嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！｜リアクション

嫉妬再暴走！　REDCのＶＤはまだ終わっていない！

●女医の怒り爆発

　寝子島総合病院の勤務医として超多忙な深倉理紗子は、非番で珍しく休みが取れたので外出することに。
　朝６時出勤、深夜０時退勤という激務な彼女にとっては、今日は貴重な休日である。
「久しぶりにウィンドウショッピングでもしようかしら」
　そう思い立ち、着替えてシーサイドタウンへ。

　シーサイドタウン駅に着いた時、寝子高教師の樋口弥生先生が、恋人と楽しそうに話しながら歩いているのを見た。
（わたしもいつかは、ああいうふうに恋人と……）
　羨ましそうに２人の姿が見えなくなるまで見ていた。
　その後をつけるように覆面姿の集団を見たような気がしたが、関わらないほうが良いと判断したので無視。

　キャットロードにあるブティックのショーウィンドウに飾られている様々な衣装を見る。
　いつかは飾られている素敵なワンピースを着て、素敵な男の人と……と想像する理紗子。
　ストレートな綺麗な黒髪、スタイルが良い美人な彼女だが、内科医としての仕事がハードなため異性と出会う機会があまりない。
　次の店に行こうとした時、背後から殺気のようなものを感じた。
　そこで遭遇したのは、シーサイドタウン駅付近で見かけた覆面集団のひとりだった。

「リア充爆発しろ！」

　リア充＝スレイヤー（日野舞斗）の魂揺さぶる雄叫びと同時に、背後から爆発音が。
　爆発音はスマホで再生したものなので、実際には爆発はしていない。
「な、何！？」
　あまりにもあまりな光景に、今年で名実ともにアラサーでビビりな理紗子は完全に心が折れる寸前に。
　オロオロしながらどうしようと思っていたら、リア充＝スレイヤーがビシっと指さし「リア充爆発しろ！」と爆発しようとする。
「ちょ、ちょっと待って！　わたしはリア充なんかじゃないわ！」
「男とデートするための服を選んでいたのだろう？　それが動かぬリア充の証拠ではないか！」
　その程度のことでリア充に確定されるのは、あまりにも理不尽だと理紗子は頭にきた。

　幼稚園から高校まで女子校育ち。
　大学は、医学部で実習やら医師国家試験の受験勉強やらで忙しかった。
　医師になってからは朝から晩まで働き詰めで、病院で寝泊まりすることもしょっちゅう。
　そんなハードな状態では、クタクタで恋に恋する暇などない。
　これまで深い関わりがあった異性といえば、教師や大学の講師や教授、医師や患者といった面々。
　それ以外は、寝子島で起きた出来事で知り合った程度だ。
（そのおかげで現年齢＝彼氏いない歴よ。まだキスさえしてないし！）
　理紗子が無視していると思ったリア充＝スレイヤーは、問答無用で爆発しようとした。

「リア充爆発……」

　爆発しろ！　と言い終える前に、理紗子の怒りが爆発した。
「黙って聞いてりゃ調子に乗りやがって！　そんなにリア充になりたいならこんなみっともないことするな！」
　突然の台詞にビクッとなるＲＥＤＣ。
「カレシがいなくて悪い？　わたしだって、好きでひとりでいるわけじゃないわよ！　出会うきっかけがないだけよ！」
　息つく暇なく、更に怒りをぶちまける。
「あなた、恋人がいないからこんなことしているんでしょう？　虚しくない？」
　図星なのか、一歩後ずさるリア充＝スレイヤー。
「わたしは医者の仕事が忙しいから異性と接する機会がないだけなの！　近くにいる男の人は医師や患者さんといった人達よ！」
　それ以外の異性との接触はおろか、会話すらない。お付き合いしたいが、激務でクタクタな状態ではままならない。
「そんなわたしの状態、あなたには到底わからないでしょう！」
　完全にキレてしまった理紗子が愚痴をまくしたてるので、爆発する隙がまったくない。
「あ、あんたがリア充でないのはわかった！　勘違いしてすまんっ！」
　これ以上説教されてはかなわん、とリア充＝スレイヤーはダッシュでその場を去って行った。

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