ボウリングしようよ！｜リアクション

ボウリングしようよ！

　呼ばれて来てみると、そこは獅子島市子にとって馴染みのない場所だった。
　目の前にあるのは『ボウリング場』と書かれた錆びの目立つ看板に、昭和感まるだしのオンボロ施設。
　そしてその建物の前では、市子を呼び出した桃川圭花が眼鏡を光らせ、静かにドヤ顔を湛えていた。
「……帰ってもイイデスカ」
「ようやくこの日が来たわ」
　提案は軽くスルーされた。
「私にも勝てるとこがあるってこと、たまには見せてあげなくっちゃね」
「うん分かった。応援するから頑張れ。誰と戦うか知らんが超頑張れ」
　なげやりに言うも圭花に凝視され、市子は悲痛に眉をしかめる。
「……まさかあたしと？　やんねーとダメ？」
「うん」
「うぅ……」
　頭を抱える市子。
「市子さん、尋常に勝負よ」
「イヤイヤだから、こーゆー競ったりとかニガテなんだっつーのっ！」
　観戦は好きだが勝負、まして球技なんて不得手もいいところ。
　必死に目で訴える市子だったが、どこ吹く風と受け流す圭花に引きずられてい

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