ボウリングしようよ！｜リアクション

ボウリングしようよ！

「なるほど。頂点少し横を、斜めから当てるようにしストライク狙う……か」
　コツを再確認し、投球。思惑とは少し違う結果に、微調整を行う。
「失敗したら修正」
「……くん」
「成功したら反復……だな」
「修くん」
「はっ！　どうした、あおい？」
「真剣もいいけど。できれば話もしながらがいいかな、って」
「う。確かに……」
　苦笑するあおいに指摘され、没頭していた修は反省した。
「今回も『勉強中』みたいだな俺」
「ううん、熱心でいいと思うよ――それ！」
　あおいが投げる。勢いよく転がったボールは、ピンを軒並み倒していく。
「ストライク、やった！」
「すごいなー！」
　ハイタッチを交わし、修は感嘆する。
「スペアも多いし……コツとか知ってるのか？」
「コツっていうか、こう、すぱーんっていけそうなところを、ズバッていく感じ」
　青い目を輝かせるあおいの言葉は、けっこう直感系だった。
　そういう天然なところも、修には魅力的な部分である。
「――あれ、同点か？」
　理論、実践で攻める修だが、感覚で勝るあおいもストライクで拮抗している。
　しかもこのレーン、修は両端のみ残す8ピンで一投目を終えてしまった。
「わ、これって難しいね」
　あおいも首をひねって、残ったピンの倒し方を模索する。
「片方のピンを飛ばして、もう片方にぶつけるしか……」
「できそう？」
「……やってみる」
　彼女の期待と応援に背中を押され、修はダメ元で挑戦を敢行する。