スノーマンズ・ウォー｜リアクション

スノーマンズ・ウォー

●雪遊びのその後は
「ぷえー。くったびれたー」
　戦いを終えた瀬莉は、雪の上へ大の字に寝転がった。
　そばへかがみこむ美咲紀。
「お疲れ様。お汁粉が準備してあるらしい。一緒にどうだ」
　修はちっちゃい雪だるまを作って遊んでいた。
「雪だるま……」
　一方の清一郎は虚空を見上げてどこか悲しげな顔をしていた。
「どうした」
「あの雪だるまがおったら、女の子に人気でるんやないやろかって……ハッ、そういえばさっき一緒に戦ってた女の子どこ！？　どこいったん！？　お汁粉さそわな！」
「彼女ならもういないぞ。温泉に行くとか」
　スッと現われる亮。清一郎はその場に崩れ落ちた。

　一方で、まもるはぐいっと背伸びをしてから身体についた雪をはたき落とした。
「死ぬかと思った。身体の芯まで冷えちまった」
「頑丈やなーくもの兄ちゃん」
　背中やお尻の雪をぱたぱた落としてあげるちか。
　そんな二人を見て、豪は深く頷いた。
「俺も身体が冷えた。どこかで暖まりたいが……」
　キラリと目と前歯を光らせるまもる。
「暖まるなら、ラーメンなんてどうだい？」
「ええな！」
「よし……じゃあ、奢ってやる」
　さっき思いっきり投げたしな、という言葉を飲み込んで、豪はきびすを返した。

　雪山に立つ紫。
　ちょっとした散歩のつもりが、ずいぶんな道草になってしまったものである。
「今日は、ゆっくり身体を温めたいわね」
　身体の中に残った、ふんわりとした高揚感をそのままに、紫は温泉を目指して歩き出した。

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