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●バナナ狂想曲
『なあなあなつくん、また
3人で飯
食いたい! なんか作ってくれよ~』
『ごはん? いいよ、オッケー。また俺んちでいい? あ、でもごめん~、おつかい頼んでもいいかな?』
『いいぜ、任せろ!』
『今日ね-、バナナが安いんだってさー。デザートでなんか作ろうかなって』
『よっし、1番いいバナナ買ってきてやる! 他は?』
『あとはぎ……いや、かーちゃんに直接頼むからいいよ。まもるはバナナよろしく~』
『了解ー!』
ピ。
卯木 衛
との通話を終えた
立花 なつ
は、携帯の終了ボタンを押した。今度は、3人の内の最後の1人、
千歳飴 楓子
に電話をかけなくては。なつは珍しく充電してある自分の携帯で、ゆっくりと楓子の番号を探し始めた。いつも充電切れの携帯はあまり手に馴染まない。なつはどうもこういう機械類は苦手だった。何だか噛みつかれそうだ。
それならさっき衛と話していた時に、伝言を頼めばよかったではないか。そう思うのが普通であろう。しかし、そうは出来ない理由がなつにはあった。なつは楓子の番号を呼び出した。
「あ、かーちゃん? ん、電話がんばったでしょー。今日は充電したんだ。 うん、うちでごはんする事になってねー。それでね、おつかいお願いしていい? ……あのね、牛乳ー」
その後二言三言楓子と言葉を交わし、なつは電話を切った。
(……まもるはほっといたら牛乳飲まないからな~)
仲良し3人でのご飯。料理上手ななつは手料理を振る舞うのはちっとも苦ではなかった。それどころかなつは、全然牛乳を飲もうとしないまもるのために、今日のメニューにシチューを取り入れようと考えたのだ。しかし衛に牛乳を買ってきてくれなんて言えば全力で反対されるのは目に見えている。そこでなつは楓子に連絡を取り、彼女に直接頼んだのである。
「さーてと。2人が来るまでに下準備は終わらせておかないとねー」
にっこり微笑むと、なつは立ち上がり、キッチンへと向かった。
「バーナナ、バナナ♪ おっきなバナナ~♪」
バナナの入ったスーパーの袋を持ちながら、なつに頼まれたお使いを無事済ませた衛。るんたったと弾む足取りでなつの家に向かっていた。なつくんの作る飯はうまいもんな! メニューは何だろう? (……少なくとも牛乳は入ります、衛くん)
微塵の憂いもなく歩いていた衛だったが、ふと彼の足が止まる。衛がお腹に手を当てると、そこからきゅるる~と切なげな音が聞こえた。
「……腹へったな~」
うにゅうと衛の眉が八の字になった。
(なつくんこれから料理作るのかなー。だとしたらご飯までだいぶあるよなー)
見た目ちっちゃくても胃袋は現役高校生。もうすぐなつの家だというのにどうやら彼のお腹は限界のようだ。衛は自分の持っているスーパーの袋を見つめた。その中には鮮やかな曲線を描く、立派な黄色いバナナ。
(そうだ、なつくんちにつく前にちょっとつまみ食いしていきゃいいんじゃね! ラッキーなことにここにバナナがあるしな)
見つめれば見つめるほどバナナはキラキラと誘惑してくる。とうとう我慢出来なくなった衛は、
(1本くらいなら食べてもバレないだろ!)
と袋に手を突っ込み、バナナを1本手に取った。そして衛はうきうきと丁寧に皮を剥き、パクンとまず一口。
「……うま~い!」
空きっ腹にはバナナの甘みがほんと身に染みる。衛はあっという間にパクパクと食べ進めてしまった。そして大きな口を開け最後の一口をパクンと咥えた瞬間。
突然塀の影から、ザッとコートを着た見知らぬ男が現れた。
「むぐっ!?」
持っていたバナナの皮を放りだし目を白黒させる衛。そんな彼の前でなんとその男は、バーン! とコートの前を開いたのだ。
(な、え!?)
男のすね毛。反らした腰。衛は瞬きも忘れ目の前に披露されている男の裸体を凝視してしまう。
なんでこんなとこでとか、男女見境なしかとか、ツッコミどころは色々あるけどそれよりもなによりも。
袋を持つ衛の手がふるふると震えた。
(―――な ぜ バ ナ ナ ! !)
なんでこのタイミングでコートの前開けたんだよ、あまりにもあまり過ぎるだろ! ちょっとドヤ顔とかしてんじゃねえよ!! 腹立つわ!
衛は目の前の変態男に全力でツッコミを入れようとした。しかし口の中にはさっき食べたばかりのバナナがいっぱい。ちくしょーと思いながら慌てて飲み込もうとした衛は。
「おま……ゲホッゴホッ……ちょっ……ゴーホゴホゴホ!」
盛大に咽せ始めてしまった。
なつから密命を受けた楓子は、美味しい手料理にありつけるのが嬉しいのであろう、牛乳を持ちながらふふんふんとご機嫌でなつの家に向かっていた。そしてフイと角を曲がった時、コートの男を前に盛大に咽せる衛に出くわした。
(……あれは衛氏か? 前にいる男性は……)
ハッと楓子の目が見開かれた。
(あれは楓子が今朝遭遇した露出狂じゃないか!)
そう、実は楓子は今朝方課金用の電子マネーを買おうとコンビニに行き、目の前の露出狂に遭遇していたのだ。
ただ1つ違ったのは……楓子の口はバナナで塞がっていなかった事だ。楓子はコートの前を得意げに開いた露出狂に向かって真顔で言ってのけたのだった。
「うわっ小さ……」
その恐ろしい言葉に変態男は心もナニかも折れてしまい、膝から崩れ落ちる。その横を楓子は何事もなかったかのように通り過ぎたのだったが……まさかたった半日で復活するとは! 恐るべし変態!
「衛氏! 大丈夫か?」
咽せている衛に楓子が呼びかける。衛は目尻に涙を浮かべながら振り返った。
「か、楓く……ゲホッゴホッ……バナ、ナが喉……ゲホゲホゲホッ!!」
「何!? 喉にバナナが詰まっただと!? くっ……卑劣な……!!」
何をどう想像したのか楓子の顔がさっと青ざめた。大変だ、衛氏が変態男の毒牙にかかってしまった!
「待っていろ衛氏! 楓子が今からその卑劣な露出狂に正義の鉄槌を下してくれる!」
キリッと正義の光を目に宿し、楓子は猛然と2人に向かって駆け出した。大事な友人を傷物にした罪、許すまじ!
楓子はザッと華麗に衛の前に立ち、変態男にミニスカミラクルポリスキック☆ をお見舞いしようとした。いや、もう気分はお見舞いしてぐりぐりと露出狂を踏みつけてやったくらいだったのだ。……が、しかし現実は。
「うおおおおおお!!?」
色気の無い雄叫びが楓子の口から上がった。実は路上には先程衛が放り投げたバナナの皮があった。それに楓子の運動神経が合わさるとどうなるか。―――そう、楓子は見事にそれを踏みつけ、スッテーン! とすっ転んでしまったのである。
「かっ楓く……ゲーホッゲホゴホ!」
まさかの事態に衛が更に盛大に咽せる。地面に倒れ伏した楓子はうつろな目を衛に向け、弱々しく手を上げた。
「すまん、衛氏……くっ……無念」
ガクッ。楓子の手が地面に落ちた。
「か……えで……ゲーホッゲホゲホッ!」
体を2つ折りにし咳き込む衛。ますます勝ち誇り仁王立ちする変態男。ああ、正義は死んでしまったのだろうか?!
(……2人とも遅いなあ)
まさか家のすぐ近くで正義が死にかけているなんて露知らず、ご飯の下準備も済んでしまったなつはリビングでごろごろしていた。すると突然、人の雄叫びのようなものがなつの耳に飛び込んできた。
(あれ? この声って……かーちゃん? 外から?)
なつはテーブルの上にあった携帯を掴むと、立ち上がり玄関に向かう。そしてガチャリとドアを開け道路に出たなつは、不思議な光景にでくわした。
「……えーと……」
そこには、コートを全開にした知らないおじさんと、ゲホゲホしながらそのおじさんを睨みつける衛、そして倒れ伏している楓子と……バナナの皮があった。
これを全て理解するには相当の情報量が必要であろう。とりあえずなつは衛にのんびりと訊いてみた。
「……知り合い? ……じゃ、ないよね~」
目に涙を溜めながらぶんぶんと首を振る衛を見て、なつはうんうんと頷いた。
「なつく……ゲホッゴホッ……こいつ変態……」
咳き込みながらも衛が訴えてくる。さすがのなつもようやく事態がのっぴきならない状況だという事に気が付いた。
「大丈夫、任せて。こんな時のためにスマホがあるんだもんね~」
あまり緊迫感なく言うと、なつは燦然と携帯を取り出した。
「なんと今日は、電池が切れてないんだ~」
咳き込み続けながらもおおと衛の瞳が輝き、明らかに変態男が動揺した。男がわたわたし始める中、なつはゆっくりとダイヤルを押し、耳に当てた。
「あもしもし警察……」
そこまで言ったなつの口があんぐりと止まった。助かったと思いながらなつを見つめていた衛が何事かと眉をひそめる。衛は零れる咳を何とか抑えながらも口を開いた。
「ど……したなつく……ん?」
なつはゆっくりと耳から携帯を離すと、衛にそれを向けた。そこから女性の声と電子音が流れていた。
『……ピーーーッ 午後17時12分30秒を お知らせします ピッ ピッ ピッ……』
画面にはクッキリハッキリと<117>の文字。
「それ……ゲーホッ! ……じほっ……ゴホッ……なっ……ゲホゴホゲホ!」(訳:それは時報だなつくん!)
ツッコもうとした衛が再び盛大に咽せる。なつはぺろりと舌を出した。
「ごめん~、押し間違ったみたい」
「いや……ゴホッ……さすっ……ゲホホッ!」(いやさすがなつくん!)
「今度こそちゃんとかけ直すね~」
「たの……ゴホッ!」(頼むぞなつくん!)
「え~と…………あれ? 変質者、逃げちゃったね」
え? と衛が顔を上げると。いつの間にか変態男はすたこらさっさと姿を消していた。
「―――時報で逃げんのかよ!」
ようやく衛が思いきりツッコんだ。
「でもよかったー。2人とも大丈夫?」
3人だけになった路上でなつが衛の傍に行くと、衛は片手を挙げた。
「俺は……バナナを喉に詰まらせただけだから大……丈夫。それより楓くんが……」
小さく咳をしながら衛が答える。なつはそれに頷くと、今度は心配そうに楓子の横に跪き、そっとその頭を起こした。
「かーちゃんは……たんこぶできてるけど……しばらくすれば起きそうだ」
楓子の様子を注意深く観察したなつがほっとしながら言う。衛も一緒に覗き込んだ。
「突然転んだときはびっくりしたけど……外で寝かすと風邪ひきそうだな」
「うちはすぐだから運んであげようよ」
「そーだな。よし、なつくん、楓くんの足か腕もってくれ」
「りょうかい~」
男2人はなつを抱えると、そっと運び始めた。そして慎重に歩きながらなつがぽそりと言った。
「……なんか大変だったね」
「ああ、うん……」
衛は手にぶらさがっている袋の中のバナナを見た後、深く深く溜息をついた。
「……そうだな、なんか無駄に疲れたよ」
楓子が目を覚ましたのは、美味しそうなシチューがテーブルに並べられた時だった。そのたまらない匂いに飛び起きた楓子はハッと辺りを見回した。
「あれ? 露出狂は?」
食事を並べていたなつは、わくわくと食卓に座って待っている衛と目を合わせると、楓子に向かって微笑んだ。
「ああ、あの人は逃げちゃったよー」
「え、そうなのか?」
「うん、だから平気だよー。それよりかーちゃんこそ大丈夫?」
「楓子か? まあ、ちょっと頭はずきずきするが……」
楓子は、目が覚めたら露出狂がいなくなり、いつの間にかなつの家にいるこの状況が不思議でしょうがなかった。けれども目の前のなつののんびりした笑顔と、何だか遠い目をしている衛を見ているととりあえずそれもどうでもいいような気がする。楓子は頭のたんこぶをそっと押さえながらもうんうんと頷いた。
「……そうか、なんとかなったのか。良かった」
こうして幾多の困難を乗り越え、3人は食卓に着いた。テーブルの上には楓子が買って来た牛乳がたっぷり入った、具だくさんのほかほかシチュー。そしてフランスパンに、衛にとっては色々色々と因縁が出来てしまったバナナが入ったミニパフェ。それらを前に、3人は元気にパンッと手を合わせた。
「「「いただきまーす!」」」
パクパクムシャムシャ。えらい目に遭った衛と楓子は凄い勢いで食べ始めた。
「うん、なつくん、シチューすげー美味いよ!」
シチューの鍋に牛乳を入れる時さんざんごねた衛は、そんな昔の事は忘れたかのように元気に言う。楓子も脇目もふらずシチューをたいらげるその様子に、なつは目を細めた。
パンもシチューもたくさん食べ、楓子はバナナパフェに手を伸ばした。そしてもぐもぐと中の輪切りバナナを食べ言った。
「うん、美味しい」
「そう? 良かったー」
幸せそうになつが言うが、そんな2人を横目に衛は恨めしそうにバナナパフェを見つめている。するとおもむろに衛はずいっと容器を楓子の前に差し出した。
「楓くん、食う?」
「衛氏は食べないのか?」
バナナを頬張りながら言う楓子に、衛は苦笑しながら言った。
「ハハハ……。しばらくバナナはいいかなってな……」
「そうなのか? 気にする事はないぞ? あいつのなんかモンキーバナナ……」
「やめてー楓くん思い出すからー!」
「なになになんの話してるの~?」
わいわいがやがや。どんな事があっても、3人でいれば笑い話に変わる。楽しく食事の時間が過ぎていくのであった。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月10日
参加申し込みの期限
2016年11月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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