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- 学年：職業
- 00月00日生 00歳
- AAA000000
新生ショッピングモール、ただいま店舗募集中！
■シーン５：シネマデイ
最近、映画館に行っていますか？
大きなスクリーンとスピーカーで感動を味わった後で、カフェできゃいきゃい過ごしたことは？
勿論それは寝子島でもできますが、今日は新しいショッピングモールで過ごしてみましょう。
ちなみにこちら、名前募集中です。
映画館のブースから出てきた椿 美咲紀は、なんだかぼーっとした顔で遠くを見ていた。
同じく、なんだか真剣な顔つきでうつむいて出てくる八神 修。
二人は目線だけで互いを見ると、こっくりと頷きあった。
「カフェにいくぞ」
「りょうかい」
大体の人は、映画を見た直後は映画の空気にどっぷりと呑まれているものだが、近年公開されたとある映画は色々な意味で例外的なできばえだった。
見る人全員に『とにかく真剣に生きよう』と少しばかり思わせる一方で、なんだか日本の未来だとか自分の意味だとかをやたら見つめ直してしまう、そんな映画だった。ちなみに怪獣映画である。
具体的にどんな映画だったのかは、流石に話がそれすぎるので伏せることにしておこう。
とかく、人は映画を見た後は感想を述べたがる。
アメリカンスタイルの、感想をその場で叫びながら見るのは日本ではマナー違反とされ、別に発声上映会なるものが生まれるほどで、つまるところ映画の感想は見終わってから述べるものなのだ。
二人はパンフレットを買って、少し離れたカフェへと向かった。
ちなみに職業体験を行なっているカフェとはまた別の、アニメやゲームとのコラボレーションを盛んにやるタイプのカフェである。
「映画、ちょうおもしろかったです」
語彙力の死んだ感想を言いながら、神妙な面持ちで水を飲み干す美咲紀。
「でもなんだか、主人公の人物像に既視感があるのです。具体的には目の前に……」
「俺が政治家タイプに見える？ かもな。やるなら裏から操作する役割につきたい」
「間違えました。主人公の先輩に」
「はは」
冗談めかして笑う修。
やがて、二人の注文したメニューがやってきた。
主に女子に人気の高いブラウザゲームとコラボしたメニューらしいが、知らない人から見ると普通に野菜多めの生春巻きである。
「雅……」
手を合わせてなんだか尊そうな顔をする美咲紀。修は苦笑して、もう一つのメニューを見た。
キャラクターをプリントしたコースターやクリアファイルなんかがついてくるので、コラボ感はかなり強いが、食べてみるとなかなか美味しい。子供だましならぬオタク欺しの商売が蔓延った一方で、よいものは残るのだなあと思ったり、思わなかったり。
美味しくて尊いということで、美咲紀は既に夢心地だ。
「美咲紀……このゲーム、そんなに好きなのか？」
前から知ってはいるが、改めて聞いてみる。
「日本酒が飲めない歳なのが悔やまれるほどに」
「それほどまでにか」
「それほどまでにです」
「ちなみに、推しは？」
「うーん、色々ありますけど……実戦も機能美も捨てがたいといいますか。あ、護り刀は私も持ってるんです。家伝の」
「まあ、旧家だというし、な……」
キャンペーン中ということもあってカフェは随分混み合っていた。ゆっくりするには悪い人いりだ。二人は食事を済ませたら（ちょっとした休憩を挟んで）すぐに席を立った。
「次はどこに行く」
「本屋さんですかね。シュー君、欲しい本とか？」
「そうだね、いくつか……美咲紀は？」
あれやこれやと頭を巡らせて、ふと振り向くと美咲紀がいない。
周囲をきょろきょろと探してみると、美咲紀は雑貨屋に吸い込まれていた。
目をキラキラさせて棚を凝視している。
何事かと近寄ってみれば、木目金のペンダントが飾られている。
解説すると、木目金（もくめがね）は金属加工技術の一つで、色金を何層にも溶接したものを彫り込み、木目のような模様を生み出すものだ。江戸中期の技術で、主に刀の鍔などに用いられたことから、海外の富豪が好んで買ったともされる。
「日本の職人芸か。現代風に寄せているとはいえ、やはりいいな」
「ほ、ほひい……」
「美咲紀……」
女子高生が欲しがる品じゃ無い。というか価格じゃない。
が、刀の紋を入れたものがえらく気になるらしく、美咲紀は財布を開いて神妙な顔で展示品を手に取っていた。
少し前の歴女ブームに乗っかって色々な商品が生まれ、一部の雑貨店でももてはやされたものだが、その中でも例のブラウザゲームのもたらした効果は大きいとされている。世の刀匠や博物館は軽くバブルっているとかいないとか。
「蜀台切さんで！」
何か自分の中で踏ん切りをつけたらしい美咲紀は大金をはたく決心をした。
最近、映画館に行っていますか？
大きなスクリーンとスピーカーで感動を味わった後で、カフェできゃいきゃい過ごしたことは？
勿論それは寝子島でもできますが、今日は新しいショッピングモールで過ごしてみましょう。
ちなみにこちら、名前募集中です。
映画館のブースから出てきた椿 美咲紀は、なんだかぼーっとした顔で遠くを見ていた。
同じく、なんだか真剣な顔つきでうつむいて出てくる八神 修。
二人は目線だけで互いを見ると、こっくりと頷きあった。
「カフェにいくぞ」
「りょうかい」
大体の人は、映画を見た直後は映画の空気にどっぷりと呑まれているものだが、近年公開されたとある映画は色々な意味で例外的なできばえだった。
見る人全員に『とにかく真剣に生きよう』と少しばかり思わせる一方で、なんだか日本の未来だとか自分の意味だとかをやたら見つめ直してしまう、そんな映画だった。ちなみに怪獣映画である。
具体的にどんな映画だったのかは、流石に話がそれすぎるので伏せることにしておこう。
とかく、人は映画を見た後は感想を述べたがる。
アメリカンスタイルの、感想をその場で叫びながら見るのは日本ではマナー違反とされ、別に発声上映会なるものが生まれるほどで、つまるところ映画の感想は見終わってから述べるものなのだ。
二人はパンフレットを買って、少し離れたカフェへと向かった。
ちなみに職業体験を行なっているカフェとはまた別の、アニメやゲームとのコラボレーションを盛んにやるタイプのカフェである。
「映画、ちょうおもしろかったです」
語彙力の死んだ感想を言いながら、神妙な面持ちで水を飲み干す美咲紀。
「でもなんだか、主人公の人物像に既視感があるのです。具体的には目の前に……」
「俺が政治家タイプに見える？ かもな。やるなら裏から操作する役割につきたい」
「間違えました。主人公の先輩に」
「はは」
冗談めかして笑う修。
やがて、二人の注文したメニューがやってきた。
主に女子に人気の高いブラウザゲームとコラボしたメニューらしいが、知らない人から見ると普通に野菜多めの生春巻きである。
「雅……」
手を合わせてなんだか尊そうな顔をする美咲紀。修は苦笑して、もう一つのメニューを見た。
キャラクターをプリントしたコースターやクリアファイルなんかがついてくるので、コラボ感はかなり強いが、食べてみるとなかなか美味しい。子供だましならぬオタク欺しの商売が蔓延った一方で、よいものは残るのだなあと思ったり、思わなかったり。
美味しくて尊いということで、美咲紀は既に夢心地だ。
「美咲紀……このゲーム、そんなに好きなのか？」
前から知ってはいるが、改めて聞いてみる。
「日本酒が飲めない歳なのが悔やまれるほどに」
「それほどまでにか」
「それほどまでにです」
「ちなみに、推しは？」
「うーん、色々ありますけど……実戦も機能美も捨てがたいといいますか。あ、護り刀は私も持ってるんです。家伝の」
「まあ、旧家だというし、な……」
キャンペーン中ということもあってカフェは随分混み合っていた。ゆっくりするには悪い人いりだ。二人は食事を済ませたら（ちょっとした休憩を挟んで）すぐに席を立った。
「次はどこに行く」
「本屋さんですかね。シュー君、欲しい本とか？」
「そうだね、いくつか……美咲紀は？」
あれやこれやと頭を巡らせて、ふと振り向くと美咲紀がいない。
周囲をきょろきょろと探してみると、美咲紀は雑貨屋に吸い込まれていた。
目をキラキラさせて棚を凝視している。
何事かと近寄ってみれば、木目金のペンダントが飾られている。
解説すると、木目金（もくめがね）は金属加工技術の一つで、色金を何層にも溶接したものを彫り込み、木目のような模様を生み出すものだ。江戸中期の技術で、主に刀の鍔などに用いられたことから、海外の富豪が好んで買ったともされる。
「日本の職人芸か。現代風に寄せているとはいえ、やはりいいな」
「ほ、ほひい……」
「美咲紀……」
女子高生が欲しがる品じゃ無い。というか価格じゃない。
が、刀の紋を入れたものがえらく気になるらしく、美咲紀は財布を開いて神妙な顔で展示品を手に取っていた。
少し前の歴女ブームに乗っかって色々な商品が生まれ、一部の雑貨店でももてはやされたものだが、その中でも例のブラウザゲームのもたらした効果は大きいとされている。世の刀匠や博物館は軽くバブルっているとかいないとか。
「蜀台切さんで！」
何か自分の中で踏ん切りをつけたらしい美咲紀は大金をはたく決心をした。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年10月27日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年11月03日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年11月03日 11時00分
