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●行き倒れ
今、あるラーメン屋のすぐ手前で、1人の少女がパッタリと倒れていた。
(しぬ……うえてしぬ……)
少女は浮浪者でもマッチ売りでもない。
本居 陽毬
という、れっきとした寝子高生である。
陽毬はうつ伏せの体を何とか起こしながら、切なげに数メートル先のラーメン屋の軒を眺めた。
(入りたいのにお小遣いが足りない……)
今月の陽毬のお小遣いはどピンチだった。何が悪かったのだろう。先週の休みに、ついつい甘味フルコース食べつくしをしてしまったのがまずかったのだろうか。(それだ)
基本的にお金には超シビアだが、美味しい物には投資を惜しまない彼女。どうも計画性という単語は吹っ飛んでしまったようだ。
陽毬は先週の自分を悔やんでみるが、彼女の頭には後悔よりその時の美味しいスイーツばかりが思い浮かび、かえって空腹感が増すだけだった。
(ううう……お腹がすいたんだよおおお)
陽毬は心の中でジタジタと暴れる。しかし現実には陽毬は地面に突っ伏しており、その鼻腔にはラーメンの凶悪な匂いが常に入り込んでいた。
(ラーメン食べたいラーメン!)
そんな陽毬の切なる願いに呼応するように、ぐーきゅるるるるる! と大きな音がした。陽毬の眉が悲しげに下がる。
(私のお腹の虫も、悲しそうな悲鳴を上げているよ……!)
世にも珍しい空腹女子高生の行き倒れ。寒風がピューッと、動けない陽毬の髪を揺らした。
その寒風の中、1人の少年がラーメン屋へと近付いていた。
(うー、腹が減ってきたな。こんな小腹ベリーな時にはラーメン! これが1番!)
水守 流
は冷たい風に肩を竦めながらも、あつあつのラーメンを思うと頬が緩む。店から漂ってくるスープのいい匂いに誘われるように足取り軽く歩いていた流は、店先の地面にこんもりとした何かを発見した。流は訝しげにゆっくりと近付いて行き、その物体に声をかけた。
「……どうしてこんなところで倒れてるんですかねぇ? 本居さん?」
―――シーン。足下に転がっている陽毬からは返事はなかった。
(返事がない。まるで屍のようだ…………じゃねぇって!)
何だか嘘のようだが、自分の友人、それも仮にも(いや仮じゃないけど)女の子が地面に倒れている。流は慌てて陽毬の傍にしゃがみ込んだ。
とりあえず、どこか落ち着けるとこまで担いでいかなきゃなんねぇかな? こういう時って確かどうすりゃいいんだっけ? えっと、服を脱がせて人工呼吸だったか?!
―――だいぶ混乱しているようである。その時、服を脱がせられてはかなわないと思ったのか、ぐるるるるー! と陽毬のお腹が大きく鳴り、もぞりと体が動いた。
「あ、意識はあるのか? ……ちょっとつついてみるか?」
「やめてください……つつかないでください……」
倒れ伏したまま陽毬が答える。少し安心した流が大きな声で呼びかけた。
「本居、大丈夫か?!」
その声にガバリと陽毬が顔を上げた。
「水守君!?」
その大きな瞳で流の姿を確認すると、陽毬は彼の両腕をむんずと掴み、流をがくんがくん揺らしながら叫んだ。
「うわぁぁぁーん! お腹すいたお腹すいたラーメン食べたいラーメンんんん!!!」
「腹が減って倒れたぁ!? いや、空腹で行き倒れなんて、今日日漫画でもなかなかねぇぞ!?」
事情を聞いた流が陽毬に向かって思わず叫ぶ。陽毬はてへっ☆ と漫画のようにペロリと舌を出した。
「いや、てへっ☆ じゃねぇって! もうちょい食生活しっかりせなあかんで!?」
「おかんだ……おかんがいる……」
何か珍しいものを見つけたような陽毬の視線に、流は少し頬を染め、コホンと咳払いした。
「ま、まあいい。……ちょうど俺も腹減ってたから、ラーメンでも食おうかと思ってたとこだったんだ。一緒に食うか? ラーメンくらいならご馳走するぜ?」
そう言って流は、すぐ横のラーメン屋をくいっと親指で指した。
(なんかこのまま見捨てるのは人道的にどうかとも思うしな……ラーメン屋なら財布ダメージもそんなにねぇだろ)
至極真っ当にそう考えていた流は、
「あ、チャーシューマシマシとかはほどほどに頼むぜ?」
と付け足したのだが、そんなこたぁ陽毬は聞いちゃいなかった。
「……神様は私を見捨ててなかった!」
そう呟きながら陽毬は、キラキラした瞳でよだれを垂らさんばかりにラーメン屋を見つめていた。
嗚呼、素晴らしき哉、人生。素晴らしき哉、ラーメン!
こうして陽毬は無事、飢えて死ぬ前にラーメン屋に入る事が出来た。席に着くなり陽毬がカウンターの中に向かって元気に言った。
「あ、私、とんこつラーメンで! チャーシューと卵とメンマ、もりもりに載せてね! あと餃子もつけてくださーい!」
「フルコースだな、おい! ……あ、俺も餃子セット。チャーシュー増しで」
遠慮のない陽毬に苦笑しながら流も注文をする。暖かく、スープのいい匂いで充満している店内。陽毬は幸せそうに机に突っ伏した。
「いやー、良かった! あそこで水守君に会えなかったら、お腹すきすぎて干からびてたよ」
「いや、俺もまさか行き倒れを拾うとは思わなかったがな」
そんな風に話している内に、2人の注文したラーメンが運ばれて来た。陽毬はこんもりとしたラーメンを前に瞳をうるうる。その感激ぶりに流は思わず笑ってしまう。そして2人はパンッ! と手を合わせた。
「「いっただっきまーす!」」
あつあつのラーメンは2人を満足させるに十分だった。ふーふーと食べながら、流がしみじみ呟いた。
「やっぱこの季節、温かいラーメンが腹に染みるなぁ」
はふはふと麺を啜りながらも陽毬もそれに同意する。
「ほんとだねぇ。一緒に食を楽しめる友人と食べる、美味しいラーメン! 幸せだねぇ!」
陽毬のストレートの喜びに、流が何だか照れてしまう。と、陽毬が続けた。
「しかも奢りときたもんだ!」
「それかよ!」
思わずツッコむ流に、陽毬がニコッと可愛らしく笑った。
「ほんと、ありがとう水守君!」
「お、おお。どういたしまして」
「ということで水守君のチャーシュー、いっただきまーす!」
ひょい。陽毬が素早く流のラーメンからチャーシューを奪う。流が驚き目を見開いた。
「お前あれだけ具をもりもりにしたのにまだ……ってあー! 俺の餃子も消えてるー!? 本居ぃぃぃ!」
「大丈夫、美味しいよ!」
「返事になってねぇ! てかそのいい笑顔やめろ!」
わいわいもぐもぐ。何とも賑やかな食事である。しかしそれもこれもお互い気心知れた食い友同士であるからこそだ。2人の、楽しく美味しい時間が過ぎていった。
お腹いっぱい食べた陽毬と流は満足げに店を出た。途端にピューッと冷たい風が2人に吹き付けてきたが、体の芯からぽかぽかの彼らには屁でもない。流は寒風に頬だけ少し赤くしながら陽毬に言った。
「どうだ? 本居腹は膨れたか?」
「もちろん! おかげさまで大満足ですよ!」
とんこつが効いたのだろうか、頬をてかてかさせながら陽毬が答える。その元気な様子に流は安心したが、ちょっと真面目な様子で言葉を続けた。
「本居、次から行き倒れそうになったらその前に俺に連絡よこせ。財布の具合によっちゃ、飯くらいご馳走するからよ」
「え?」
「ただ、あんま高い物はなしだぜ?」
ニッと笑う流に一瞬陽毬は言葉を失う。
「ありがとう……」
と小さく呟くと、陽毬は俯いてしまった。
「……本居?」
陽毬の様子に腹でも痛くなったのかと流が覗き込む。そこにパッと陽毬が顔を上げた。
「じゃあね、水守君! 今度は食べ放題はどうかな? シーサイドタウンに美味しいお店が出来たんだけどね!」
「本居ぃ…………俺を破産させる気かぁ!」
ガウッ! と流が吠えた。
「ごめんごめん~!」
と笑いながら陽毬が元気に走り出す。
―――心の中で素敵な食い友に感謝をしながら。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月10日
参加申し込みの期限
2016年11月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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