this frame prevents back forward cache
0
0
はじめての方へ
ヘルプ
ログイン
\ オーバータイム!/
種族
学年:職業
00月00日生 00歳
AAA000000
ホームトップ
おしらせ
新着通知
はじめての方へ
遊び方
世界設定
キャラクター一覧
キャラクター検索
キャラクター作成
らっポ
チケット
コミュニティトップ(検索)
コミュニティ一覧
公式コミュニティ一覧
公開トピック一覧
コミュニティ書き込み検索
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
イラストトップ
イラスト一覧
イラスト検索
イラストレーター一覧
イラストレーター検索
自作イラスト一覧
アイテム一覧(検索)
マイリスト一覧(検索)
寝子島(全景)
寝子島(地図)
寝子島(セカンドマップ)
寝子島高校
Walking Pain
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
影を踏まれたら物凄く体が痛くなるという前情報はあるものの、首無し生徒がどんな基準で自分達を探知するのか探る勇気を持てなかったのを、今更ながら
佐藤 英二
は後悔した。
ある教室に逃げ込んだ英二と
青山 絢
は首無し生徒に包囲を許してしまっていた。
二つのドアに積んだ机のバリケードの向こうで黒い人影が垣根を作っているのが見える。
英二の横で、絢は「嫌よ」と掠れた声で呻いた。知性の有無を疑う生徒達は高積みされた机に阻まれながらも、障害を突破しようと躍起になっていた。これから襲われるだろう凶行を想像し絢はどうして今頭が働かないのかと嘆く。体が熱くて重くて、今なお思考は明瞭とは言えず、恐怖が混乱を呼んでいる。
「逃げよう」
掃除用具の箒を握り締めて英二が提案する。
机の下をくぐって廊下に脱出しようとする英二に、それは無理だと絢は却下した。廊下は首無し生徒達に埋め尽くされている。
「じゃぁ、窓から!」
多少の怪我は仕方無しと体当たりした窓は英二の体を弾いただけだった。
硝子が割れず英二が床に倒れて絢は堪らず声を上げた。
絢の悲鳴に英二は駄目だと悟る。
気丈にいようと律していた気力が霧散した。
運良く開いている教室に逃げ込み机で侵入を阻むバリケードを作ったまでは良かった。このまま待機していれば首を求められるという悪夢は過ぎ去るものと確信さえしていたのに。
靴音が犇めいて。
バリケードの向こうで影が揺らめいている。
首を求めた無数の手が教室を揺り動かさんばかりで。
いつしか、机の障壁の一角が崩れ落ち。
堤防の決壊を知った激流の如く、首無し生徒達が教室に流れ込んだ。
…※…※…※…
光量の割には嫌らしいくらいくっきりとリノリウムの床に影が浮かぶので、
八神 修
と
椿 美咲紀
は光源には相当気を使い、壁際に沿って密着し影を影で消しつつ、また影を発生させないよう明るい場所を避け、逆に暗すぎて見通しが悪いルートは危険と判断し、慎重に移動を続けてた。
人形の頭は未発見のまま、時折遭遇する首無し生徒を撃退していたふたり。修がモップを構えれば「沙悟浄みたいだ」等と冗談を交わし合い、大胆に追跡者達の弱点を探ろうと策を労していたが、首無し生徒が音に反応するわけでもなく、光や塩等には何一つ怯まず生者まっしぐらで、手応えが無い!
少女が持つ人形が本体かと予測するがこういう時に限って遭遇できないまま今に至っていた。為す術無く尽く可能性が潰されていくと、否応なく精神は削られていく。屈しないで済んでいるのは可能性が潰える事に物事は収束に向かって物語が進むと希望がある為だ。根拠は無い。そう思うしかなかった。自己暗示で奮起するのだ。でなければ、それは絶望に反転してしまう。
怖くないといえば嘘になる。だが、″怖くない″と修は守る者の存在を視界に入れて正義感に燃えた。
頭の無い人影や髪の無い輩は敵だ。
頭部が無いという最大の特徴は瞬間での判断を安易にさせてくれた。
「こっちに! 早く!」
だから
三宅 葉月
がこちらに向かって走ってくるのを見て美咲紀は手招き、修は後方の首無し生徒の迎撃にモップを構え駆け出した。
修が首無し生徒の一人をモップの突きで後方に転ばせるとその膝を渾身の力で踏み砕き機動力を奪う。
彼の横で葉月を追いかけるもう一人の生徒に足払いを掛け時間を稼ごうとした美咲紀は、それは自らの影を差し出す行為に他ならないだろうか? と寸でで思い留まり、葉月の手を取った。すると、走り続けていた葉月の足は救助の安心感にか力が抜けたのだろう。彼女は足を縺れさせ転倒した。
葉月には既に首無し生徒が肉薄している!
「シュー君!」
踏まれそうになった葉月の影は、修が美咲紀の手からひったくり咄嗟につけた懐中電灯の明かりによって方向性を変え、寸での所で踏まれずに済んだ。
美咲紀は葉月の腕を両手で掴み全体重を持ってその場から提げる。
葉月を抱える形で尻餅をついた美咲紀の前に割り込むように立ちはだかった修は消化器のピンを抜くと消火剤を集団に向かって噴霧した。
噴射音の勢いのままに廊下は瞬く間に白い煙に包まれ、三人は堪らず咳き込んだ。
袖口で口を覆い、元来た道を戻ろうと声を出そうとした修は葉月が発した断末魔に目を見開いた。
閉所で撒かれた煙は早々――これが予想外だった――に収まり、美咲紀が「あ、ぅ」と絶句にうめいた。
辺り一面に満遍なく撒かれた消火剤の上には、影がはっきりと浮かび上がっている。
何を以って首無し生徒達が自分達を追跡するのか答えを出せなかったふたりは、徐々に集まってきた足音に生唾を飲み込んだ。
「美咲紀、走れるか?」
葉月の影を踏む首無し生徒を突き離し、修は美咲紀に自分を見るように促した。
「……シュー君」
「必ず生き延びて、明日の太陽を拝むぞ」
激励に美咲紀は頷き唇を引き結ぶ。
嗚呼、それでも、白い床に浮かぶ黒い影はなんて恰好な的なのだろうか。
…※…※…※…
靴音が迫る。
ひとつではなく、ふたつでもなく、多くの多くの音。
歩いている音。
引きずっている音。
走っているのもあれば、飛び跳ねているのも混ざっている。
時折リノリウムが小さく鳴り、転倒に振動が響く。
近づいてきている。
無声の沈黙故にか衣擦れの音は一際大きい。
廊下の向こうから影が見えた。
直視するのが憚れる形の、人の影だ。
見かけに反ししっかりとこちらに向かって来ているのだから、現実味が欠けている。
相変わらず空気は湿り気を帯び、濁るように淀んでいる。
何人居るのだろうか。
何人の首が捧げられたのだろうか。
固唾を飲む二人の前に、少女は姿を現した。
「見つけた」
少女が、謳うような声で無邪気に笑う。
「は、はじ、め、甫くん……!!」
堪らず
千堂 結
が
鵙海 甫
の腕に縋った。甫はそんな結の手に自分の手を重ねる。
振り返るも、既に退路は無かった。前方に気を取られ、背後にも生徒達が集まっているのに気づかなかった。
「ちょーだい」
少女の愛らしいおねだりは、頭が理解しているものだから、感情は到底受け入れられるはずもなく。
「私は人形じゃないしいいいい!! 無理だってばあ!!」
「大丈夫!」
声を張った甫に、それは気休めだろうかと結は目を見開く。
「気休めじゃない! 諦めるなよ!」
それが表情に出ていたのだろうか、甫は否定した。
甫は結の右肩を右手で掴み、左肩を左手で掴む。結に顔を近づけた甫は頬を緩めた。
「怖いのに千堂は泣かないな」
柔らかな声のトーン。突然の話題に、結は胸の前で組んだ指に力を入れ、甫を見詰めた。
「それは……二人…甫くんと一緒だから…怖いけど、頑張れた」
泣いたら足手まといになる。それだけはしたくないと、必死に耐えていた。必死に耐えている。
「うん。俺も、千堂がいるから……わかる? 俺、今、手震えてる」
明滅する蛍光灯の下で気づかなかったが、甫の顔は真っ青だった。そんな彼を見上げて、結は頷いた。
本当は心底怖いし、どうしてこんな目に遭っているのか理不尽さに声を荒げて叫びたい。
取り込もうとする力に抗わず身を任せたらどんなに楽だろうと自暴自棄という名の誘惑が手招いている。
衝動を押さえられているのはひとえに、
甫がいるからだ。
そして、
結がいるからだ。
「頑張ろう」と、甫は言った。
「頑張る」と、結も返した。
屈するにはまだ早い。
「千堂。逃げよう」
「そう、そう、だね、逃げなきゃ…とにかく逃げなきゃ…だね!」
完全に包囲されているわけではない。甫は奥歯を噛み締め、結の手を取った。
「走れ!」と
首無集団の横をすり抜けようとした甫の腕を、無数の手が掴み、彼を引き倒す。
「甫くん!」
「走れ、千堂ッ」
道連れにすまいと離された甫の手を、結は掴み直す。
影を踏まれ激痛に顔を歪ませる甫はその場に蹲りつつも、もう一方の腕で力弱く迫る首無し生徒を払う。そんな甫を結は両手で引っ張った。
「にげ、――」
「しない! ま、待ってね。今助けるから…っ!! ふたりで一緒に、生きるんだよ……!」
遮る結の声は甫の耳を打つ程に大きかった。
「ひとりには、しないよ」
諦めるなと言ったのは甫ではないか。
「生きるの。に、逃げるの!」
渾身の力を振り絞って引っ張る。引きずられて甫の体が徐々に動く。甫が生徒達を払い、結は活路を探して首を巡らせた。
逃げるのだ。ふたりで。
朝が来ればきっと良くなる。だからここは逃げて、どこかで隠れよう。
手も足も震えて、混乱に思考はぐちゃぐちゃだけど、結はひとりではない。甫が居た。励ましてくれた。自分も震えていると和ませてくれさえしてくれた。今でさえ彼は先に逃げろと言ってくれている。
結は甫を見て、甫は結を見ている。
「頂戴」と少女は渇望していた。
恐怖がある。
目の前にある。
それは少女に首を所望されて、首無し生徒に追いかけられるのとは違うものだ。
本当に怖いのは――。
「逃げろ!」
甫の声が結の耳を打つ。
眼前に寝子島高校の制服。
影を踏まれ、身を削ぎ落とされるような痛みに声さえ失うものの、彼女は彼の手を離さなかった。
首無し生徒がその頭落とさんと腕を振り上げ、
――本当に。本当に怖いのは。
その首元目掛け、振り下ろされた。
<< もどる
1
…
2
3
4
5
6
つぎへ >>
このページにイラストを設定する
シナリオ
シナリオトップ
シナリオ一覧(参加受付中)
シナリオ一覧(すべて)
リアクション一覧
ゲームマスター一覧
ゲームマスター検索
シナリオご利用ガイド
グループ参加ご利用ガイド
シナリオタイプのご案内
Walking Pain
シナリオガイド
リアクション
参加キャラクター一覧
コメントページ
ダイアリー一覧
シナリオデータ
担当ゲームマスター
保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月01日
参加申し込みの期限
2016年11月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
もっと!