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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
コロコロ
ダイス ３（ＰＣが恥ずかしい思いをする）
旧市街のアパートの一室で桜庭 円が横向きに眠っていた。飼い猫のにゃーくんは顔の辺りで丸くなる。その隣には立派なたてがみのライオンの縫い包みが横たわっていた。腹部から少し覗いているのは願いが書かれた紙であった。
「……ボクの、願いが……叶って……」
僅かに残っていた意識を手放した。
円は純白のワンピース姿で草原の只中に立っていた。
「前に見た夢の世界みたいだね」
「ライオンさん、いるかな！」
足元にはにゃーくんがいた。前の夢の時と同じように喋っている。
「いるかもね」
「ホントに。どこどこ」
跳び回るにゃーくんを目で追っていると、奇妙な建物を見つけた。外観は巨大なサーカス小屋。看板らしき物には『カジノ・サバンナ』と書かれていた。
その中からライオンが出てきた。二足歩行で少し怒ったような表情をしている。
「バイト、さっさと持ち場につかんか！」
「え、ボクがバイト？ そうなら、ごめんなさい」
「謝罪はいらん！ これ以上、客を待たせるな」
ライオンは大股で円に迫り、抱えていた衣装一式を押し付けた。早くしろよ、と念を押された。状況を把握しないまま、小屋へと入る。
中は大勢の客で騒然としていた。
シマウマやカバがスロットに齧り付く。血走った目で三つ揃えの七を願う。思い通りにならず、大きく仰け反って嘶いた。
ルーレットの台には狼が群れていた。食い千切られそうな歯を剥き出しにしてコインを賭けている。キリンのディーラーは涼しげな顔でボールを投入。結果に動じることなく、ゲームを進行した。
それらの動物は全て縫い包みであった。
「すごいねー。おっと、早く着替えないと」
赤い瞳をくりくりと動かす。そこかしこに円筒形の物体が置かれていた。
「トイレみたいだけど、縫い包みに必要なのかな」
疑問に思いつつも近くのトイレに飛び込んだ。ドアをロックして改めて衣装に目をやる。瞬間、絶句したように固まった。
「……これって、ウサギの仮装になる？ それとサイズが」
「バイト、早くフロアーに出て接客に当たれ！」
ライオンの吠えるような怒声に続いてドアが猛然と叩かれた。円は慌てて着替えを始める。あと少し、と口にして衣装を纏った。
ドアのロックを外して控え目に開く。ウサギの耳を装着した頭で外を窺う。
「このバニースーツ、胸のところがブカブカなんだけど」
「気にするな！ ほら、客が呼んでいるぞ」
五番と書かれたテーブルにいたジャッカルがこちらに手を振っていた。
「これって前屈みになったら、見えちゃうし」
「サービス業にサービスは付き物だ。相棒を見習え」
ライオンが一瞥した先には、にゃーくんがいた。鶏の着ぐるみ姿で、こけこっこーにゃん、と可愛らしく鳴いて見せる。
「にゃーくん、かわいー」
円は前屈みになって、慌てて胸を押さえた。
「俺は忙しい。あとは頼んだぞ」
ライオンは素早い動きで離れていった。
「うーん、仕方ない。がんばるしかないね！」
気持ちを切り替えて五番テーブルに向かう。マティーニの注文を愛想よく聞いて、見つけたカウンターに伝える。出来上がった注文の品をトレイに乗せて足早に運んだ。
「お客様、ご注文のマティーニになります」
コースターの上にグラスを置いた。
「チップだ、取っときな」
ジャッカルはコインを弾いて円のブカブカの胸に入れた。ひゃあっ、と奇妙な声を上げて急いで離れる。人目を気にしながら自らの胸に手を突っ込んだ。
「ボクの胸はポケットじゃないよ」
取り出したコインにはライオンの顔が刻印されていた。
「おい、姉ちゃん、ビールを頼む」
「俺はコークハイだ」
「あたしにはホワイト・レディね」
矢継ぎ早に注文が入る。円はボクシングで鍛えた足で軽快にこなしていく。
その時、気付いた。にゃーくんの姿が見当たらない。注文の合間に探していると景品の棚に陳列されていた。
「にゃーくんは景品じゃないよ」
「おっと、姉さん。勝手なことはしてくれるなよ。ここはカジノらしく、ポーカーで勝負といこうじゃないか」
ハイエナのディーラーがにやりと笑う。間もなく勝負が始まった。
「なんで脱衣ポーカーなんだよ！ 脱げる物が少ないボクが不利じゃん！」
不満を爆発させながらもゲームは続く。ウサギの耳を取られ、タイツを脱がされ、身体を守っていたバニースーツも剥ぎ取られた。
円は近くのトイレに逃げ込み、残ったパンティーを賭ける。
「ボ、ボクは負けないんだから！」
ドアから上半身を出して意気込む。胸は片方の手で隠され、運命のカードが配られた。
「……あー、ボクのパンティーが！」
叫んだところで目が覚めた。円は横目でライオンの縫い包みを睨み、頭部に軽く拳を入れた。
旧市街のアパートの一室で桜庭 円が横向きに眠っていた。飼い猫のにゃーくんは顔の辺りで丸くなる。その隣には立派なたてがみのライオンの縫い包みが横たわっていた。腹部から少し覗いているのは願いが書かれた紙であった。
「……ボクの、願いが……叶って……」
僅かに残っていた意識を手放した。
円は純白のワンピース姿で草原の只中に立っていた。
「前に見た夢の世界みたいだね」
「ライオンさん、いるかな！」
足元にはにゃーくんがいた。前の夢の時と同じように喋っている。
「いるかもね」
「ホントに。どこどこ」
跳び回るにゃーくんを目で追っていると、奇妙な建物を見つけた。外観は巨大なサーカス小屋。看板らしき物には『カジノ・サバンナ』と書かれていた。
その中からライオンが出てきた。二足歩行で少し怒ったような表情をしている。
「バイト、さっさと持ち場につかんか！」
「え、ボクがバイト？ そうなら、ごめんなさい」
「謝罪はいらん！ これ以上、客を待たせるな」
ライオンは大股で円に迫り、抱えていた衣装一式を押し付けた。早くしろよ、と念を押された。状況を把握しないまま、小屋へと入る。
中は大勢の客で騒然としていた。
シマウマやカバがスロットに齧り付く。血走った目で三つ揃えの七を願う。思い通りにならず、大きく仰け反って嘶いた。
ルーレットの台には狼が群れていた。食い千切られそうな歯を剥き出しにしてコインを賭けている。キリンのディーラーは涼しげな顔でボールを投入。結果に動じることなく、ゲームを進行した。
それらの動物は全て縫い包みであった。
「すごいねー。おっと、早く着替えないと」
赤い瞳をくりくりと動かす。そこかしこに円筒形の物体が置かれていた。
「トイレみたいだけど、縫い包みに必要なのかな」
疑問に思いつつも近くのトイレに飛び込んだ。ドアをロックして改めて衣装に目をやる。瞬間、絶句したように固まった。
「……これって、ウサギの仮装になる？ それとサイズが」
「バイト、早くフロアーに出て接客に当たれ！」
ライオンの吠えるような怒声に続いてドアが猛然と叩かれた。円は慌てて着替えを始める。あと少し、と口にして衣装を纏った。
ドアのロックを外して控え目に開く。ウサギの耳を装着した頭で外を窺う。
「このバニースーツ、胸のところがブカブカなんだけど」
「気にするな！ ほら、客が呼んでいるぞ」
五番と書かれたテーブルにいたジャッカルがこちらに手を振っていた。
「これって前屈みになったら、見えちゃうし」
「サービス業にサービスは付き物だ。相棒を見習え」
ライオンが一瞥した先には、にゃーくんがいた。鶏の着ぐるみ姿で、こけこっこーにゃん、と可愛らしく鳴いて見せる。
「にゃーくん、かわいー」
円は前屈みになって、慌てて胸を押さえた。
「俺は忙しい。あとは頼んだぞ」
ライオンは素早い動きで離れていった。
「うーん、仕方ない。がんばるしかないね！」
気持ちを切り替えて五番テーブルに向かう。マティーニの注文を愛想よく聞いて、見つけたカウンターに伝える。出来上がった注文の品をトレイに乗せて足早に運んだ。
「お客様、ご注文のマティーニになります」
コースターの上にグラスを置いた。
「チップだ、取っときな」
ジャッカルはコインを弾いて円のブカブカの胸に入れた。ひゃあっ、と奇妙な声を上げて急いで離れる。人目を気にしながら自らの胸に手を突っ込んだ。
「ボクの胸はポケットじゃないよ」
取り出したコインにはライオンの顔が刻印されていた。
「おい、姉ちゃん、ビールを頼む」
「俺はコークハイだ」
「あたしにはホワイト・レディね」
矢継ぎ早に注文が入る。円はボクシングで鍛えた足で軽快にこなしていく。
その時、気付いた。にゃーくんの姿が見当たらない。注文の合間に探していると景品の棚に陳列されていた。
「にゃーくんは景品じゃないよ」
「おっと、姉さん。勝手なことはしてくれるなよ。ここはカジノらしく、ポーカーで勝負といこうじゃないか」
ハイエナのディーラーがにやりと笑う。間もなく勝負が始まった。
「なんで脱衣ポーカーなんだよ！ 脱げる物が少ないボクが不利じゃん！」
不満を爆発させながらもゲームは続く。ウサギの耳を取られ、タイツを脱がされ、身体を守っていたバニースーツも剥ぎ取られた。
円は近くのトイレに逃げ込み、残ったパンティーを賭ける。
「ボ、ボクは負けないんだから！」
ドアから上半身を出して意気込む。胸は片方の手で隠され、運命のカードが配られた。
「……あー、ボクのパンティーが！」
叫んだところで目が覚めた。円は横目でライオンの縫い包みを睨み、頭部に軽く拳を入れた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2017年01月06日
- 参加申し込みの期限
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- 2017年01月13日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2017年01月13日 11時00分
