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「一体全体何がどうなってるんだよぉ……!?」
もごもごと毛皮に吸収されて小さくなった甲高く幼い声が、人気の少ない廊下に響く。
身を隠すように熊の毛皮を被ってうずくまる幼女が一人。その幼女は紛れもなく、突然女体化した
邪衣 士
であった。
「ちなみにナニがどうなってるとかそういう方向性はナシで頼む。……いや誰に頼んでるんだ俺は……!?」
錯乱気味に熊の毛皮に向けて頭をぼふんぼふんと叩きつけながら小さく叫ぶ今の士からは、普段の眠そうな目をしながらも社交的な彼の姿など到底想像しようもない。
――士には、女体化すると幼女になるという謎の特殊体質がある。もしも彼が女として生まれていたら、今のような幼児体型のまま成長をしていたのかもしれない。
「……ぞっとしない想像だ」
深い深い溜息をつきながら、士は毛皮に顔をうずめる。
情緒不安定になるのもさもありなん。彼は以前もろっこんの影響で女体化してしまった際、偶然出くわした謎のロリコン少年――彼はそれが自分のことを探していた、男体化した彼の知り合いであることを知らないだろう――から追い掛け回されて半泣きになりながら逃げ回った挙句、コンクリートジャングル(寝子島高校は方向音痴の士にとっては迷宮に等しいだろう)の中を彷徨ったという深いトラウマがあるのだ。
ついでに何か傍から見ていただけなのにやたらと心に深手を負ったような体験もあった気がするがそれについては思い出さなかったことにする。
「お、落ち、落ち着け、落ち着くんだ……。状況を整理しろ……」
フラッシュバックすら起こしかねないようなトラウマから目を背けながら、士は心の平穏を求めてまず状況を整理し始める。
まず、彼は新しいぬいぐるみを買おうと思い立ち――彼のベッドの上にはかわいらしいぬいぐるみたちが数多く飾られている――、休日を利用してショッピングモールへ出かけていた。そこで新しくアザラシのぬいぐるみを購入し、帰りがけにトイレに寄った。
「そしたら、コレだ!」
ふと気が遠くなり、気付いた時にはこの姿だったのだ。参ったとばかりに両手を挙げて天井を仰ぎ、士は嘆く。
「…………」
ふと、窓に映った自分の姿が見える。さらさらになった髪の毛。ぱっちりとしたまん丸の瞳。普段被っている熊の毛皮さえ、なんだか気の抜けたかわいらしいものに見えてくる。
「がおーっ! ――ってちがーう!」
可愛らしい威嚇のポーズから一転、頭を抱える。危うく精神まで幼女化するところだった。
「と、とにかく逃げなきゃ……!」
幸い、人気の少ない場所であったためその場から離れるのは容易であった。しかしそれでもここは人気の多いショッピングモール。いつ誰が来るか知れたものではない。
「そしてその誰かがロリコンではない保証はどこにもない……!」
この士、以前の幼女化のトラウマでロリコンに対する恐怖心が倍加しているようであった。
「おーい、誰かそこにいるのか?」
「ぴぃっ!?」
小さいとは言え、よく音の響く人気の少ない廊下で独り言を繰り返していたせいか、清掃員のおじさんに見つかってしまったらしい。
「お嬢ちゃん、こんなところでどうしたんだい。もしかしてはぐれたのかい?」
「あう、あうあうあう……」
心配そうに話しかけてくる善意のおじさん。しかしそれも錯乱した士にとっては自分の身を狙う危険極まりないロリコンにしか見えない。いや、むしろ恐怖で頭の中が真っ白になった士には、話しかけてくる人のことごとくが畏怖の対象だ。
「困ったなぁ。とりあえずお嬢ちゃん、立てるかい? 迷子センター行こうか。そこに行けば親御さんを待てるし――」
おじさんに手を差し伸べられて、小さく悲鳴を上げて熊毛を逆立てる。気づけば、士はおじさんの横を駆け抜けるようにして逃げ出していた。
「か、隠れないと……!」
そうすれば安心だと、自分に言い聞かせるように繰り返し呟きながら走る士。サイズの合っていないぶかぶかな服の裾を小さな手で抱えるように持ち上げ、熊毛皮を引きずるようにして駆ける姿は奇異なもので、道中何度も声をかけられたが、そのたびに全力で逃走した。
山だ。山に行けば人はいない。そこならきっと安全だ。きっと誰にも見つからず、誰からも声をかけられない。
ひどく冷え切った風で熊の毛皮をひるがえしながら、士は駆け続けた。
海風の吹き付ける岬。目の前には一面の海原が広がっている。
一つ、士は大事なことを忘れていた。
「俺、方向音痴だったぁ……!」
士はエノコロ岬にいた。どこをどうすれば九夜山ではなく完全に海側な岬の方に行けるのか、錯乱状態を理由にしても「方向音痴の極み」以外の説明は至難である。
いや、そもそも冷静になれば適当な裏路地にでも入って彼のろっこん「天の救い」を使えば霧隠れなりできただろうに。
はは、と口元から乾いた笑いがこみ上げてくる。
「もうダメだ……。山に逃げようとして、全く関係ない場所に来ている……」
この姿になると踏んだり蹴ったりだ。彼はふるふると首を振る。いや、実際には今回は大多数が自爆なのだが。
溜息、一つ。ふと視線を下ろせば、その脇にずっと抱えていたあざらしのぬいぐるみがつぶらな瞳で士を見ていた。心なしか、その目は彼の境遇を憐れんだ、気遣わしげなものにさえ見えてくる。
「ありがとう……」
熊毛皮に身を包みながら、あざらしのぬいぐるみに顔をうずめる。
士の荒んだ心を癒やしてくれるのは、ただ、熊毛皮とぬいぐるみだけであった。
――後に、偶然エノコロ岬で車を転がしていたドライバーの口から、
「エノコロ岬で子熊がアザラシを食らっていた」
という噂がまことしやかに流れていたが、それはまた別のお話――。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
豚野郎
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
お色気
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月21日
参加申し込みの期限
2016年11月28日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月28日 11時00分
参加キャラクター一覧
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