雪やこんこん。
降ってはつもり。
庭は白く木は高く。
手袋のひらを空へかざせば……。
雪だるまが降ってきた
ズドンと音を立てて雪積もる九夜山へ着地する雪だるま。
大小のボールを重ね、木の枝と手袋で腕を作ったオーソドックスタイプである。
目と口だけを黒い墨のようななにかで描かれた顔を上げ、唐突に叫びだした。
「雪合戦タアアアアアアアアアアアアイム!」
偶然その場に居合わせた
龍目 豪は、次々と降ってきては雪合戦コールの大合唱を始める雪だるま軍団に混乱していた。
だって雪だるまだし。
なんか取り囲まれてるし。
「雪が降ってくるならともかく雪だるまのまま降ってくるんじゃボバフッ!?」
顔面に炸裂する雪ボール。
豪はもんどりうって倒れると、手近な雪を握りしめた。
「人が喋ってる時に投げつけてくるな! こうなったら……!」
雪で大きなボールを作り、振りかぶって全力投球。
「へぶし!?」
豪の雪スローを食らった雪だるまは変な断末魔を上げて砕け散った。
「お? この雪だるま……勢いよく雪を叩き付けると崩壊するのか?」
「ホントに!? 石投げても全然弾くんだけど!?」
樹幹の裏から顔をひょこっと覗かせて叫ぶ
鎌八 まもる。
なんかその辺の石を拾っては投げ拾っては投げを繰り返しているが、雪だるまはまるで痛くないとでも言うように平然としていた。石も雪の表面に弾かれて落ちるだけだ。
「……いたのか、鎌八」
「たまたまね。で、ツンツンの兄さん。この現象をまとめると……」
「ああ」
雪を握って構える豪とまもる。
どうやらこの雪だるまたちは、『雪玉を勢いよく叩き付ける』ことでしか壊せないらしい。
雪合戦ターイム!
ごきげんよう、青空綿飴です。
雪のふる九夜山に、なんでか知らないけど急に雪だるまが降ってきました。神魂のせいだと思います。でなきゃこまる。
雪だるまはびょんびょんジャンプ移動で山を下りて人の居る場所へ向かおうとしています。
こんなのが町中をぴょんぴょんしてたら大変なことなので、この場でガッとやりましょう。ガッと。
ということであなたは偶然その場に居合わせたり、『雪だるま降ってくる事件』の噂を聞きつけて堂々参戦したりという具合でこの事件に加わります。
雪だるまは皆が想像するオーソドックスタイプ。
移動方法は全身でぴょんぴょんするカワイイやつです。
雪玉を作っては思い切り投げつけてきます。そんなに痛くは無いのですが、顔にくらうとなんか苦しいですし、服に入ってそのままにすると風邪をひいてしまうでしょう。さむくて。
●雪合戦の楽しみ方
雪だるまは沢山降ってきますが、これに雪玉を勢いよく叩き付けることで崩壊させることができます。
皆こぞって雪を握ってはなげーの握ってはなげーのを繰り返してもいいですが、役割を分担してこなすと素早く沢山の雪だるまを倒せるようになるでしょう。
分担内容としましては……
雪玉を作る:投げやすい形で丈夫な雪玉をできるだけ早く沢山つくりましょう。おにぎりスタイルを基準によりたかみを目指しましょう!
防壁を作る:丈夫で高い防壁を作りましょう。場所が山中なのでその辺に板とか落ちていません。雪を積み上げて固めるか、その辺の木々を利用するか、いっそ自分が盾になるかです。
雪玉を投げる:より正確に、早く、なんなら沢山叩き付けることができれば雪だるまを素早く倒せるでしょう。
といった具合です。
ぴったりの能力や工夫があると、ずっと活躍出来るはずです。