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!かうょきいえのんこんしたま
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○
どうして自分はこんなところに居るのだろう、と。
楽屋裏で、待機している最中。
夢宮 瑠奈
の頭の中に、ふとそんな自問が浮かぶ。
答えは、これからステージに出るから。
ステージで、歌うから。それが、お仕事だから。
わかりきった答えが自分の中から返ってきて、それから心臓が早鐘を打ち始めた。
冷たい汗が背筋を伝い、口の中がカラカラに渇いていくのがわかる。
歌うのが、どうしようもなく恥ずかしい。しかもステージということは、それを人前でやるわけで。
どうしてそんなことを、そんな苦手で苦手でしかたないものを、お仕事にしているのだろう?
悪い夢なら覚めてほしいと、夢じゃないなら誰か夢に変えてほしいと。
そんな思いが頭から手足の指先まで広がって、水をたっぷり吸った服みたいに、身体の全部が重くなる。
楽屋の椅子から、ステージへ向かう足が止まるのも当然で。
そんな彼女の様子に、呼びに来たスタッフさんが気づいた。
「せれねさん、どうしました?」
ええっと。
渇いた口の中で舌がもつれて、うまく言葉が出てこない。
言葉が出てきたところで、どう答えればいいのかもよくわからないけれど。
「緊張してきちゃいました? 今日のステージ、せれねさん一人ですもんね。でも――」
「いやいやいやいや、むりですむりむり!」
引きつった顔で、何度も首を横に振る。
スタッフさんが怪訝な表情を浮かべた。それを見て、つい言ってしまったことがいよいよもって恥ずかしくなってくる。
「なんでもないです! ちょっと飲み物買ってきます!」
さっきまでの身体の重さはどこへやら。弾かれたように、瑠奈は楽屋を飛び出していた。
逃げよう、と思ったわけでは決してなく。ただちょっと、ほんのちょっと、恥ずかしさに耐えられなくなっただけで。
会場の隅の、少し人気のない自販機エリアまできたところで、瑠奈は足を止めた。
余計からからになった喉を潤すために、ミネラルウォーターを買って一気に飲み干した。
ほう、と大きく一つ息を吐く。
戻らなきゃ、と思う自分が居る一方で。まずます恥ずかしくなってきた、と思う自分も居て。
どうしようと呟く瑠奈に、声をかける人影が一つあった。
「末明せれねさん、ですか?」
目の前のアイドル衣装の少女――末明せれねが頷くのを見て、
アケーチ・タッマーキ
は歓喜した。
「おぉ、やはりそうでしたか! その素敵なアイドル姿、間違いないと思っていました! なんと可憐な……!」
いつもはこっそりストーキングでトキメキを得るアケーチだったが、先刻のナンパといい、今日はダイレクトアタックしないと済まない気分であった。
「あ、あのー?」
せれねがぽかーんとしているのに気付き、アケーチは優雅に一礼。
「私、明智と申します。アーティストをしておりますので、アイドルとしてより美しい彩りを求める際には是非お声がけを。いえ、むしろ今ここででも構いません!」
そこまで言ってから、今日というか今はメーキャップ用の道具を持ち合わせていないことに気付く。もっとも、持っていてもやらせてもらえないだろうが。
「ふ、ふふ。今の私はただの観客。メーキャップの道具は持ち合わせていないのでした……」
ふぁさりと髪を撫で付けつつぼやけば、せれねがぴくりと反応する。
「もしかして、今日の私のステージ……?」
「えぇ、もちろんです! と言っても、恥ずかしながら私は貴方のステージを拝見するのはこれが初めてなのですが」
素敵なアイドルだという話を聞いて、興味が出て。それでここまでやってきた。
まるで、舞台上の役者がそうするみたくアケーチは天を仰ぐ。
「こうしてお会いして、あぁ、なんと可憐で素敵なアイドルなのかと……! 聞きしに勝るとは正にこのこと……!」
それから、清廉な天使のような笑みを浮かべる。
「大勢のファンの方々が待っているのも、うなずけるというものです」
「ファンが、待ってる……」
せれねは――瑠奈は、ぽつりと呟く。確かめるように、噛みしめるように。
どうして、こんな自分にファンが居るのだろう。
どうして、こんな自分を待っているのだろう。
自分の何が、そんなに魅力的なのだろう。
そんな思いが、次から次へと浮かんでは消えていって。
そして最後に、浮かんで消えずに残った思いは。
『それでも』だった。
それでも、目の前の彼が言うように。待っている誰かがいる。こんな自分を、待ってくれている人が居る。
だから、
「私、もう戻らないと! 開演、もうすぐだから!」
ここへ来た時にそうだったように、弾かれたように走り出す。
途中でちょっと止まって、くるり向き直ってアケーチに頭を下げた。
「あの、ありがとうございます!」
「どうやら、何かのお役に立ったようでなによりです。ふふ……」
絵画のような微笑みを返す彼に、もう一度だけ頭を下げて。瑠奈は、一目散に楽屋へ向かう。
どんなに恥ずかしくても、難しくても、無理だって思えても。他の全部が、変わってしまっても。
それでも、立ち向かわなきゃいけない。そこだけは、変わらずに。
自分は、みんなに夢を与える側の人間だから。
自分は、生きる希望を与える人間だから。
自分は、アイドルだから。
終わったら、きっといつものようにへたり込むのだろう。
けれど、きっとできるから。
へたりこんでも、やることを全うできたのなら。
「ああ、今回もがんばった」
きっと、そう言えるから。
きっと、それが。
何があっても、変わらないものなのだろうと。
そう、思った。
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あとがき
担当マスター:
風雅宿
ファンレターはマスターページから!
というわけで、反転しての一日はいかがでしたでしょうか。
お楽しみいただけたのであれば幸いです。
それでは、またご縁が在りましたら、その時はよろしくお願いいたします。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月17日
参加申し込みの期限
2018年02月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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