休日だ。ひなまつりだ。後者は俺には関係ない。
(いや……確か神社の方でひなまつりのイベントがあったよな)
雅樹はふと駅で見たポスターを思い出した。屋台も出たし、何だか色んな振る舞いがあったんじゃなかったけ。
猫鳴館の自室で雅樹はむくりと起き上がった。神社で甘酒でも飲んで、ついでに運試しにおみくじでも引いていこうかな。ここで独りゴロゴロしているよりは面白そうだ。
そうと決まると、雅樹は上着を羽織り、鼻歌を歌いながら猫鳴館を出た。
神社前は結構な人出だった。
へえと思いながら雅樹はぐるりと辺りを見回す。すると、人混みの中に見慣れた顔を見つけた。
「椎井だ……」
思わず呟いた。あの細身の体、中性的な雰囲気、感情を押し隠すような茶色の瞳。間違いない、
椎井 莉鳥
……元カノだ。
どうやら莉鳥の方は気付いていないようだ。雅樹の瞳が悪戯っぽく輝いた。彼女ではなくなったが元カノだし、猫鳴館に住んで近所ではなくなったが腐れ縁は続いている。
(さあ、どうやって驚かせようか……)
ペロリと唇を舐めると、雅樹は人混みを縫うように莉鳥に近付いて行った。
「いい天気ね……」
莉鳥は通りに面した大きな鳥居の前で抜けるような青空を仰ぐと、その眩しい陽射しに目を細めた。
本当は莉鳥は参道商店街に用事があったのだ。しかし行ってみると予想外の人出。そういえば、商店街のあちこちに『ひなまつり』『寝子島神社』とのぼりが立っている。
莉鳥はぼんやりと楽しそうに神社に向かう人々を眺めた。そして、用事は別の機会にする事にして、ぶらりとその足を神社に向けたのである。
莉鳥はその緩やかな参道を上り始めながら去年の事を思い出していた。
去年のひなまつり、自分は光の下にいなかった。
いや、その当日が曇りだったとかいう事ではない。去年のひなまつり、茉莉は自室に引き籠もっていたのである。
何故か、と言われると自分でもよく分からない。衝動的、とでも言えばいいのか。
成績は良かった。けれども期末試験を放棄した。周囲は困惑した。そして留年した。
その時の事を思い出し、莉鳥は小さく溜息をついた。もう過ぎた事だ。そう、過ぎてしまったのだ、過去は。そして現在、私の背後には―――どうやら元彼氏がいるらしい。
(気配が、バレバレなのよ……)
莉鳥はもう1度、心の中で大きく溜息をついた。そしてさあ、莉鳥に目隠しをしてやろうと大きく手を広げた雅樹にくるりと振り向いた。
「……何か用?」
「あ」
真っ直ぐに自分を見る莉鳥の前で、雅樹は手を広げたままマヌケに固まった。
「え……いや、その用っていうか……いやうん、ほら、陽射しがあるから椎井が眩しいかと思ってさ!」
「で、背中から遮ってくれたと」
「あはは~、俺って優しい~!」
莉鳥の冷たい視線を直視するよりは早春の太陽の方がましなのだろう。雅樹は空を見上げてへらりと笑った。
莉鳥はそんな雅樹にふうと息をつくと、言った。
「……どうせ暇なんでしょ」
「うん、暇」
「そう」
2人はほんの少しだけ見つめ合った。そして莉鳥はまた神社に向かって歩き出す。そして雅樹も、自然と彼女の横に並んで歩き出した。
参道を歩くのは、楽しかった。屋台を冷やかし、手頃な物を買って2人で食べながら何となく話して歩く。デートと呼べない事もないだろうが、しかし、2人の距離は微妙に空いていた。けれども莉鳥も雅樹もその距離をお互いが気付かないふりをしながら歩き続ける。
やがて緩やかな参道は終わりを告げる。2人は社殿のある境内に出た。
「桃が咲いてる……」
境内ではひなまつりに相応しく、あちこちで桃の花が咲き誇っている。莉鳥は吸い寄せられるように桃の木に歩いて行った。
桃の木は、ぼんぼりのあかりを点けたかのようにその可愛らしい花を咲かせていた。まるでその一帯だけ鮮やかな春が来たようだ。
莉鳥は、桃の花を見ながら、胸が小さく痛むのを感じていた。
(どうして……?)
神社は賑やかで、桃の花は綺麗で、抜けるような青空で、隣には雅樹がいて。……そう、お互いじゃれるように喋るけど、もう心も体も溶けるように触れ合う事はない雅樹。
またずくんと心が痛んだ気がして、莉鳥はその瞳の翳を濃くした。
雅樹は、そんな莉鳥の瞳を見つめていた。
どうして、そんな目で……そんな暗い翳を落とした目でこんな綺麗な桃の花を見るのだと言いたかった。けれどもその何か痛みを堪えているような瞳の莉鳥に声をかける事が、どうしても出来ない。するとふと莉鳥が雅樹を振り返った。
「なに見てるのよ」
「いや……そんな顔するの初めて見た」
「……そういうこともあるのよ」
そう言うと莉鳥はまた桃の花に目をやる。雅樹は「そうか」とだけ呟くと、莉鳥と同じように桃の花を見上げる。
2人はただ黙って、桃の花を見つめていた。
その後雅樹は、神社で流し雛をやっている事を思い出し、莉鳥を誘う事にした。
2人で別々に書く願い事。何を願ったかはお互いに秘密。けれども……お互いに何となく分かる気がした。言葉には出さなかったけれど。
並んで歩きながら猫又川に向かう雅樹と莉鳥。2人の肩は触れそうで触れない。それは、近くて遠い距離だった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月21日
参加申し込みの期限
2017年01月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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