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水没と忘却のヒュムノス
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●暗闇に射す光
――湿った匂いに薄暗い空間。現実感の無い夢のような世界だと言うのに、
獅子目 悠月
が対面した記憶は余りにも鮮烈だった。
「……ここ、どこだ? お前の……獅子目の知ってるとこか?」
一緒にやって来た
来島 アカリ
は、見覚えのない風景に訝しそうに首を巡らせているが――おい、答えろってと彼の叫ぶ声は、悠月には酷く遠いものだった。
(覚えがある……ここは実家、か?)
そう認識すると、潜在的な恐怖が徐々に湧き上がってきて、アカリへの返答もおざなりになって。反応の無い悠月の様子に溜息を吐いたアカリが、ふと視線を向けた先――其処には、身体を丸めて震える子供の姿があった。
「誰だ、お前。こんなとこで何してんだ」
『――っ』
大袈裟なほどにびくりと身を竦めた子供は、慌てて袖で顔を隠す。しかし、その頬を濡らす涙の跡に、アカリはとっくに気付いていた。
「それに……何で泣いてんだよ。……隠してもバレバレだっつーの」
『これは、その……父様が……』
え、とアカリが顔を上げた子供を認めると、その相貌に不思議と見覚えがあることに気付く。
「……あれ、その顔。お前、もしかして獅子……」
(アレは俺だ、そうか……ここは過去か)
――そう思った瞬間、悠月はふたりの間に割って入っていた。それは独りで暗闇に怯えていた頃、良家の長男として厳しい教育を受けていた記憶。鞭打たれた後にこうして、自分は仕置きとして蔵に閉じ込められていたのだ。
(でも……もし今、この過去の影を掃えたら何か変わるだろうか)
そうして、覚悟を決めた悠月は深呼吸をして顔を上げ、傍らのアカリに真摯なまなざしを向ける。
「来島、今から歌うから聞け」
「え、急になんだよ、獅子目」
「いいから、……頼む」
――その気迫に押されたアカリは「わかった」と頷き、黙って悠月を見守ることにした。彼は膝をついて子供の自分の手を取り、一緒に歌えと誘っているようだが――先程受けた折檻を思い出しているのか、小さな悠月は躊躇いを隠せずにいる。
(……きっとここは、獅子目の過去なんだろう)
アカリは彼の過去を何も知らない。けれど、自分には解らないような事情があることは解る。両親に愛され恵まれた家庭で育ち、自分の好きなことを自分の意思で学び、好きなことを自由にさせて貰っている――そんなアカリとは違う生き方を、悠月は強いられてきたのだろう。
(でも、俺には気の利いたことなんて言えないし、獅子目相手じゃ尚更)
と、やがて悠月が、先導するように高く澄んだ声を響かせた。――それはよく知っている筈の、一番最初に聞いた聖歌。淡い月明かりの下で、ふたりの悠月の声が重なり――その歌声はただひとりの観客に捧げられる。
(独りじゃない)
聞いてくれる相手がいる幸福に、何時しか悠月の貌からは恐怖のいろが消えていた。ふんわりともう一人の悠月も愛らしい歌声を響かせて、暗く湿った想い出に光が射していく。
(ああ、もう暗闇は怖くない)
――あぁ、やっぱり獅子目の歌は綺麗だとアカリは思った。けれど素直になれないから、絶対言ってなんかやらないけど。
(お前のことはちっとも好きじゃねーけど……お前の歌だけは好きだよ、俺)
やがて光に包まれながら過去の光景は消え去り、気が付けばアカリと悠月は、静寂に包まれた聖堂に立ち尽くしていた。
「忘れろ。いや……あの歌だけ、覚えていればいい」
アカリの視線から逃れるように、顔を背けながら悠月は呟いて。それ以外は些細なことだと吐き捨てる。
「……あぁ、忘れてやるよ」
売り言葉に買い言葉、と言った感じでついアカリも返してしまったが、そうは言っても忘れることなど出来ないだろう。
(何があっても歌い続けられるから、あいつは強いのかな。だから、あいつの歌はあんなに綺麗なのかな)
――俺には、あいつのために何が出来るんだろう。アカリの抱いた想いは、泡となって静かに天へと昇っていった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
柚烏
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
2人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月20日
参加申し込みの期限
2016年10月27日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月27日 11時00分
参加キャラクター一覧
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