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Walking Pain
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いつの間に眠っていたのだろう。
両腕を枕にして机に突っ伏していた顔を持ち上げた
三宅 葉月
は、自分の記憶を弄るように片手を額に当てた。
制服を身に纏い、何故机に伏し熟睡していたのか、記憶がそこだけすっぽりと抜け落ちていて腑に落ちず違和感に表情が怪訝と翳る。
窓の外を見たがカーテンが引かれていて時間がわからない。それならば、と時計を見遣るが、おかしいかな時計の針がどの数字をさしているのか葉月は目を細めても判断出来なかった。
ただでさえ寝起きが悪い所に、椅子に腰掛け机に身を預けるという体勢がいけなかったのだろうか。血の巡りの悪さが否定できず、眉間に皺が寄る。
「ふぅ」と吐いた溜息は、億劫とすら感じた彼女自身を包み込む気怠さを追い出さんが為。
柵のように締め上げる体の倦怠感と比例するように重たい瞼を深呼吸の勢いを借りて持ち上げ、無理矢理に目を開き、覚醒を促す。
何にせよ教室の中で独りで居る理由はなく、速やかに帰宅しようと椅子から立ち上がる。動きに体が追いつかずふらりとよろめいてしまったがそこは起き抜けのご愛嬌か。
では帰ろうと葉月の足が一歩を進めた瞬間、待ってましたとばかりに教室は突然の闇に包まれた。
しかし、葉月は驚きはしなかった。
真っ暗になり、教室は蛍光灯が点いていたから明るかったのかと遅まきながら気づいた葉月は、心許なくふらつく足で窓へと近づく。
両手で払ったカーテンが見せた世界が葉月の瞳に映り込んだ。
墨液を流し込まれたかの如く黒く塗り込められた夜空。そこに貼りつく紙のような薄っぺらい月から降り注ぐ光に照らされて、葉月の足元には長い影が細く伸びる。
首だけ振り返って時計を見仰ぐが相変わらず時間が読み取れない。
けれど、夜、だという事はわかった。
帰らなければ、と薄ぼんやりとした思考に葉月は目的を意識させる。
カーテンを閉じて、教室を出た。
穏やかな表情は静謐を呼び込み、靴音を響かせていないと、あたかも高貴な森の精霊を思わせるような幻想を引き連れ、葉月はチカチカと明滅する蛍光灯の下、頼りなげな足取りで歩み始めた。
その姿は正にアンティークドールのような作り物めいた美しい少女然。
これが映画ならきっと彼女が主人公を追い回すはず。
しかし、この場には別のドールが存在し、自分もまた追い回される側に居るらしい。
「人形を知らない?」
そのことを悟ったのは、聞きなれない少女に問いかけられた時であった。
気配なく背後から声を掛けられてほぼ反射的に振り返ると、そこには首の無い人形を胸に抱いた少女が不安そうな顔で葉月を見上げていた。
少女との距離が意外にも近くて葉月は本能的に一歩後ずさる。
その瞬間、おぞましさを秘めた爪が柔肌の裏側を無遠慮に引き裂く悪寒に全身の産毛が逆立った。
未知なる危険に瀕し竦む葉月はゴトリと落ちガシャンと壊れた音に、ハッと我に返る。
状況を読む前に本能的に動いた体が伸びてきた手を避け、退いた。運動を得意としていない葉月にとってこの動きは奇跡に等しく、影を踏まれずに済んだことがどれほどにも幸いだったのか理解する前に彼女は目の前まで迫ってきた首無し生徒から離れた。
何が、
どうなって、
こうなっているのか。
出かけた疑問を口を閉じて封殺し、兎に角今は、と逃げ出した。
追いかけてくる靴音は速く、また多く、葉月を囲もうと迫ってくる。
最初に影を踏まれなかった幸運を知らないままに、葉月は物陰に隠れると息を殺した。
どうぞそのまま気づかないで、と。息を潜める。
…※…※…※…
首無し生徒の包囲網から一時的にでも逃げ出すことに成功し、物陰に身を潜めて廊下の向こうで列を成して行進する影の行方を睨む
佐藤 英二
は、苛む程には弱いものの残滓のように体に纏いつく痛みに気づけば息を吐きだしていた。
アニメや特撮作品を観るのを好む基本的に普通の高校生である彼は自分を取り巻く状況に戦き戸惑っていた。
「何だか…スゴク怖い展開になってる気がする」
夜の校舎という舞台設定からして不安を煽られているというのに、首を求められて追い掛け回されている状況が、恐怖に拍車をかけていた。
なぜ自分がこんな目に遭わなければいけないのかと理不尽さに憤るよりも、生命を脅かされて追い詰められゆく焦燥感に精神が磨り減っていく。
早く脱出しなければと焦り、朝になればどうにかなるだろうの希望に浸り、兎にも角にも助かることだけを第一目標にしようと決意しながら蛍光灯が明滅しつつも照らす廊下の奥の様子を伺っていた英二は、フッと自分を覆った影に、すわ襲撃かと振り返って、摩耗される精神に理性が悲鳴を上げる直前で慌てて自分の口を右手で塞いだ。
同時に左手で、
青山 絢
を指差す。
存在を肯定されて、絢もまた英二を指差した。
首が在る者同士の邂逅に、ふたりは首振り人形の如く、こくこくと互いに頷き合う。
頷き合って、気付き、ふたりは同時に己の首を押さえた。するとどうだろう。パニックが引いたのかどちらともなく安堵に肩を落とす。
絢はもう一方の手で両目を覆い、首を緩く左右に振った。
落ち着きを取り戻した絢は壁に背中を預けた。
「大丈夫か?」
右手で左の上腕部を掴み熱い吐息に喘ぐ絢に気づいた英二の問いに、
「ええ。大丈夫よ」と絢は気丈に振る舞った。
「怖かったら怖いって言ってくれな。言わないと頭おかしくなっちまう」
「……そうね」
気持ちは吐き出せる内に吐き出した方がいいと無理を強要しない英二に絢は大丈夫と言葉を重ねた。
パニックで欠いた理性を宥めすかし絢は考える。
最初は熱に浮かされて見た夢だと思ったのだ。
なんだか熱っぽいと体の変調に気づき絢は部活動を休んで放課後は早めに帰宅したのだ。シーサイドタウンにある従姉妹と同居しているマンションへ帰り、そこで風邪薬を飲んで眠っていたはずである。薬を飲んで一晩ぐっすりと眠り快復する軽い風邪を治す為に、間違っても学校に舞い戻り病状を悪化させることはしない。
教室で立ち竦んでた時は起き抜けの頭と風邪の発熱のせいでボーっとしてしまい、何故という疑問すら湧かないまま、嫌悪すら滲ませる予感めいた感覚に、それを伝える手段すら思い浮かばずただただ衝動的に教室を出て、火照っていく体を引きずるように廊下を進んでいた。
「……少女と、人形が」
「本当に大丈夫か?」
目を閉じかけた絢は英二の表情に心配しないでと応えを返す。
絢は、人が居てよかったと素直に思う。声掛けというささやかな支えが有り難い。でなければ自分は病に浮かされたまま思考さえ剥奪されてあの人形の首を求める少女の餌食にされていただろう。
最初は熱に浮かされて見た夢だと思ったのだ。熱に浮かされ気配さえ気づかず、突然背後に現れた少女。ぼんやりと安易に受け答えしてしまって、ようやく反応でき状況を認識した時は、何もかも手遅れかと息を飲んだものだ。周囲を取り巻く異様な雰囲気に囚われる前に動けたのは不幸中の幸いだった。首無し生徒から無事逃げおおせた。
ふたりはこのままで居るわけにはいかないと決意する。
「とにかく逃げるしか無いな」
「とにかく、逃げ回るしかないわ」
意見が一致して、互いに状況に嘆いていないことを知った。
「ここどこかしら」
「さあね。できれば逃げ続けるんじゃなくて、隠れてやり過ごしたいんだけど」
逃げ続けるよりは身を隠してやり過ごせられたらと英二が希望を口にする。
「隠れるなら鍵のかかる部屋と考えがちだけど……どこがいいかしら」
「トイレ、理科室、音楽室等は何となく不味そう。倉庫とかも出入り口がひとつだから……それ以上逃げられなくなって駄目だ」
となれば、結局、開いている普通の教室が無難に思えてくる。
「行きましょう」
「早く朝が来てくれるといいな」
絢に促され、英二は首無し生徒の行進とは逆方向へと歩き出した。
…※…※…※…
「くそ、駄目だ、繋がってない」
校内に設置されている公衆電話に悪態と共に激しく受話器を叩き戻した
鵙海 甫
は、隣りの
千堂 結
に向かって緩く左右に頭を振った。
「……そんな」
唇を戦慄かせて結は甫の制服の袖を縋るように掴む。
「どど、どう、どうしよう、なんでこうなってるんだろ……」
潤む榛色の瞳で怖いと訴えられる甫は、震える結の肩を撫でて彼女に自分の存在を知らせた。
大丈夫とは安易に口に出さない甫に結は恐怖と緊張で痛くなる胸を押さえ、深呼吸しながら落ち着けと小さく繰り返す。
気休めを口にしないだけ、甫は静かで落ち着いている。対し、自分の呼吸のなんて荒い事だろうか。このままでは自分が怖さに負けたままにいると足手まといになってしまう。それは、そんな状況は嫌だし、惨めで悔しくもある。
最初に人形を抱いた少女との遭遇から命からがら逃げ出してきたのだ、その時の彼女の「え、何、どうなって……るの」という混乱から生じただろう悲鳴が耳に残っている甫は無理はしないで欲しいと結の肩を擦り続けた。
「外部と連絡を取ろうにも公衆電話はこれだし、職員室に行っても電話が無事かどうか怪しい所だな」
「ま、窓……開かなかったし、ね」
無理駄目開かないと最初に取った逃走手段を取り上げられてパニクったのも記憶に新しい結は意を決するように息を飲み、吐いた。
「職員室、い、行こう!」
勢いよく提案する結に甫は首を傾げる。
「ダメ元で?」
「うん」
しかし、物事は都合よく好転することもないようで。
階段を上がろうとして、上の階は既に占拠されているのを知った。これでは職員室には到底行けそうにない。
結が勇気を出した手前その希望が叶えられず甫の悪態に苛立ちが滲む。
所在無げにそわそわとしている結を眺め、一所に留まるのは危険と判断した甫はアプローチを変えようと考えを切り替えた。少女のことを思い出し、人形の頭部を探してみようと思い至る。
「そうだね。お人形さん、大事にしてる、もの…な、なの…かも、だし」
首を探しているくらいなのだから。ふたりでこのわけのわからない状況から脱する手段は他にもあると目標の変更に結は了承した。
「あ、案外、朝になったら助かるかも、だし」
希望は持つものだと鼓舞する結に甫は同意に頷いた。
「……そうだな」
ただ、甫は気づいていた。
口に出さないだけで気づいていた。
各所で見かける時計の針が一秒も進んでいない事に。
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保坂紫子
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
ホラー
定員
15人
参加キャラクター数
12人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年11月01日
参加申し込みの期限
2016年11月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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