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2月の魔法の解けぬ間に
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デートウィークの最中でも、大人は仕事があるものだ。
それは、大学生の
城山 水樹
も例外ではない。彼女の場合、仕事といってもモデルのバイトだったりするのだが。
撮影が終わって更衣室、軽快に水樹は、上着のボタンを留めている。撮影中はキメのポーズを要求され続けるので、肩は凝るは首は痛いわで大変なのだが、それだけに、「いい画が撮れたよ!」と言われ終わったときの充実感は何物にも代えがたい。
「お疲れ」
と更衣室に入ってきたモデル仲間の
友美
が、ふと水樹を見て言った。
「水樹ってさ」
「うん?」
友美とは歳も同じで、よく仕事が一緒になるので軽口をたたき合う仲だ。
「最近また恋してる?」
「うん」
ていうかなんでわかったの、と問い返すと、友美は思わず吹き出していた。
「バレバレだってば。なんか、最近の水樹ってイキイキしてるし。イルカショーでプールをぐんぐん泳ぐイルカみたいに」
「イルカショーって」
とは水樹も言ってみたものの、水しぶきを上げジャンプするイルカと、自分の姿がどことなく重なるような気はした。
「まあ、浮かれては、いるかな」
「今の彼氏はどんな人?」
「どんな、っていうと……」
水樹は思い浮かべるのだ。彼の姿を。
大切な人、運命の人。
出逢ったのは、クリスマスイブだった。フラストレーションを抱え自暴自棄になりかけていた当時の水樹を、彼は優しく包み込んでくれた。
お互い、身長が同じなので、逢うたびに目線が合う。
するといつだって彼は、少し恥ずかしそうな表情をするのだった。水樹の知る、がさつな男たちとはまるで違った。
そんな彼を見るたび、水樹もつられて赤面してしまったりする。こんな少女漫画みたいなシチュエーション、もう自分にはないだろうと思っていただけに新鮮だった。そしてその新鮮な気持ちは、増しこそすれ色あせたりはしていない。
既に何度かデートし、何度か身体も重ねているのに……そのたびに彼のことが好きになる自分がいる。
深みのあるダークヘア、高校生のような幼い顔立ち、英国人の血を引いているが、髪色をのぞけば和風の容貌だった。自分の繊細さを知っている彼は、その分他人にもとても優しい。とりわけ、水樹のことは心から愛してくれている。
けれども彼はときどき寂しそうな顔をするのだ。どこにも所属していない、どこにも居場所がないとでも言うかのような。そんなときいつも、水樹は彼を抱きしめたくなる。
甘い溜息がもれてしまう。
もうじき終わるこの冬は、水樹にとって熱い冬となった。
昨年の聖夜に知り合って、その夜のうちに彼と、身も心も結ばれた。寂しい男女が偶然邂逅したのがきっかけ、だから一夜限りの関係(ワンナイトスタンド)になってもおかしくないシチュエーションだったが、ふたりの結びつきはそこにとどまらなかった。
正月には寝子島神社へ初詣に行き、数日ふたりきりで過ごしている。
水樹の母校、寝子島中学のオープンスクールに彼を誘ったのは、たしか三度目のデートだった。
不思議な悪夢を見たこともあったが、それは結果的に、互いの存在の大切さを確認しあういい機会になったと思う。
節分祭へ出かけたこと、ミラージュパークへの旅行もかけがえのない記念となった。
寝子島の空に生まれた海、そんな不思議な現象に観覧車から飛び込むという神秘的な体験も、彼と分かち合えたことが嬉しい。
カフェ『ミルクホール』で春のパン……ケーキ祭りを祝った楽しい記憶もある。
そしてつい先日、バレンタインデーには、思い出のステッラ・デッラ・コリーナでもう一度、ふたりきりの夜を過ごした。ホテルで行われたアリスのティーパーティ、それが終わった後、水樹は部屋で彼に、手作りのチョコを手渡している。思い出を交換しあって、ビターチョコのように甘くほろ苦いキスを交わした。そしてまたあの夜のように……いや、あの夜以上に、情熱的に結ばれたのだった。それはいま、思い返すだけで体の芯がとろけそうになるほど素敵な思い出だ。
だから、寂しくも思う。
彼とは当分会えないからだ。
彼自身も写真家としての仕事があるし、水樹も大学は期末試験が終わり春休みに突入したが、去年暮れに読モから専属モデルになったため、春にもなっていないのに初夏や夏の特集の仕事が入っている。
そういうわけで水着の撮影が中心だ。今日も、新作水着をいち早く身につけて半日過ごした。
彼がモデル撮影のカメラマンだったら良かったのに――そんな恨み言も出ないではない。けれども彼は風景写真で一定の評価を得ているプロなのだ。むしろその活躍を応援してあげたい。
「ぼーっとしちゃって」
クスクスと友美が笑った。笑って彼女は、度のきつい黒いフレームの眼鏡をかける。
「え?」
友美の変身(眼鏡をかけると別人のようになる)のおかげか急に我に返って、水樹は友美の顔を見返した。
「そんなに、ぼーっとしてた?」
「してた。うーん、恋愛が充実しているようでうらやましい」
「はは、ありがと……」
照れてしまうが嬉しかった。こんなに好きになった人はいない。
もうこうなったらノロけてしまってもいいだろう。水樹は微笑んで、
「そういやホワイトデーって、彼の誕生日なんだよね。今度は何をプレゼントしようか……って思ってる」
「ちょうど撮影も空いてるよねー。お幸せに、って言っておくよ」
笑って友美は、「お先に」と更衣室を出て行った。
ふう、と水樹は溜息をつく。
そのホワイトデーに、やっと彼と会えるのだ。でもそれはまだ、半月以上も先の話だ。
遠い遠い未来のような気がしてならない。その日が、待ち遠しい。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
桂木京介
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月28日
参加申し込みの期限
2016年11月04日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年11月04日 11時00分
参加キャラクター一覧
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