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狂気は月夜に笑う ~マシナリア・サイドストーリー~
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海斗は考えていた。どうやってこの少女、イヴァを倒そうかと。
突撃準備よしの掛け声で発動したろっこんの効果のおかげか肩を斬り裂かれても腕を貫かれても痛みは感じない。
流れる血液の熱さは感じるがただそれだけだ。
その効果のおかげで戦闘中ながらも冷静に分析し、行動を選択できている。
イヴァが大鎌を振り上げようものならその柄部分を剣で受け止め、潜り込む様にしてもう片方の手に持った剣で斬りつけた。
戦闘慣れしているのかイヴァはそれでも身体をずらし致命傷を避けているのだ。こういう相手には一筋縄ではいかない。
なにか手が必要だ、高速で大鎌を振り回すイヴァのペースを乱す様な何か策が。
「あなたはゾンビですか! 斬っても、斬っても手ごたえはあるのに怯まない!」
「しかたねえべ、痛くねぇんだから」
「ちぃっ! 分が悪いです、お前達ッ! 来なさい!」
イヴァが呼ぶと海斗の周囲に黒いもやが現れ、次の瞬間そこから数体の黒い影の兵士が出現した。
「仲間呼んだっちゃね、だけんども、それだけじゃ状況は変わったりしないべな」
不意を突く様に黒い兵士の一体が剣を右上段から海斗目掛けて振り下ろすが海斗はそれを素手で受け止めるとそのまま剣を掴んでイヴァ目掛けて投げ飛ばす。
飛んでくる兵士をイヴァは大鎌の一閃で斬り飛ばすが、その直後自身の失態に気が付いた。
懐に海斗が潜り込んでいたのだ。剣を両手に持った海斗はそれを上へと振り上げる。
鋭い二つの至近距離からの斬撃はイヴァの身を斬り裂き、赤い血潮を吹き出させた。
「ぐぅああああっ! この、人間風情がぁ!」
距離を取ったイヴァは胸部を斬り裂かれ服を赤く染め上げながらも大鎌を構えた戦闘態勢を崩していない。
「おや、おこったべ……なら次はもっと――」
「待ってくれ、ここは俺に任せてくれないか」
剣を構えなおした海斗の横に竜司が立っていた。その瞳は何かの決意をしている様に見える。
目を閉じ少し息を吐き出すと海斗は竜司に背を向けた。
「わかったべ。本来なら数で押すのが正攻法だけんども、何か考えがあるっちゃね」
「……ありがとう」
「礼はいいべな、そんな眼をした男を止めるつもりがないだけだべ」
それだけ言うと海斗は両の手に剣を握り締め、いまだ湧き出す黒い兵士達の群れへと走っていった。
何も言わず、向かい合う竜司とイヴァ。
どのくらいの時間だろうが。一瞬、数秒……先に動き出したのはイヴァだった。
大鎌の刃で地面を抉る様に滑らせ下方から一気に竜司を刈り取ろうとイヴァは攻撃を放つ。
それを剣でいなし息がかかる程に竜司は距離を詰め、肉迫する。
海斗に言われたが、考えなんてものはない。
ただ、受け止める。その全てを。
それだけが自分にできる一番の事だと彼は理解していた。
「ッ! 今回は最初から全力なんだね……いいぜ、全部受け止めてやる!」
「どうやらまたお腹に風穴を開けられたいようですね。お望みどおりにしてあげますよ!」
拮抗していた竜司とイヴァだったがふっと大鎌が消えた事によって体勢を崩した竜司が前のめりに倒れその拮抗は崩れた。
ノーガードとなった竜司の左腹部を狙ってイヴァの鋭い素手の突きが放たれる。
「そう来ると思ってたぜ!」
イヴァのその攻撃を予測していた竜司は倒れながらもイヴァの手を握り締め強く引くとイヴァ諸共地面を転がる。
竜司は押し倒した状態になったイヴァの両の手を押さえ付ける。
「くそっ! 離しなさいッ!」
腹部に膝による打撃が幾度も叩き込まれるが、竜司はその痛みに耐える。
「だめだ、離さねえっ! 離せるわけないだろ、君は……君は……昔の俺なんだ―――勝手に絶望して全てを諦めていた俺なんだよ。そんなの、放っておけるわけないだろッ!」
「うるさいッ! 私はアナタじゃないんですよ! アナタに何がわかると……言うんですかッ!」
もがくイヴァを押さえつけ、竜司は更に言葉を紡ぐ。
「俺、なんでこの場に呼ばれたかわからなかった……でも今は分かる! 俺は君を止める為に呼ばれたんだよッ! 例え斬られ様が蹴られ様が俺は何度だって伝えてやる! 破壊なんてやめて俺達と一緒に何か楽しい事しよう!」
「世迷言を……ッ! 人間風情に……何が、わかるのッ!」
「うぐっ、がぁっ! わかるさ、君は……俺、と――――」
腹部に強く膝を何度も打ち込まれた竜司はその痛みに耐えていたが、ついには意識を失ったようにだらりとイヴァにもたれかかった。
そのままの状態でイヴァは荒く息をしながらいう。聞こえない様な小さな声で。
「はぁ、はぁ……人間にしとくのが惜しいくらいタフな人。優しすぎる……でも、もし、もっと早くアナタとその優しさに出会えていたなら……私は、きっと――――」
力を失っている竜司をゆっくりとどかすとよろよろと立ち上がり、歩きながら大鎌をイヴァは召喚する。
「もう遅いんですよ、私にはこういう生き方しか……できないんです」
「あららら、人の好意って受け取らないと後々後悔するんですよぉ? 知らないんですかぁー?」
俯きながら大鎌を構えると咆哮する様に叫びながらイヴァは目の前のツクヨ目掛けて走った。
彼女の言葉が真実を説いているようで。
見透かされているようで。
なにより満身創痍の癖に浮かべているその笑顔が気に入らない。
「だまれぇぇぇぇぇぇーーーッ! 私は、私はァッッ! ハガル様のォーーッッ!」
ツクヨは血塗れながらもその顔に疲労の色すら見せていない。寧ろ狂気的な笑みがいつもよりも生き生きとしている様だった。
その表情から一瞬狂気的な笑顔が消えた。
そこにあったのはイヴァを真っ直ぐに見据える真剣な眼差しだった。
「――――つくづく救えない人ですね。だから、解放してあげないと……なんですけど」
イヴァとツクヨは斬り結ぶ。
何度も何度も。
耳に届く音が遅れる程に速いその斬撃は常人では目で一瞬捉える事すらできない。
その音を聞きながら身体の痛みでまだ意識朦朧としている竜司は呟く。
「だめ、だ……イ、ヴァ……ちゃ、ん……」
伸ばした手はまだ、空を掴むだけであった。
◆二章「希望への道筋」
イヴァとツクヨが戦闘している頃、街路を行く者達がいた。
それは
椿 美咲紀
、
常闇 月
、
八神 修
であった。
三人が進行している街路は他と比べて影の兵士が少ない。
それは別の街路で戦闘している尾鎌、篠原が敵の目を引き付けている為による所が大きかった。
「二人とも、この状況を逃すわけにはいかない。隠れながら最短距離で向かおう」
月の光によってできる影を利用した八神の指示によって、見回りをしている影の兵士をうまく躱す三人。
だが敵の死角を突きながらの行動、速度は走って向かっている時よりもかなり落ちていた。
敵を適宜探知される前に排除する常闇の行動を見ながら八神は考える。
(他の人が先行して向かっているとはいえ、あのイヴァ相手じゃいくら戦力があってもいいぐらいだ。なるべく早く応援に駆け付けないと)
順調に歩を進めていた三人であったが、イヴァとツクヨの交戦地点に着く直前に問題が起きたのである。
そこの街路は一直線に伸びており、先には斬り結ぶイヴァとツクヨが見えた。
だが、その道のりには三体の影の兵士がお互いの死角をカバーするかのように立っている。
「くっ……あれでは、交戦は回避できないか……だが、一度探知されてしてしまえば――」
「大丈夫、奥のは……任せて」
「常闇…………わかった。美咲妃は右の奴を頼む、俺は左を!」
「うんっ! シューくんの言う通りにやってみる!」
八神の合図で一斉に駆けだした三人はいまだ気づいていない影の兵士に向かって襲い掛かる。
「えぇぇいっ!」
剣を振りながら美咲妃は剣の柄にあったボタンを押す。
その瞬間、剣が鞭のように変化し彼女の目の前にいた影の兵士を引き裂いた。
身体をズタズタに引き裂かれた影の兵士は形を保てずに空間に溶けていく。
その行動に通路左の影の兵士が反応する前に八神の振るった刃が影の兵士の上半身を一刀のもとに斬り飛ばす。
「今だっ! 常闇ッッ!」
八神の合図で飛び出した常闇は走りながら壁に向かって跳躍する。
勢いを殺さず、そのまま数秒壁を走った常闇は力強く壁を蹴った。
空中で翻る様に最後の影の兵士の頭の上を通過すると、常闇の剣が影の兵士を貫いた。
ギギギと壊れかけの玩具の様に剣を振り下ろそうとする影の兵士だったが、それは叶わず……闇に霧散する。
「よし、急ごう! 目的地はすぐそこだッ!」
走る三人が狭い街路から出るとそこではツクヨとイヴァが今なお戦闘を継続していた。
長く赤い剣を目にも止まらぬ速度で振るうツクヨではあったが、傷が影響しているのかはたまたスタミナ切れなのか徐々にイヴァに押されている様に見える。
一瞬の隙をついてイヴァの大鎌がツクヨの肩に向かって振り下ろされる。
「もらったぁぁぁーーーっ!」
「――ッ!」
だが、その大鎌が届くよりも先に常闇の刃がイヴァの頬を霞める。
寸前でイヴァが身をよじって回避した為、常闇の剣はイヴァの頬を浅く斬っただけで留まった。
「な、にぃッ!? また増援ですかっ!?」
「申し訳ありませんが、彼女をやらせるわけにはいかないのです」
常闇の追撃を警戒したイヴァが距離を取った隙に常闇はツクヨを守る様に立つ。
「あひゃはっ! 懐かしい顔ぶれですねぇ……どういう風の吹き回しですか?」
「あなたを助けに来たんです」
「私を助けに……? あひゃはっあひゃひゃっ! 私は一度騙しているんですよぉ? 今もあなたを後ろから斬ってしまうかもしれませんねぇ?」
背を向けたまま常闇はツクヨに言う。
「大丈夫です、前のあなたなら危険だったかもしれませんが……今のあなたは大丈夫です」
「あひゃはっ! 何が違うって言うんです……?」
すっと真面目な声色で問い掛けられたその言葉に常闇は背を向けたままで再び答える。
「そうですね……あなたはずっと、マエトロさんに攻撃が及ばないように立ち回っている、避けられるはずの攻撃も避けずに」
「……なるほど。よく見ているんですねぇ」
「納得いただけたようで何よりです。椿さんがいますので、彼女の所で傷の治療をなさってください。その間、敵は私が引き受けます」
その言葉を聞いて一度赤い剣を消失させるとツクヨは後方へと下がった。
「さて、しばしの間……お相手願えますか」
イヴァは常闇を見下すような表情で空中から見下ろす。
「人間一人で、何ができるんですかね?」
「それはこれからご覧にいれましょう」
◆
常闇がイヴァを抑えている間、マエトロのいる後方に下がったツクヨは座り込み、美咲妃の治療を受けた。
「大丈夫?」
にっこりと笑った美咲妃は来る途中でつんでいた花を取り出すとくるくると舞い始める。
舞う度に少しずつ散る花びらが地面へとゆっくりと落ちていく。
その速度に合わせる様にツクヨの傷は少しずつ回復していった。
「あひゃはっ! あなたはすごいんですねぇーっ! すっかり元通りですよぉ」
すっと立ち上がるツクヨであったが、その足取りはふらふらとしていて倒れそうであった。
ふらつくツクヨの身体を美咲妃は支え、言い聞かせるように言った。
「いいです? 怪我は治療しましたが……体力は元通りにはなってないんです、無理はしちゃだめですよ!」
「……そうですねぇ、無理してまたお世話になっても悪いですからぁ」
そういうとツクヨは二人に迫っていた影の兵士を赤い鎖を出現させ、一薙ぎで粉砕して見せた。
「こうやって疲れないように戦いますねぇー」
次々と迫ってくる影の兵士達からマエトロを守りながら美咲妃は気になっていたことをツクヨに聞いてみる事とした。
「あの、聞いてもいいです?」
「何をですかぁー? ツクヨは隠し事はしないタイプなので何でも聞いていいですよぉ? あひゃはっ!」
「そ、それじゃ……リベレイターを離反して、行く当てってあるんです?」
「…………」
美咲妃の問いかけにしばし沈黙で返すツクヨであったが、数体の影の兵士を斬り飛ばした後……その問いかけに答える。
「……思いつかないですねぇ」
「そう、なんです……」
聞いては見たものの、いい場所が提案できず美咲妃も次の言葉に困っていたが……自分が振るっている剣の柄に書かれたちーあの名前を見た時、彼女はこういった。
「あの、あの……行く当てなんですけど、なんとかできるかも知れないのですっ!」
「あひゃはっ! それは明るい報告ですねぇっ! それならツクヨは頑張らないといけません、ふふふ! ではではいきますよォーーッ!」
赤く長い剣を顕現させるとツクヨはマエトロや美咲妃を守る様に鎖を何重にも展開した。
「あひゃはぁぁぁッ! 気分がいいですねぇ、いいですよぉ、いいんですよぉぉーーっ!」
チェーンソーの如く回転したその鎖は襲い掛かる影の兵士達を粉微塵にし、ただの塵へと変えていった。
「回復した途端にこれとは……すごいんだな、ツクヨ」
「あひゃはっ! すごくなんかないですよぉ、あれってこの体力だともうできませんから」
「大丈夫だよ、ツクヨのさっきの攻撃のおかげであとは俺がなんとかできるさ」
「……? それはどういう――」
笑顔のまま首をかしげるツクヨの目の前で八神は自らの息を止め、精神を集中させた。
八神の視線の先で地面に転がっている無数の礫片がさらに細かく分解されていく。
するとツクヨの攻撃によって崩れた瓦礫の礫片や破片などが空高く浮かび上がったのである。
それが何を意味するのかも理解せずにただ猛然と湧き出しては突進してくる影の兵士達。
「――こういうことだッッ!」
八神が手を振り下ろすとその動きのままに空中に浮かび上がった無数の礫片、破片がまるで弾丸の如く影の兵士達へと降り注いだ。
降り注ぐ礫片に腕や足を撃ち貫かれ、影の兵士達はばたばたと転んでいく。
倒れた影の兵士達に容赦なく無慈悲に降り注ぐ礫片が修復不可能な穴を開けていった。
「お前達をマエトロの元へは行かせない、ここに俺達がいる限りなッ!」
マエトロの護衛に八神が回った事によりツクヨは少々前衛よりへと立ち位置を変える。
前線で戦闘する常闇の攻撃の合間を縫って中距離から鎖による援護攻撃を行ったのである。
的確に斬撃と殴打を加えていく常闇と合間に放たれるツクヨの鎖。
だが、その二人の攻撃をもってしてもイヴァを完全に押し切る事はできず寧ろ辛うじて互角……といった所。
それに加えてイヴァは稀に衝撃波を飛ばし、ツクヨを牽制し始めている。
このままでは戦いはジリ貧となる事が誰の目にも明らかであった。
だがその時、一人の男が颯爽と現れたのである。
「手こずっているようだな、手を貸すぜッ!」
それはヒーロー、ザ・ストレイトとなった
風雲児 轟
であった。
「あの村以来だな、ツクヨ。色々と聞きたいこともあるが、まずはあいつをぶったおすことが先決だ!」
「同感ですよぉ。ですが、いまいち押し切れないんですよねぇ……」
轟はツクヨの鎖と自分の身体を交互に見ると何かを思いついた様に合図する。
「ツクヨ、その鎖で俺をイヴァの所まで投げてくれないか! 弾丸みたいになッ!」
ツクヨの表情に狂気的な笑みが強く表れる。見る者によっては恐怖かも知れないが、轟がその表情を見て面白い事を発見して楽しそうに笑う少女のように感じ取った。
「いいですねぇッ! そういう無茶苦茶な感じ、とってもいいんですよぉー!」
ツクヨは鎖で轟を掴むと、思いっきり振り被り彼をイヴァに向かって撃ち出した。
風を斬り、轟音と共に飛ぶ轟はまさに一つの弾丸であった。
イヴァはそれに気づき、数発の衝撃波を飛ばすが轟は腕を顔の前で交差させ衝撃波を物ともせずに突っ込んでいく。
「うおぉぉぉぉーーーッ! いっけぇぇぇぇぇッ!」
轟の叫びと共に突き出された拳がイヴァが大鎌を振るう前に彼女を直撃する。
全体重を乗せた拳で殴り飛ばされた衝撃は大きく、彼女は一瞬意識を失い、体勢を立て直すタイミングを完全に失った。
右、左と轟の拳が打ち込まれるとイヴァは反撃する間もなく防御へと転じる。
「まだまだいくぜぇぇぇッ!」
「調子に……乗るなァッ!」
ダメージと衝撃を無視し、大鎌を薙ぐ様に振るったイヴァであったがその刃は轟には届かない。
「このぉッ! ちょこまかとッ!」
続け様に何度も振るが、フットワークを生かしたステップで回避され彼女の刃は虚しく空を斬るだけであった。
「いまだッッ! おらぁぁっ!」
振り下ろされた大鎌を狙い、下から打ち上げる様に拳を振り上げるとイヴァはその衝撃に耐えられず大きく仰け反った。
その隙を逃さず、轟はろっこんの進化能力を発動する。
「いくぜ! ザ・ストレイトォォォォオオオォォバァァァーストォットラァァンスッッ!」
加速度的に殴打の速度が上がり、それはイヴァをもってしても目にも止まらぬ速さへと到達する。
繰り出される拳の乱打にイヴァは防御する事も出来ず、かといって距離を開ける事も出来ず成すがままとなっていた。
「これがぁぁぁッッ! 俺のぉぉッ! 渾身のォッ! 一撃だァァァァァァーーッッッ!」
大きく振りかぶって突き出された拳が轟音と共に風を巻き込んで放たれる。
「ぐぅぅぅああああああーーーーーッ!」
くの字型に曲がったイヴァはハンマーで殴り飛ばされた様に吹き飛ばされ、地面と何度も衝突しながら瓦礫の中に突っ込んだ。
煙がもうもうと立ち昇り、起き上がるような気配はない。
その様子を物陰から見ていた一人の男は今が好機とばかりに動き出した。
誰もその男に注目していなかったからか、彼は容易に目的の人物の近くへと接近する事に成功する。
(ふむ……あれじゃぁ、避難誘導は無謀ってものだねぃ。別の方法を考えるとしますかね)
物陰からマエトロの様子を見た
骨削 瓢
は事前に考えていた計画を頭の中で瞬時に組み替える。
彼は当初、マエトロを敵地のど真ん中へと誘導し、その中で放置してしまおうと考えていた。
だがその計画は失敗。理由は他の者達がマエトロに先に接触してしまったからである。
更にもう一点あるとすれば影の兵士達の湧くのが予想以上に早く、連れ出す隙がない……といった点だ。
(マエトロが駄目なら、あとはツクヨ嬢……か。あっちは手薄、戦闘にかかりっきりとなると……まさか味方の方から攻撃されるとは思ってもいないだろうねぃ)
姿勢を低く保って地面を滑るように駆けると彼は素早く剣を構えてツクヨのもとへと向かう。
誰かに見られた時の為にそこらに転がっていた外套を深めに羽織り、顔を隠す。
(ツクヨ嬢……このまま襲えばお強いあんたの事だ、簡単にあっしは返り討ちにあう……だがそれでいい。あっしがリベレイター側なのは黙ってた事……知らない連中から見ればバケモノに襲われた人間の図。是非勘違いしたちーあ派連中にトドメを刺されてくださいな、ふっとばされた礼でさぁ)
一撃を加えようと骨削が剣を振り被ったその瞬間、常闇の刃がそれを防いだ。
白刃がぶつかり合い、赤い火花が散った。
「どなたですか……?」
「――ッ!」
常闇が剣を振るのに合わせ、吹っ飛んだように見せかけて街路へと骨削は姿を消す。
消えていった方向を眺め、常闇は呟く。
「今のは……どこかで……?」
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2016年12月20日
参加申し込みの期限
2016年12月27日 11時00分
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2016年12月27日 11時00分
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