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●Crisis
城山 水樹
と
ヒュー・ヒューバート
が
甘い時間を過ごしたバレンタイン
から、数日が過ぎたある日だった。
その日、木天蓼大生の水樹は、大学は休みではあったが用事があり、寝子島キャンパスを訪れていた。思ったより用事は時間がかかってしまったが、何とか終わらせたのは夕方遅く。そして帰宅途中に、水樹は彼らに出会ってしまったのだ。
水樹に声をかけてきたのは見るからにガラの悪そうな男だった。テラテラと日焼けした肌、耳には見るからにイミテーションのダイヤもどきのピアスを片耳だけしている。無精髭の顎をくちゃくちゃ動かしながら「お姉さん綺麗だね~、一緒に遊ばない?」と言うその男の視線は、ねっとりと水樹の肢体にまとわりついていた。
水樹は内心で思いきり眉をひそめた。大学生でありながらモデルもしている水樹は、異性から声をかけられる事には慣れていた。しかし目の前の男はその中でもかなりたちの悪い部類に入る事は明白だった。水樹は不愉快さの欠片も表に出さないようにしながら、丁寧に、それでもきっぱりとお断りの意を示した。
「……ふ~ん、遊べないのぉ、お姉さん」
「ええ、ごめんなさい。ちょっと急ぐので」
水樹は軽く頭を下げ、男を見ないようにしながらその横を足早に通り過ぎようとする。と、目の前に数人の男が現れ水樹の行く手を塞ぎ、その腕を掴んだ。
「え……ちょっと!」
驚く水樹の頬に、背後からペタリと冷たいナイフの刃が当てられた。
「……遊ぶんだよ、お姉さん。俺達全員とね」
耳元で囁く生温かい男の息。水樹の瞳が恐怖で見開かれた。
「いや! やめて!!」
抵抗もむなしく水樹は男達の乗ってきたワンボックスに放り込まれた。そしてそのまま車はうらびれた倉庫群に走って行く。水樹は恐ろしかった。男達の下卑た視線、卑猥な会話。自分がこれから何をされるか手に取るように分かる。水樹は鞄をかかえ、車の隅で息をひそめて小さくなっていた。
車はある倉庫の前で乱暴に止まった。怯える水樹に抵抗の意志はないと判断したのであろう、男達は笑いながら次々に降りていく。そして最後の1人が水樹に手を伸ばした。
「オラ! 早く降りろや!」
水樹はおずおずと車内の中央に出てくる。そしてにやつく男に1歩踏み出すと、持っていた鞄を男の鼻先に思い切り叩きつけた。
「……ってー!!」
不意を突かれた男が思わず顔を覆う。すかさず水樹は反対側のドアを開け、暗闇に飛び出した。
「逃げた! 女が逃げたぞー!」
鼻を押さえながら男が叫ぶ。それを背後で聞きながら水樹はもつれる足を必死に走らせていた。
逃げなくては。捕まったら終わりだ。
ヒューは出張を終え、木天蓼市内の自宅アパートに数日ぶりに帰宅していた。カメラマンであるヒューの仕事は不規則だ。久し振りの自宅ではあったが明日はもう早朝から仕事が入っている。ヒューは一息つきながらも、ゆっくりしたい気持ちと仕事のためには寝なくてはという気持ちで葛藤していたが、そこに携帯の呼び出し音が鳴った。
画面を見てヒューの瞳が細くなった。大切な恋人とゆっくり話せる事を嬉しく思いながら、ヒューは通話ボタンを押した。
「もしもし……」
「ヒュー……ヒュー!」
受話口から小さく聞こえた水樹の声音は震えていた。その涙混じりの声にヒューの表情が険しくなる。それでも努めて冷静にヒューは水樹に呼びかけた。
「落ち着いて……どうしたの、水樹?」
「ヒュー……私……いま……助けて……殺される……!」
パニックの水樹から何とか話を聞き出したヒューは、彼女を落ち着かせようと静かに、ゆっくりと言った。
「大丈夫、必ず助けるから……今どこにいるか分かるかい?」
「ううん、全然……」
「分かった。水樹、携帯の電源は切らないでおいて。僕がGPSで探すから。……そこは安全そうかい?」
「今のところ男達の気配はないわ」
「よし。じゃあなるべく動かないで。ただ危険を感じたら別。とにかく逃げて。絶対僕は見つけるから」
「うん……うん……ヒュー、来てくれるわよね?」
「大丈夫、水樹。絶対助けるから」
そう言って水樹を力づけるとヒューは電話を切り、すぐに携帯のGPSアプリを起動させ家を出た。大事な恋人が置かれている状況を考えれば正直気が狂いそうになるが、だからこそ冷静になるべきだ。今は何としてでも彼女を救い出さなければいけないのだから。
倉庫の1つに身を潜めていた水樹は、ヒューの声を聴き少し落ち着きを取り戻す事が出来た。
それまでは、不安で不安でしょうがなかった。暗く寒い倉庫の中。外からは男達の怒鳴り声と足音が切れ切れに聞こえてくる。もし、もし見つかったら。水樹の心の奥から恐怖と絶望がせりあがり、全身を浸食する。止まらない涙の中鞄に手を入れた時、携帯が手に触れた。そして彼女は無意識にヒューに電話をかけていたのである。
ヒューの声は彼女に希望と勇気を与えてくれた。大丈夫。ヒューは絶対助けると言ってくれた。信じよう。自分がしっかりしなくては、助かるものも助からない。この身体はあんな男達には指1本触れさせない。私の身体に触れていいのはヒューだけ。ヒュー、お願い、早く来て……!
どれくらい時が経ったのだろう。張り詰めた空気の中、水樹は恋人の面影だけを希望にして、膝を抱えて震えながら俯いていた。
その時、倉庫の入り口の扉がガタンと音を立てた。ビクリと水樹の肩が上がる。
(見つかった……?!)
ガタガタと全身が震えるのが分かった。あの下卑た男達の顔が思い浮かぶ。あんな奴らに好き勝手されるなんて、耐えられない。ヒュー、助けて……ヒュー!
水樹がぎゅっと目をつぶった時だった。彼女の耳に声が届いた。
「水樹……? 僕だよ……いるのかい、水樹……?」
柔らかい、落ち着いた声音。間違えようもない、彼女の聞きたかった声だった。水樹は倉庫の暗がりから飛び出した。
「ヒュー……!!」
「水樹!」
ヒューが両手を広げる。彼女は泣きながら、大好きな恋人の胸に飛び込んだ。
「大丈夫、もう大丈夫だよ、水樹……怖かったね」
「うん……うん……!」
必死にしがみつく水樹の髪を、ヒューは優しく優しく撫でる。ボロボロ涙を零す水樹の手は震えていた。
(どれだけ怖かっただろう……)
水樹の恐怖を思い、ヒューはまたしっかりと彼女を抱き締めた。ここからが正念場だ。2人で無事ここから逃げ出さなくては。ヒューは愛しい恋人を見つめた。彼女にはどんな危害も加えさせない。
「……水樹、動けそうかい?」
ヒューは胸の中の恋人に尋ねる。水樹はしっかりとヒューの目を見て頷いた。その瞳には先程の恐怖の影は跡形もなく、恋人への強い信頼だけがあった。
「良かった。じゃあ、行くよ」
体を離し、ヒューが水樹に手を差し伸べる。その手を水樹がしっかりと握る。2人は目を合わせると無言で頷き、倉庫の外に向かって駆け出した。
ヒューはしっかりと水樹の手を掴み、倉庫群の間を駆け抜けていた。彼は何とかシーサイドタウンまで逃げるつもりだった。人が居る所では彼らも何も出来まい。とにかく早く、この人気のない場所から抜け出す必要があった。
GPSの地図を頼りに大通りを探す。そしてようやく倉庫の建物が切れ、道路の外灯が先に見えた時、背後から男達の怒号が聞こえてきた。
「いたぞー!!」
「ヒュー! 見つかったわ!」
水樹が叫ぶ。ヒューは強く水樹を抱き締めると、トンと両手で彼女を押し出した。
「水樹、道路に向かって走って!」
「ヒューは?! ヒューはどうするの?!」
「僕は大丈夫。絶対大丈夫だから……走って!!」
強いヒューの口調に水樹は戸惑い振り返りながらも道路に向かって走り出す。その彼女の姿を隠すように、ヒューは走ってくる男達に体を向けた。
「お前……誰だ! 女はどこいった! 野郎には用はないんだよ!」
自分達の前に立ち塞がった見知らぬ男に、男達は口々に吠える。しかしヒューは怯まなかった。彼の心の中には怒りしかなかった。
(こんな奴らに水樹を好きにはさせない……!)
ヒューは静かに口を開いた。
「君たち、覚悟はあるのか……?」
「は?」
男達の眉が上がる。ヒューは彼らを見据えながら言った。
「彼女の身分を知ってるのか? 彼女はやんごとなき身分のご令嬢。もし何事かあったら君たちを地の果てまで追いつめ、償ってもらう。それくらいの権力はある方なんだよ」
「な……何言って……」
そうは言いながらも男達に動揺が走る。ヒューはスッと携帯をかざすと、パシャリと写真を撮った。
「何しやがる!」
顔を隠しながら叫ぶ男達にヒューは言い放った。
「これで君たちは逃げられない。彼女に恐怖を与えた罪、僕は絶対に許しはしない」
ぞっとするような冷たい光がヒューの瞳に浮かんでいた。彼が本気だと気付いたのだろう、男達は顔を見合わせると、怖じ気づいたようにバタバタと無言で元来た道へ走り去っていった。
ヒューが大通りに出てくると、道端に座り込んでいた水樹が涙ぐみながら駆け寄ってきた。
「大丈夫だった、ヒュー?!」
その必死の表情にヒューの頬が緩む。ヒューはぽんぽんと水樹の頭を叩いた。
「大丈夫だよ、やんごとなき身分のお嬢様」
「? 何言ってるの? 私の実家は古本屋よ?」
突然のヒューの言葉に水樹が不思議そうに言う。そんな彼女の頬にヒューは軽く口づけた。
「ううん……君は僕の大事なお姫様だよ。……無事で、良かった」
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KAN
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月10日
参加申し込みの期限
2016年11月17日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月17日 11時00分
参加キャラクター一覧
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