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\ オーバータイム!/
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あなたを助けたくて
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●かぜ
獅子目 悠月
はぼーっとする頭を押さえ、何とか身支度を整えた。
(せっかくの練習日なのに、この調子ではダメだ……気合い入れないと)
心ではそう思っているのだが、どうしても体がいう事をきかない。ふらふらした足取りで玄関に向かった悠月は、ドアに手を掛けようとして……トサッとその場に崩れ落ちた。
世界がぐるぐる回っている。熱い呼吸をハッハッと繰り返しながら、悠月はようやく理解をした。
(久しくひいていなかったが……そうか、これは風邪か)
朦朧としながらも悠月は着ていたコートから携帯を取り出した。そして震える手で文面に『かぜ』とだけ打ち込むと、送信ボタンを押した。
あいつは俺が来るのを今か今かと待っているだろう。これで今日は練習できないと伝わればいいが……。
そう思いながら悠月は冷たい床に頬を寄せる。すうっと意識が薄れていった。
悠月の考えていた通り、
オルカ・ヴィヴァルディ
は悠月が来るのを今か今かと自宅で待っていた。
運命のような2人の出会い
。ユニットを組んだ今でも、オルカは彼と練習出来るのがぞくぞくする程嬉しいのだ。
今日も2人で練習する日だったのだが、オルカの自宅に来るはずだった悠月は、待ち合わせ時間を過ぎた今になっても姿を見せなかった。その華奢な外見とは裏腹に、意志が強く要所要所で育ちの良さを感じさせる悠月。理由もなく人を待たせたりといったいい加減な事は今までなかったのが、オルカは気になっていた。
何か連絡は入ってないかと自分の携帯を取り出したオルカは画面を操作し、ワァ~とその口を縦長にした。
「『かぜ』って……。もしかして変換もできないカンジ?」
いつもも悠月はそんなにダラダラ書く方ではないが、これは余りにも酷すぎる。嫌な予感がしたオルカは悠月の自宅に行ってみる事にした。
「悠月? いるの? ……入るよ~?」
コンコンと悠月の家のドアを叩いたオルカは、しばらく待っても返事がなかったため、そおっとドアを押してみる。ドアは滑らかにオルカを受け入れた。その手応えのなさにオルカはんん~っと眉をひそめた。
(鍵もかかってないのに反応がないって……これはホントに不味いんじゃない?)
家の中からは物音一つしない。思い切って中を覗き込んだオルカが、驚きの声を上げた。
「―――悠月!!」
自分のすぐ目の前に、コートを着たままの悠月が倒れていたのだ。オルカは慌てて駆け寄り、悠月を抱え起こした。と、悠月の目がうっすらと開き、その口が小さく動いた。
「……何故いるんだお前は……」
「『かぜ』なんて心配するでしょ~、フツウ。ああもうすごい熱じゃないか」
答えながら悠月の額に手を当てるオルカに、悠月はうわごとのように呟いた。
「これくらい……平気だ」
悠月は弱々しくオルカの手を払いのけようとしたが、オルカはその手を軽くいなした。
「ハイハーイ、ちょ~っと黙っててね。この格好ってことは今日来るつもりだったんだろ」
オルカの言葉に悠月は小さく頷く。オルカは彼の胸をぽんぽんと優しく叩いた。
「無理したらダ~メだって。今日は大人しくしてもらうよ」
軽い調子でそう言うと、オルカはウインクを1つ。そして悠月を難なく横抱きに抱き上げた。
「な……にするんだ、オルカ……」
オルカの腕の中で悠月は暴れようとするが、全く体に力が入らない。それどころか頭がぐらんぐらんしてしまい、反射的にオルカの首に縋りついてしまった。
悠月に縋りつかれ、オルカはご満悦だ。お姫様のように丁寧に悠月を抱き直すと、メッと悠月に顔を寄せた。
「自己管理も仕事みたいなもんなんだから……分かった?」
余りの正論に悠月はぐうの音も出ない。悠月は熱で赤くなった頬を不承不承オルカの胸に預けた。
オルカは軽々と悠月を寝室まで運ぶと、彼を着替えさせながら言った。
「それにしてもアレだよねぇ……こんな状態なら誰か呼べばよかったのに。
こないだの先輩
とか」
されるがままの悠月は熱で潤んだ瞳をオルカに向けて言った。
「彼には……誰にも心配をかけたくない。頼るのは、慣れない」
人を頼ろうなんて思った事はなかった。悠月の脳裏に実家での厳しい日々が思い浮かぶ。
あそこでは、情けない姿も、隙も見せられなかった。厳しい父親は『跡取り』を必要としていた。弱った『悠月』を見せる事なんて、あそこでは考えられなかった。
「ただ……」
悠月はぽつりと言った。
「一緒に組むんだ、お前には報告する義務があると思った」
けれども、と悠月は思った。なぜ、『かぜ』と送ってしまったのだろう。そんな、自分の弱みを見せるような事を、なぜ書いてしまったのだろう。もう少し書きようもあったはずなのに。
悠月は己の心の中を探ろうとしたが、熱に浮かされた頭はその熱い体温で悠月からその本心を覆い隠す。悠月はいつの間にか完了していた着替えにも気付かず、何とか右腕を持ち上げ言った。
「それだけ……それだけだから、うつる前にさっさと帰れ」
トンッ。悠月は俯きながら弱々しくオルカの胸を押す。するとその手を素早くオルカが握った。
驚いて悠月が顔を上げる。オルカはその青色の瞳で悠月を真っ直ぐに見つめていた。
「ふーん」
オルカは目を細めて言うと、くっと悠月を引き寄せた。
「義務なんかじゃなくてさあ。……もっと頼って? もっと甘えて?」
オルカはあっという間に悠月の腰を取った。悠月はオルカによって魔法のように滑らかにベッドに寝かされる。彼の右腕をベッドに押しつけながら、オルカは美しい獣のように悠月を見下ろした。そして悠月の耳元にその形の良い唇を近づけると、低い声で囁いた。
「……言っただろう、一目惚れだって」
悠月の頬をオルカの漆黒の髪が撫でる。悠月は抵抗もせず、その心地良い低音の囁きに心を委ねた。オルカが顔を上げ、瑠璃の瞳と黄玉の瞳はしばし視線を絡ませあう。ふっとオルカがその表情を崩した。
「なーんてね~! これだけ会話できるなら大丈夫そうだ」
オルカは悠月の右手を離すとふわりと彼に布団をかけてやった。
「ちょっとおかゆ作ってくるから待っててね~」
ウインクをしながら明るくそう言うと、オルカは悠月に背を向け、部屋を出て行った。
その背中をベッドの上から見送っていた悠月は、パタンとドアが閉まると、そっと自分の右手を布団から出した。あの低い声。捕らえられてしまいそうな強い瞳。
悠月はぽすんと自分の腕を布団に落とした。相変わらず熱はあるが、オルカが来てから少し気分が良くなったような気がする。広い家に誰かがいる温かさ。悠月は彼の出ていったドアに向かって小さく呟いた。
「……誰が甘えるか、バカ」
オルカのお粥はとても優しい味で、美味しかった。悠月はゆっくりではあるがふはふとしっかり全部平らげる。空になった器を見ながらオルカは満足そうに頷いた。
「よーしよし。しっかり食べたら後は寝るだけだよね~。子守唄でも歌ってやろうか?」
そう言ってオルカは日本の子守唄を口ずさむ。するとベッドの中で悠月が言った。
「……今日、練習する予定だった曲がいい。スローテンポで。出来るんだろう?」
オルカは子守唄を止め、お? と眉を上げる。しかしすぐに悠月を見てニッコリ笑った。
「いいよ。今回は俺1人だけど、元気になったら今度は一緒に歌おう。これから何度も、飽きるくらい」
そしてオルカは今日練習するはずだった曲を、悠月の隣でゆっくりと歌い始めた。
オルカのハスキーな声が、柔らかく悠月を包む。それを悠月は目をつぶり静かに聴いていた。
ちょっと弱っている自分。隣にいるオルカ。
たまには悪くないかもしれないなんて……思っても絶対に言ってやらない。
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あとがき
担当マスター:
KAN
ファンレターはマスターページから!
KANです。
シナリオにご参加の皆様、本当にありがとうございました!
や、色々なピンチや救助があるものですね~。
様々なシチュエーションにこちらもドキドキ。楽しみながら書かせて頂きました。
ピンチを乗り越えると絆って深まりますよね!
大切な方々との交流のお手伝いが出来ていれば幸いです。
至らぬ所ばかりですが、これからも是非是非お付き合い下さい。
またシナリオでお会いできること、楽しみにしています!
※個別コメントはお休み中です。ゴメンナサイ!
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月10日
参加申し込みの期限
2016年11月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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