九夜山。鈴鳴神社から少し離れ、森林に囲まれた土蔵。
人気の少ないその場所に、二人の人影があった。
「お姉ちゃん、だあれ?」
「誰、って……」
目の前にいるまだ年端もいかない少女を見ながら、この頃は確かまだ小学生中学年ぐらいだったかな、と
鈴金 令は思い出した。
長い黒髪に特徴的な泣きぼくろ。一見すれば良いところのお嬢様のように見えなくもないが、瞳に宿る好奇心と活力がその印象を否定していた。
ああ、この頃はお転婆娘だったな。そう令は思い返しながら、口を開く。
「令よ。あたしの名前は、令」
「令お姉ちゃん? わあ、あたしもレイなの! すごい偶然!」
無邪気に笑うレイを見ながら、令はそれもそうだろうと頷いた。
そう、名前どころか姓も同じなのは当然だ。目の前にいるこの少女は、間違いなく幼少期の自分なのだから。
「そろそろお父さんにお祓いして貰おうかな……」
十中八九、これも神魂の影響であることは令にもうかがい知れた。近頃多過ぎるぐらいに遭遇する神魂の事件に思いを馳せて、少し遠目になる。
「令お姉ちゃんのお父さんも神主さんなの?」
「うん、神主さん。それであたしはそのお手伝いを時々する巫女さん」
「えーっ、すごーい! 巫女の仕事って、難しいんでしょ?」
そういえばこの頃はまだ巫女の仕事を手伝わせて貰えなかったんだっけ。手伝ったら手伝ったでしばらくするとすぐに面倒になったけど。過去を振り返れば、令の懐かしさが胸にこみ上げてくる。
「あなたならすぐに覚えられるよ。もちろん、巫女舞とかも」
「できるの、巫女舞!?」
「できるできる。ちょっと教えてあげようか?」
やった、とレイは飛び上がるほどに喜んだ。
「まずここをこうして……」
「こう?」
「違う違う、反対よ」
リズムを口ずさみながら舞いの一挙一動を教えて行く。
しゃらしゃらと風に揺れる木の葉の音が鈴のように鳴るのが、ひどく印象的な夕方だった。
明けましておめでとうございます。お世話になっております、豚野郎です。ぶひぃ。
今回は、
「過去の自分と会ってみよう」
というちょっとノスタルジックなシナリオです。
・人気のない場所でしか会えません。(複数PCだけがいる場所はOKです)
・過去限定です。過去の幅は昨日の自分から赤ん坊の頃までと広く対象となります。
・場所、過去の自分の反応・挙動などをご指定下さい。暗殺者の頃の自分と戦うバトル展開から、夢は叶ったかと子供の頃の自分に聞かれるちょっとノスタルジックな展開、果てはGAで二人で一緒に、赤ん坊の頃の自分たちをお世話するような展開まで、想像力の限り色々な展開がございます。
・効果時間は1日限り。24時間で効果は切れて、いつの間にかに、忽然といなくなっています。痕跡は残ります。
・過去の自分はタイムスリップしてきたわけではなく、単なる神魂の影響なのでタイムパラドックスなどは起きません。
・確定アクションにご注意下さい。確定アクションは厳しくマスタリングします。
・3シーン以内に収まるようなアクションですと大変書きやすいです。多数のシーンにまたがるようですと、文字数制限などの都合上マスタリングせざるを得なくなりますのでご了承下さい。
過去の自分と出会い、あなたは何を得るでしょうか?
アクション、お待ちしております。