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●誘拐
それは、旧市街にある古本屋から出た時の事だった。
店の横路地に自転車を置いていた
八神 修
がそちらに向かおうとした時、前から来た見知らぬ男性に声をかけられた。
「あの、すみません。ちょっと道を教えて頂けないでしょうか?」
細身の男は丁寧に言い、地図を開いた。
「いいですよ。どこら辺ですか?」
快く修が言い、男の地図を覗き込んだ瞬間だった。背後から来た別の男が、突然修を羽交い締めにしたのだ。
「な―――っ?!?」
驚いた修は身を捩って逃れようとするが、大柄な男にガッチリと腕を取られ抜けられない。その間に片方の男が道路に出て大きく腕を振る。すると黒塗りの車が猛スピードで突っ込んできて、キキーッ! と急停車した。
「早く! 連れ込め!」
後部座席のドアを開け、細身の男が叫ぶ。
(―――乗せられたらヤバい!)
修は必死に抵抗するが熊のような大男はズルズルと修を車に引きずっていく。
(くそっ! 誰か!)
祈る思いで周囲を見渡した時、修は道路の向こうにいた小さな人影と目が合った気がした。
「―――誘拐だ!」
修の最後の叫びを残し、ドアはバタンと閉められる。修と男達を乗せた車はキュルルルッと急発進し、ゴムの焦げた匂いだけ残しあっという間に姿を消してしまった。
志波 武道
はお米の宅配を終え、自転車で下宿先の
米屋『美咲』
に帰ろうとしていた。
(おろ? あれは修くん。知り合いとお買い物かな?)
後輩の姿を道の先に発見し、武道はほうほうと額に手をかざした。声をかけに行こうかとも思ったが、修の隣には誰かいたので邪魔をしては悪かろうと思い直す。そしてよいしょと自転車を跨いだ時、もの凄い勢いで黒塗りの車が道路に突っ込んできた。
「ウオッ、危ね!」
のけぞるように避けた武道など見向きもせずに、車は通り過ぎる。そして先程修がいた辺りで急停車した。
(え?)
驚いて道路の先をひょいと覗くと。車に押し込められる瞬間の修と目が合った。
「……………だ!」
必死の形相で修が叫ぶが聞き取れない。そして呆然と立ち尽くす武道を置いて、車は猛然と走り去ってしまった。
(今の……なんだ?)
混乱しながらも武道は今までの細切れの映像を何度も頭で繰り返す。あの修の表情。無理矢理修を押し込め、急発進した車。これは多分……。
「おい、どうした?! 車の凄い音がしたが」
物音に驚いて出てきた近くの店主に武道は勢いよく振り返り言った。
「すみません! 通報お願い出来ますか?!」
武道は手早く店主に自分の見た車の車種や色、乗せられてしまった修の名前を伝える。そして自分の自転車を掴むと急いで跨がった。慌てて店主が声をかける。
「おい! 君!」
「お願いします! 俺あの車追っかけますんで!」
困惑する店主にそう言うと、武道は我武者羅にペダルを漕ぎ始めた。
車に押し込められた修は、冷静にある事をしていた。彼は素早く内ポケットから携帯を出すと、自分のコートの下にそっと隠したのである。修の手首はあっという間に男達に縛られる。しかし修はそれを逆手に取った。身動き出来ずに転がされた姿勢をゆっくりと立て直す時に、修はそっとある電話番号を呼び出し、通話ボタンを押した。そしてそれを何食わぬ顔でコートのポケットに滑り込ませたのだ。
スモークで全く外が見えないガラスに頭をもたせかけながら修は信じていた。
(さっき目が合ったのは、志波先輩だった。彼ならきっと気付いてくれるはず……頼む!)
「ちっくしょ……見失った……」
ぜいぜいと肩で息をしながら、武道は呟きハンドルに顔を伏せた。大分漕いで来たが、あの黒塗りの車の姿はどこにもない。これ以上自転車で追うのは限界があった。
手詰まりの中、気ばかりが焦る。何か手はないかと取りあえず携帯を出そうとした時、突然着信のベルが鳴り始めた。
「着信? こんな時にっ」
乱暴に携帯を引っ張り出し、画面を見た武道の目が大きく見開かれた。
「修くん?!」
混乱しながらも武道は慌てて通話ボタンを押し、耳に押し当てた。しかし、そこからは修の声は聞こえてこなかった。
(声が、しない? ……いや、ちょっと待て)
息を詰めながら武道はひたすら意識を集中した。すると無音だと思われた受話口から車のエンジン音や人の話し声が小さく聞こえてきた。
(――俺に気づいて、こっそりかけてきたんだ!)
武道の瞳に活力が戻った。これなら何とかなるかもしれない。武道はより一層注意深く受話口の音に耳を傾けた。
(これ……どこか商店街の近くか……? タイムサービスって声が聞こえる……踏切の音……)
武道は一生懸命音を拾い、推察する。そして音の中に修の声を聞き、ほうっと胸を撫で下ろした。
(良かった、無事みたいだな。……何の話をしている? ビル? 公園? そういえば、周囲の音が静かになった……)
武道は修がしている会話から聞こえる単語と、今までの音の情報を整理する。そして自分が米屋の配達をして培ってきた寝子島の地図を頭の中に広げ始めた。
(今タイムサービスするお店って多分……そして踏切……公園……そういえば、あそこは雑居ビルが多い!)
武道は微かな情報を伝え続ける携帯を耳に当て、力強くペダルを漕ぎ始めた。
修を乗せた黒塗りの車は、人気のないとある雑居ビルの横で止まった。
そのビルの1階は1フロア丸々ぶち抜いて作られた広い空間になっていた。倉庫として使われているのであろう、至る所に段ボールが山積みになっていて奥まで見通せない。修は今、荷物に塞がれていない窓の下に両手を縛られ、座らされていた。
修は誘拐されているとは思えない気丈さで、状況をしっかり観察していた。それは彼元来の冷静さもあるが、コートのポケットの中の物が彼に勇気を与えてくれていた。車から降りる時にこっそり画面を確認した携帯。彼が決死の思いでかけた通話は……途切れていなかった。
(志波先輩……探してくれてるんだ……)
修はキッと視線を上げる。男達の数は、自分を拉致した2人と、運転役、そして倉庫で待ち構えていた1人。武器は今確認出来ているのはナイフのみ。そして自分が出来る事は……少しでも詳しい情報を武道に伝え続ける事だ。修は頭を付き合わせて相談している2人の男に向かって呼びかけた。
「おい、身代金は幾らの予定だ?」
その突然の大声に大柄な男の方が慌てて駆け寄ってくる。
「そんな大きな声を出すな!」
しかし修は怯まなかった。この男は与し易そうだと大男に向かって話を続ける。
「身代金だよ。幾らくらいにするんだ」
「幾らって……5千万くらいかなぁ」
馬鹿正直に答えた男に修は鼻で笑った。
「安っ! そんなの庶民の額だぞ、馬鹿にするな! そんなんじゃ家に脅迫電話かける時に、俺は『助けてー』って言ってやらないぞ」
「じゃあ幾らならいいんだよ」
「最低でも1億、出来たら3億。それくらいは当たり前だ、なあ?」
修はこちらを見ている痩せ形の男ににっこりと笑ってやる。男は鼻白んで修を見ただけだったが、大男が驚いたように言った。
「そんなにあったら運べないだろう」
修は大男に片眉を上げた。
「男4人じゃ難しいか?」
修の言葉に大男が頷く。修は何でもないように言葉を続けた。
「そこは頭使えよ。ここは1階だろ? このビルの立地だが……何てビルだ?」
「え? か……」
大男が口を開いた時、スッと修の頬にナイフの刃が当てられた。修の息が止まる。修の横で、痩せた男が冷ややかに彼を見下ろしていた。
「五月蠅い坊ちゃんだな。喋れないようにしてやった方がいいか?」
ピタリと当てられた刃に修の背筋が凍る。微かに首を振りながら修が答えた。
「いや……分かったから、そのナイフを離してくれ」
男は口の端をほんの少しだけ上げ、静かにナイフを離して大男に言った。
「お前は入り口の見張りと交代しろ! この坊ちゃんは油断ならねぇ」
修の会話は武道にたくさんの情報をくれた。
(敵は4人……1階……ナイフあり……『か』のつくビル?)
雑居ビル群に当たりをつけた武道は、自転車でしらみつぶしにビルの名前を探していく。そして『加藤ビル』と看板がある場所で、あの黒塗りの車を発見した。
(―――多分ここだ!)
武道は確信する。しかし、窓は全て磨り硝子。出入口は1つ。武道は覚悟を決めた。
(突入する!)
そして武道は、突然自分の携帯に向かって大声で叫んだのである。
「ギャーッ!」
その声は外と修の携帯から同時にした。
「な、なんだなんだ?!」
入り口の見張りを交代していた大男が慌てて外に飛び出す。扉の外で待ち構えていた武道がすかさずろっこん<スイ・マー>を込めた手刀を男の足に叩き込んだ。倒れ込んだ男が叫ぶ。
「侵入者―――!」
トッ。その首に武道が軽く手刀を打ち込むと、男の声が途切れた。念のため両肩にも手刀を打ち込み武道はすっくと立ち上がる。
(1人!)
武道は倒れている男を跨ぎ、油断なく倉庫内に忍び込んだ。修の姿は見えないが、携帯を通して周囲の音が聞こえてくる。怒鳴り合う声、バタバタとする靴音。そしてその音がこちらに近付いてくるのを感じた武道は段ボールの影に身を潜め、2人の男に同じようにろっこんをお見舞いした。
(多分あと1人だけど……修くんから離れてくれるとは思えないな)
倉庫に積まれた段ボールの山々を使い出来る限り前進した武道は、静まりかえっている空間でそっと息を吐いた。ポケットに手を突っ込み、外で予め拾って置いた小石を握る。武道はそれを斜め前方に思い切り投げた。
カツーン!
音と共に人の気配が動く。その瞬間に武道は飛び出した。
(敵の意識が逸れてくれれば勝機はある!)
飛び出した武道の視線の先に、横を向く男と修の姿があった。振り向いた男の手にナイフが煌めく。その時だった。ろっこん<分解>で自分を縛るロープを分解していた修が、素早く男の足を掴んで引き倒したのである。
「先輩!」
足を必死に掴みながら修が叫ぶ。
「ナイスだ修くん!」
武道はそのまま猛然と突っ込み、男の腕にろっこんを叩き込んだ。麻痺した手からナイフが落ちる。そのまま足にも手刀を打ち、男の動きが止まった。
「先輩……ありがとうございます」
倒れたまま修が安堵の表情を浮かべる。ほっとした武道が力が抜けたように修の横に座り込み、天を仰いで大きく息を吐いた。
「いや……何とかなってよかったよかった……☆」
「正直……怖かったです。刺されたら、俺、死ぬし……」
男達をロープで縛りを終えた武道が壁にもたれて座っている修の傍に戻ってくる。修の言葉に武道はニッと笑うと、片手を差し出した。
「頑張ったよ、修くん。携帯の通話のお陰でここまで辿り着けたしね」
「先輩がいてくれて良かった……本当に、ありがとうございました」
修は武道の目をしっかり見ながら握手をする。武道は頷くと、手を離して言った。
「じゃあ、俺行くね。騒ぎになっても困るし」
「あ、先輩。何かお礼を……」
「お礼? いいよそんなのイラナイ☆ でも、もし気になるなら……」
武道は笑ってウインクした。
「俺の下宿先のお米屋さんをどうぞごひいきに! 今回配達手伝いしてたから見つけられたんだしね!」
修はぱちくりと瞬き。そして破顔して言った。
「はい! 分かりました!」
警察が現場に踏み込んだ時には武道の姿はなかった。修は「怖くてよく覚えてない」としらを切り通し、男達を倒した人物は結局分からずじまいとなった。結局男達は修の父に恨みを持っていたのだが、これは後日判明する事となる。
修は日を改め武道を訪問し、手作りの辛味クッキーと共に感謝の意を述べた。そして米屋『美咲』には、修のシェフから高級米の大量注文が入り、店の若夫婦は嬉しい悲鳴をあげたのであった。
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シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月10日
参加申し込みの期限
2016年11月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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