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【4周年記念】異世界ばっひゅーん
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ゴシック様式の邸宅、通称
碧十字の館
の一室に
セルゲイ・ボスコフ
がいた。
薄いトレーニングシャツに短パン姿。鍛え上げた肉体からは薄っすらと湯気が立ち昇る。
――神に挑むには日頃の鍛錬が欠かせない。
切れのある動きで拳や蹴りを繰り出す。瞬時に静止。一気に息を吐き出して構えを解いた。椅子の背凭れに掛けていたタオルで顔の汗を拭った。
「それに」
ソファーに乗せていた着ぐるみの元にいく。眼鏡の奥、金色の目に無慈悲な冷気が宿る。セルゲイは躊躇うことなく着替えた。
姿見の鏡に向かう。緑色の目をした巨大な猫の着ぐるみが映し出された。右手には黄色いプラカードを持っていて『寝子島へようこそ!』と書かれていた。
「どこから見てもテオですね」
愛嬌のあるポーズを取って満足そうに頷いた。
「おや?」
部屋は空に変わった。緩やかに下降する。
――神が私に仕掛けてきたのか?
着ぐるみの状態で周囲に目をやる。すぐ近くに制服姿の女子がいた。両手と両足を広げて、うきゃぽー、と笑顔で叫んでいる。頭頂から飛び出た毛が生き物のように忙しない、
野々 ののこ
であった。
――自らきたか。この好機、逃しはしない。神性の神秘を探り出し、いつの日か神を斃してみせる。
「テオダヨー」
水泳の要領で手足を動かして近づいていく。ののこの艶やかな黒い瞳がこちらを向いた。
「おっきな猫ちゃん!」
目を丸くして自ら飛び込んできた。抱き付かれたセルゲイはもがくような姿で落ちていく。
――不意打ちとは。ここまで接近されると調べるのが難しい。どうにかして引き剥がさないと。やはり信頼の厚いテオになり切るのが得策か。
「テオダヨー」
「テオ?」
ののこは不機嫌な顔を向けてきた。急激な変化に返答に窮する。
「テオは、なんとなくだけどうるさい」
「そ、そちらのテオじゃなくて、別のテオダヨー」
「別のテオならいいよ!」
笑顔で抱き付かれた。ののこは頬を押し付けて、ふかふかー、と子供のような声を出した。
――無邪気に見えて付け入る隙がない。
「本当にふかふかー。ギュッてしたら埋まっちゃうかも」
「ソレはないヨー」
「じゃあ、試してみるもんねー」
墓穴を掘った形で抱き締められ、完全に動きを封じられてしまった。
「……ニャウーン」
情けない声で共に緩やかに落ちていった。
桜花寮の部屋に淡い光が射し込む。
その中、
夢宮 瑠奈
が小気味よく踊っていた。手には架空のマイクを持ち、陽光をスポットライトのように浴びて笑顔を見せる。
――振り付けはこんな感じでいいかなぁ。
一部の動きが気になるのか。柔らかい色合いのスカートを翻してステップを刻む。最後は一つ結びの髪を弾ませて跳んだ。
一瞬で青色に包まれた。茶色い瞳を丸くして辺りを見回す。
綿菓子のような白い雲が浮かんでいる。青い空が全てを包んで果てが見えない。
「わぁー、なんか素敵だねぇ」
心地良い風を受けてゆっくりと落ちていく。目を細めて身体に回転を加えた。スカートが滑らかに波打ち、泳ぐように降下した。
――こんな広い空でコンサートができたらいいなぁ。あの大きな雲はステージに使えそう。
棚引く雲に目を輝かせて気ままに落ちていく。
「……あれは何かなぁ?」
遙か下の方に灰色の塊が見える。両手で宙を掻いて速度を上げた。自然に足も動く。
灰色の物体は猫の着ぐるみであった。胸の中に抱かれているのはののこで、柔らかそうな腹部に片方の頬を押し付けて笑っていた。
ぷっくりと瑠奈の頬が膨らんだ。
――ののちゃんばっかり、なんかずるい。
胸中の不満が溢れて声になった。
「あたしも抱き心地を確かめたいんだから!」
更に速度を上げた。
肌の露出度の高いインナーに黒い外套を羽織る。活動的な黒いパンツに同色の靴を選び出す。
「少し出掛けてくるわ」
アグラーヤ・ストゥーリナ
は通路の奥に一声掛けてドアを開けた。外の明るさに瞬間的に顔を背ける。その先に黄色い傘を見つけた。
「日傘はこれでいいか」
傘を手にして邸宅の外に飛び出した。
見えていた光景が吹き飛ばされ、空と雲が視界に広がる。
アグラーヤは空の只中にいた。ささやかな重力に従って下降していく。
「世界には苦しいことや悲しいことがいっぱいあるけど、この世界を見ると、どうでもいいことに思えるよ」
自然に笑みが浮かぶ。緩やかな風の中で深呼吸をした。
「アニメに出てくる異世界みたい」
口にした途端、笑みが深くなる。両腕を十字になるように広げた。外套の裾がはためく。
「漆黒の鴉になって、自由に空を飛べるかもしれない」
それとなく羽ばたく。不規則な揺れに苦戦しながらも次第に身体が安定してきた。
「今の僕なら、この空を自由に飛べるはず!」
両翼に等しい腕で緩やかに落ちながらも飛翔した。長い髪を風に遊ばせて先を目指す。
視界が捉えた。大きな猫の着ぐるみ。腹部にはののこが抱き付いていた。左手方向からは瑠奈が接近を試みる。
「僕も仲間に入れてよ!」
叫んで三人の元に飛んでゆく。そして興奮した口調で続けた。
「イカれた世界へようこそ!」
名も知らない空で四人は奇跡的な出会いを果たした。
満足した表情でアグラーヤは一同を見回す。
「こんなところで会えたんだし、自己紹介くらいはしてもいいよね。僕はアグラーヤ ストゥーリナ。ピチピチの二十八才、よろしくね」
着ぐるみに抱き付いていたののこが、はーい、と手を挙げた。
「私はね、ののこ! 野々ののこ、猫が大好き! このおっきな猫ちゃんはテオなんだよ!」
「ボ、ボクはテオダヨー」
片言のセルゲイに瑠奈が弱々しい笑みで、テオかなぁ? と言って首を傾げる。
アグラーヤは着ぐるみの目を覗き込むような格好で顔を近づけた。
「なんか、発音がロシアっぽいね」
「ソウ、なのかなー。ボクにはよくわからないヨー」
更に顔を近づける。
「僕はロシア出身だから。発音の微妙な特徴が、それっぽく聞こえるけど、まあ、関係ないよね。最後は君だね」
「あたしは夢宮瑠奈。歌が大好きで楽器も少し出来て、アニメが好きかなぁ」
「僕もアニメは大好きだよ。趣味が合うね。好きな言葉は『孤立の複合体』だよ」
「あ、それ聞いたことがあるかも」
二人はアニメの話で盛り上がる。そこに叫び声と笑い声が割って入った。
「ぎゃああぁぁ、もうやめてぇぇ! 本当に死んじゃうぅぅぅ!」
「わっははははー。楽しいー!」
鈴原 天音
は雲を蹴って加速を続ける。手を握られた
滝原 レオン
は恐怖に染められた顔で引っ張り回されていた。
流れ星のような速さで四人の側を通り過ぎる。
その時、何かを突き破るような音が響いた。セルゲイは慌てて片方の手を隠す。
ののこが真っ先に気付いた。
「猫ちゃん、凄い音がしたよ」
「ナ、ナンデモないヨー」
「手がどうかしたの?」
プラカードで覆った手を目敏く見つける。アグラーヤと瑠奈も関心を寄せた。
「もしかして手の部分が破けたとか?」
「そうなら大変だねぇ」
「気にするヨウナ、ことではナイヨー。ホント、なんダヨー」
セルゲイは手を隠しながら、それとなく状態を確認する。着ぐるみの丸まった指先から鋭い爪が飛び出していた。
――他人の恐怖を無意識に嗅ぎ取ってろっこんが発動したのか。一部が熊の手になっている。私としたことが、油断した。
詰め寄ってくる三人にセルゲイは早口で言った。
「空を楽しむんダヨー。こんな世界、ソウソウ、体験できないと思うヨー」
「それは、そうだな」
アグラーヤが真っ先に理解を示す。瑠奈とののこも笑顔で、そうだね、と口にした。
四人は気ままに、のんびりと、果ての無い空を落ちていく。
「今日は平和な落下の日だねぇ」
瑠奈の言葉に各々が納得したように頷いた。
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担当ゲームマスター
黒羽カラス
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
NPC交流
定員
136人
参加キャラクター数
62人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年10月07日
参加申し込みの期限
2016年10月14日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年10月14日 11時00分
参加キャラクター一覧
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