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春も近くなって、暖かな日差しが降り注ぐ午後。
本居 陽毬
は鼻歌を歌わんばかりに上機嫌だった。手にしたビニール袋をぶんぶんと振り回しながら、スキップするように閑静な住宅街を歩く。
「えっへへー、役得役得ー」
へにゃっとした笑いが漏れる。ビニール袋の中身は、シーサイドタウンの伯母夫婦が営んでいる和洋菓子店の新作「ねこしまんじゅう桜味」。伯母夫婦の家に遊びに行った際に、おみやげにと包んで貰えたのだ。
陽毬も味見係に先に少し食べさせてもらったが、ほんのりとした甘さに塩気が効いていて大変においしかった。お茶請けにも適している上、単品でもいくらでも食べられそうなほどである。
「おいしいものをタダで手に入るって素晴らしいわねー!」
早く帰って食べよう。近道の人気の少ない路地裏へと進むと、ふと陽毬は道端に座り込んだ女の子を見つけた。
「だ、大丈夫?」
どうしたのかと思って声をかけると、返事の代わりに腹の虫の鳴き声が返ってきた。
「お、お腹が空いて、もう一歩も歩けない……」
「ええ……?」
行き倒れだった。
「えっと、お家はどこかなー?」
さすがに年端もいかない女児を人気のない路傍に見捨てて行くのは気が引ける。陽毬が声をかけると、少女は涙目になった顔を向けた。
「えっ」
思わず、声を上げてしまった。少女の顔は、伯母夫婦で見たアルバムの中の自分そのものだったのだ。
神魂の影響なのだろうか。私って行き倒れるような子だったっけ、と少し複雑な気分になる。
「……なんかお姉ちゃん私と顔似てない?」
「えっ、そう、かなぁ……? 世界には自分と同じ顔をした人が3人いるって言うし、遠い親戚、だったりして……」
警戒するような視線を向けてくるので、思わず顔をそらしてしまう。それが更に警戒心を高めてしまったのか、少女は怪訝な表情をし始めた。
「まあいいや。それよりお姉ちゃん、なんかいい匂いするね」
「……!? そっ、そう、かなぁっ!?」
ねこしまんじゅうの入ったビニール袋をガン見してくる少女。狙われていると悟った陽毬は袋を後手に回して隠す。
「ねえ、お姉ちゃん。そのお菓子ちょうだい」
「い、嫌だよ」
獲物を見つけた獣のようににじり寄る少女に対して、一歩あとじさる陽毬。
「お菓子よこせ!」
「嫌だ! これは私のお菓子だ!」
少女が飛びかかると同時に、陽毬はダッシュで逃げる。
私こんな頃から食に対してがめつかったかな、と思わず短い半生を振り返りそうになったが、今はそんなことより目先の盗られそうになっているねこしまんじゅうである。
「こんなに小さい子がお腹空かして倒れてるって言うのに見捨てるの!?」
「自分でそれ言うの!? っていうか私見捨てなかった! ちゃんと声かけたし!」
それはそれとしてまんじゅうを譲るのは絶対に嫌だが。
丁々発止のまんじゅう争奪戦を繰り広げた後。なんとか二人は「半分個にしよう」という条件で講和した。
道端に座って半分ずつにしたまんじゅう――割った時に若干大きくなった方は譲らなかった――を一緒にお行儀悪くもそもそと食べる。
「ううぅぅぅ、くそう、くそう……私のおやつがぁ……っ!」
悔し涙を流さんばかりに恨めしそうに過去の自分を見る陽毬。だがそのお菓子の元手はタダだ。金銭感覚が度を越してシビアかつ、美味しいものに目がない彼女らしいといえばらしいが。
ともあれ、もそもそとまんじゅうを食べるヒマリを改めて見て、大体歳は小学校低学年だろうかと見当を付ける。
確かこの頃は転勤族の両親が忙しくて、長期休暇はいつも寝子島の伯母さん夫婦のところに預けられていたことを覚えている。この時期の自分はまだ地元の子どもたちの輪に自分から入っていくような勇気もなく、従弟も病気がちで遊べなかったので大抵1人寂しく遊んでいた。それが嫌で、当時の陽毬は寝子島に行きたがらなかったものだ。
「……ねえ、友だちは?」
「………………」
メチャクチャ睨まれた。しかも自分から聞いておいて虚しくなった。軽率にまんじゅうの恨みを晴らすべきではない。
「……どうせ、友だちいないもん」
「あー、ごめんね。変なこと聞いちゃったわね」
「おまんじゅう」
「絶対イヤ」
隠し持っていた分にまで気付くとは食に関しては本当に勘が良い。
「……代わりに、お姉さんが良いこと教えてあげる」
「何? おまんじゅう?」
「おまんじゅうから一旦離れて。――友だちがいなくて、あんまりこの島のことが好きじゃないかもしれない。でも、大丈夫。きっとその内、あなたはこの島に来たくなる」
怪訝――というよりは、不思議そうな顔をするヒマリ。彼女は顔をかしげながら、「なんで?」と問いかけた。
だから陽毬は、笑って答える。
「運命の再会が待ってるからね!」
――まあ、まだ私も会えてないわけだけど。
心の中の呟きは、けれど希望に満ちていて。かつての占い師の言葉を陽毬はまだ信じていた。
「……隙ありー!」
「ちょっ、ああっ!? 私の隠しまんじゅうがぁっ!?」
「取られる方が悪いのです。もぐっ」
「ああぁぁぁああぁぁあぁぁ……。結局食べられたの、半分だけだった……」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
豚野郎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2017年01月12日
参加申し込みの期限
2017年01月19日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月19日 11時00分
参加キャラクター一覧
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