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!かうょきいえのんこんしたま
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○
病気というわけではないけれど、なんとなく調子が悪い。
化神 小次郎
は、今まさにそんな気分だった。
熱っぽいわけでもないし、せきが止まらないとか、そういうわけでもないけれど、どこか違和感。
その正体は何だと首をかしげていると、背後から同級生の声。
「おはよーっす、いい天気だなー!」
振り返る小次郎の、黒い髪が春も終わりの暖かな風にふわりと踊る。
そうして小鳥が囀るような、小さく柔らかな笑みを浮かべ、
「おはようございます。ええ、心地よい春の日差しが注ぐ、大変良いお天気ですわね。とても清々しく、いつになく心がふわふわしてしまいます」
涼やかな声に、どこか砂糖菓子のような甘さが宿る。
胸の前で祈るように手を組んで、
「ああ、こんな日は愛しいあの人……よし――」
戸惑いの視線に、ふと我に返った。
「えっと……その……何? なんか、演劇でもやんの……?」
戸惑い混じりの問いかけに、否応なしに今しがたの自分の言葉を自覚して。瞬間、小次郎は耳まで赤く染まってしまう。
「ち、ちげえ! なんでもねーし!」
というか、今自分は何と言いかけた? 愛しいあの人? 誰が? よし、って――誰の名前を口にしかけた? 誰のことが、愛しいって!?
「べ、別にあたしは熊センセーのこと……なんて……」
取りつくろおうとしての言葉が、そのまま直撃弾となって足元で爆発する。
ただでさえ赤くなっていた顔が、身体中の血が全部集まってるんじゃないかってくらい真っ赤に染まる。
もはやここには居られなかった。身体能力を無駄に発揮し、全速エスケープ!
(なんだこりゃ、神魂の影響ってやつか!? 元に戻れー! 今すぐ、あたしの性格を元に戻せー!)
などと心中で嘆きつつ、ろくに前も見ずに走り続けた小次郎を、不意の衝撃が襲う。
跳ね飛ばされるように後ずさり、それからようやく人にぶつかったのだと理解して。
「わ、悪い!」
頭を下げてみれば、目の前に居たのは強面に髭面の大男。
そう、吉田熊吉先生である。
「……!」
ちゃんと謝ろうと思って、けれどもついさっきのことが脳裏をよぎる。
そのせいでいやでも意識してしまって、身体がついてこない。
そんな彼女に、熊吉先生は。
「おや、化神さん。いけませんねえ、ちゃんと前を見て歩かなければ」
熊のように野太く、けれども穏やかさをたたえた声音で、そっと手を差し出した。
その顔に浮かべているのは、熊よりはむしろおとなしい大型犬のような、そんな穏やかな微笑み。
小次郎の手を取ると、コワレモノを扱うようにそっと優しく手を引いて立たせる。
「せ、せんせ……?」
あまりにもいつもと違いすぎて、お礼より先にうわずった変な声が出てきてしまう。
もしかして――
(――先生もあたしと同じことになってんのか!?)
「どうしました、ぼーっとして。もしやどこか痛めでもしましたか?」
少し身をかがめて、気遣わしげに問いかける熊吉先生。
そうすると自然と顔が近づいて、小次郎は思わずドキリとして……
「だ、大丈夫! 怪我とかしてね――」
それが引き金になったのか。
また、反転する。
「いいえ、違うのです熊吉先生」
胸のあたりで、手を握りしめ、首を小さく横に振る小次郎。その頬は薄っすらと朱に染まり、瞳は熱っぽくうるんでいた。
「痛むのは身体ではなく、私の心。あなたの事を思うと、胸がときめいてせつなくて張り裂けそうでした」
熊吉先生のジャージの裾を、小次郎はぎゅっとすがるように握りしめる。心臓が、痛いくらいに早鐘を打つ。
「その逞しい胸の中に飛び込んで、ギュっとあなたを抱きしめたいです。ああ熊吉先生、その体温を肌で感じたいのです」
そうでなければ、心は満たされないと。
そうでなければ、この張り裂けそうな胸の痛みは治まらないと。
しなだれかかる化神に、熊吉先生は戸惑ったようにただ彼女の名前を呟いた。
小次郎の肩に、不釣り合いなくらい大きくがっしりとした熊吉先生の手が添えられる。
「化神さん、今の僕には……これくらいしかできません」
「……今の私には、これだけでもまるで夢のよう」
触れた先から伝わる熊吉先生の体温を感じながら、小次郎は切なげに笑う。そして願う。
ずっと一緒にいたいと、今このときが止まってしまえばと。
そして何より、先生の心が――。
「ん? 何やってんだ俺?」
野太くて怪訝な声がして、小次郎はハッと我に返る。
「おい化神、お前も何やって――」
続く言葉は、聞こえなかった。
というか、聞いてる余裕なんぞなかった。
心臓が、破裂しそうなくらいに強く早く鼓動する。顔が熱くなって、けれども背筋を伝うのは冷たい汗で。
顔を伏せて、二、三歩後退る。
「化神、どうした?」
もう限界だった。
「なななん、なんでもねーよぉぉぉぉぉぉぉッ!!」
くるっとその場で物理的な意味で反転、そのまま熊吉先生に背を向けて猛ダッシュ!
(うぎゃあああ何だこりゃ恥ずかしい!)
さっきのが、さっきのがまさか自分の本心!? そんな馬鹿なことありえない、と頭をぶんぶん横に振る。
けれど。
心のどこかで、誰かが言っている。
熊吉先生のことを想う気持ち。その胸の痛み。それがきっと――。
「おのれ神魂めえええええ!」
かき消すようにあげた叫びが、朝の空にこだました。
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担当ゲームマスター
風雅宿
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
コメディ
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2018年02月17日
参加申し込みの期限
2018年02月24日 11時00分
アクション投稿の期限
2018年02月24日 11時00分
参加キャラクター一覧
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