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……何かがいる!
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(音が、した……?)
教室の教壇の下で長らくひざを抱えていた
佐藤 瀬莉
は、かすかに聞こえてきた音に、すくめていた首を伸ばした。耳をすまし、何も聞こえないことに頭を振って、また教壇の下に戻る。
「だれか、走る音が聞こえたような気がしたんだけど、な……」
あたしが見たあの化け物じゃなくて、ちゃんとした人間の。化け物は、あんなぱたぱた軽い音はたてない。
(どうして戻ってきたりなんかしちゃったんだろう……)
最近ここの学校の生徒が行方不明になる事件が起きていることは知っていた。誘拐か家出かはっきりしないまま、ひとりも見つかっていない。しかし姿を消したのは小6生ばかりで、瀬莉は小5で、だからきっと大丈夫と思ったのだ。誘拐されたりなどしないと。
まさか誘拐犯よりずっと怖い存在が、夜の学校をうろついているなど思いつきもしなかった。
懐中時計のパーツを教室に置き忘れたりしなければ……いいや、そもそもそんな物を学校に持っていかなければ、こんなことにはならなかったのだろう。けれども瀬莉は時計いじりが好きだった。たくさんの歯車、小さなネジ、針、竜頭。そういった物を並べて、完成した姿を思い描きながら磨いていると心が安らかになって、あっという間に時間が過ぎる。そばにないと落ち着かない。
忘れ物をしたので学校に行って取ってくる、と言っても両親が承知しないのは目に見えていた。もう外は暗いから明日にしなさい、学校にあるのは分かっているんでしょう、大体今までないことに気付いてなかったんだから、いいじゃない――そう言って止めるに違いなかった。
そのとおりかもしれないが、手元にないと気付いてしまったら、もう気になってしかたがない。とても明日まで待てなくて、こっそり家を抜け出した。
自分が消えたりすれば、両親は大騒ぎするだろう。それこそ警察へ駆け込んだり、マスコミを集めて訴えたり……とにかく、ひどい騒ぎになる。
(ある場所は分かってるんだもん。さっと行って、さっと戻ってくればいいよね)
きっと両親は瀬莉がいないことに気づかないに違いない。かなり希望的観測だが。
閂部分を足場に正門を乗り越えて、鍵が壊れているとうわさの窓へ。窓は外からだと意外に高かったが、花壇の縁を使って飛び上がることで、なんとか入ることができた。
床に着地した瞬間、強いめまいが起きてふらついた。ほんの一瞬で、次の瞬間にはなんともなくなる。
なんだろう? 分からない。
目をしぱたかせて、瀬莉は唐突に気づいた。
足元に影ができている。周囲が明るい。
ライトなど人工の光ではなかった。窓の外、空は夕焼け空で、桜の木が満開に咲いている。風にさわさわと揺れ、開いた窓から舞い込んだ花びらが、板張りの床にひらりひらりと落ちていた。
「……え? 板張り?」
寝子島小学校は木造ではない。
見間違い? と目をこすってよくよく見れば、リノリウムの床と板張りの床が重なって見えた。
「なに、これ……ここどこ?」
壁も白壁と板張りの壁と、両方見える。ゆっくりと点滅するランプのように、片方が強まれば片方が弱まるというふうだ。
混乱している瀬莉の耳に、かすかに木の板のきしむ音が聞こえた。
のろのろとした足取りで、何かが近づいてくる。重い何かを引きずっているような音も混じっている。
「何かしゃべってる、のかな」
話しているようにも、うめき声のようにも聞こえる。
嫌な感じがしないでもなかった。怖くもある。けれど、この奇妙な現象への好奇心が上回った。
音のする廊下へ向かう。曲がり角で立ち止まり、息を殺してこっそり角から覗くと、下半身が木の少女が赤い荷物を引っ張りながら歩いていた。
それが人の上半身で、少女が無造作に掴んでいるのが長い髪の毛だと知った瀬莉は、思わずひっと息を吸い込む。
チキチキ、チキチキと、カッターを出し入れする小さな音が廊下に響いている。
こちらへ向かっていると知って、とっさに瀬莉は近くの壁のでっぱりの影へ隠れた。
危ないところだった。もう少し遅かったら、きっと見つかってしまった。
やがて、化け物は角を曲がって同じ廊下へ入ってきた。見つかったら、あの上半身しかない女の子のように、自分も殺されてしまうのだろうか? きゅうっと心臓が縮み上がる。
「なぁんかぁ、きょうぅぅはぁ、い、いぃっぱぁいぃ、いるぅきぃがぁぁぁぁするぅわぁぁあ。さぁわぁがしぃぃいわぁ。どぅうしししし……てぇ?」
背筋が凍りつく、ぞっとする声だった。聞いているだけで怖くて怖くて、心臓がドキドキして息が乱れる。
「だぁかぁら、でぇれなぁいのぉねえええ。い、いいいっぱい……いっぱぁい……。こここ、こぉろぉさなきぃゃあぁ」
重い物を引きずるような、それでいてわさわさとヘビが這い回っているような音は、だんだん近づいてきた。もう、すぐ近くだ。
呼吸する音で気づかれるんじゃないかと、瀬莉は両手で鼻と口をおおった。
木霊はぶつぶつぶつぶつつぶやきながら瀬莉の隠れた壁の前を素通りして、廊下を横切って階段のある角の向こうに消えていく。しばらく待って這い出した廊下は、血としか思えない赤い色が辺り一面にこびりついていた。
「あ、ああ……ああ……」
腹の底からせり上がってくる冷たい恐怖に頭がしびれた。歯ががちがち鳴って止まらない。悲鳴を上げそうになって、口をふさいだ。上げたりしたら、あの木霊が戻ってくるかもしれない。いつまでもここに無防備に立っているわけにはいかなかった。
「動いて……あたしの足……」
がくがく震える足で、どうにか歩き出す。どこをどう歩いたか全く覚えておらず、気がつけば教室で、教壇の下で、こうしてひざを抱えて震えていたというわけだった。
ここから出たい、学校から出たい。でも怖い。動いたら見つかって、今度こそ殺されちゃう。
(だれか助けて……)
ぎゅっと閉じた目を腕に押しつける。朝になったら先生やみんなが学校に来て、あの化け物は消えるかもしれない。それまでここに隠れていれば……。
でもきっと、そうはならない。なぜなら、瀬莉が気づいてからもうかなりの時間が経ったのに、教室の西日はわずかも動いていなかったからだ。影は常に同じ場所にあり、机上に舞い落ちる花びらの数は増えない。
だれも、瀬莉がここにいることを知らない。両親も、だれも、瀬莉を助けられない。
我慢していた涙がついにほおを伝ったそのとき。下の階から男の人の声が聞こえた。
「おいっ! 助けにきたぞ!」
助けという言葉に反応して、瀬莉は教壇から飛び出していた。ドアへ駆け寄り、がらっと開く。
「あたしはここ! 助けて!」
そう叫ぼうとし、言葉をのどに詰まらせた。
「や、やや、やぁっぱりぃ、こ、こぉこぉだったぁぁ」
「…………っ……!」
恐怖のあまり悲鳴すら出なくなっている瀬莉を見て、開いたドアの向こう側で、木霊がひひひっと笑った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ★(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年12月29日
参加申し込みの期限
2017年01月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2017年01月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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