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【バレンタイン】フェアリィテイルとチョコレート!
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その日の朝から、
月ヶ瀬 朔夜
はとにかく落ち着きというものがなかった。 桜花寮の1人部屋で目を覚ました瞬間から、ずっとそわそわしていた。授業中も、休み時間も、帰る時も、そしてキャットロードへと向かう今も、である。
授業が終わり、ダッシュで帰ってきた朔夜は今までで一番早いのではないかという勢いでお昼と着替えを済ませ、忘れ物がないか前日の夜から入念にチェックした鞄を掴むと鞄の中身を気にしながら少し早めの歩調で目的地へと向かっていた。
もし、何故そんなに落ち着きがないのかと誰かから聞かれれば彼女はこう答えるだろう。
「私が落ち着かないように見える? 気のせいですよ」
気のせいどころではないのだが、務めて平静を装っているつもりなのだろう。キャットロードへ急いでやってきたのも、この後のデートの為。いつもより待ち合わせの時間を遅くしてまでやってきた理由は――。
「ここですね」
立ち止まったのは小さな雑貨店、お店の前のボードには『赤ずきんとラッピング! 本日まで』と書かれている。そう、今日という日の為にお菓子作りの修行をしていた朔夜は、デートの相手である
如月 庚
に贈る為の手作りガナッシュチョコケーキをラッピングする為にこの店にやってきたのだ! ババーンと言う効果音が後ろで聞こえた気がしたのは気のせいとして、朔夜は軽く深呼吸して扉を開いたのだった。
一方その頃、朔夜のデート相手……つまりは彼氏であるところの庚は学校から猫鳴館へ帰ってきてから昼を済ませ出掛ける準備をしていたのだが、予定していた出発時刻よりも早く準備が終わってしまい、それならもう出掛けてしまえとシーサイドタウンへと向かっていた。
「かなり早く出過ぎたせいか時間が余ってるな……しょーがねぇ、少し時間潰すとすっか」
それだけ久しぶりに2人でゆっくり出掛ける事を庚自身も楽しみにしていたと言う事なのだが、気が付いているのかいないのか――。
雑貨店に入った朔夜は赤ずきんの姿の店員と共に、ラッピング用品を選んでいた。
「チョコレートケーキのラッピングなのですが」
「はい! それでしたらこの辺りのラッピング用品がオススメですよ。ケーキはこちらですね、それならボックスの高さはこのくらいで大丈夫だと思うので……」
お姉さんが説明してくれる言葉は、朔夜からすればもう魔法の言葉か異国語か、というレベルだったのだが彼女も必死である。なんとか理解し、わからない物はどういった物なのか質問しながらラッピング用品を選んでいた。お姉さんの協力もあり、朔夜が選んだラッピング用品を籠へと入れてレジに向かう。
「つ、疲れた……」
疲れるのはまだまだこれからなのだが、今の朔夜には知る由もなかったのであった。
「しかし世の中バレンタインで浮かれてる……っつーのも失礼な話か……随分と盛り上がってるな」
寝子島高校からキャットロードに向かって歩いていた庚は、これでもかとデコレーションされたショップのウインドウや街並みを眺めて呟いた。特にどこに行こうと決めた訳ではないが、足は自然とキャットロードに向いていてバレンタインの盛り上がりに気圧されつつ真っ直ぐに歩く。
「どこもかしこもチョコレートだのなんだので、雑貨屋すらも……って……」
ふと目を向けた雑貨屋の窓際に、見慣れた後頭部を見つけて庚が歩みを止めた。
「あそこにいるのって月ヶ瀬……だよな」
自分が朔夜の後姿を見間違える事はないとは思いながらも、何故雑貨屋に彼女がいるのかがわからず庚は気付かれないようにそっと雑貨屋を窺い見る。すると目に入ったのは『赤ずきんとラッピング』という文字だった。
「ラッピング……してんのか?」
何を? と脳裏にクエスチョンマークが過ぎったが、今日ラッピングする物なんて1つしか思い浮かばなくて、庚は即座に見なかったふりをする事に決めた。それが男としての心意気ってもんだと思いながら。
「ジジイも言っていた……男には見て見ぬふりをする勇気も必要だ、と」
うっかり朔夜が振り返る前に、庚は踵を返してmiaoへ向かう事にした。もちろん、そこもチョコレート一色なのは言うまでもない。
「はい、そこでこの部分をこう折って……」
当初の予定と違う、そう思いながらも朔夜は赤ずきんのお姉さんの優しく、そして時に厳しい指導を受けながらラッピングに励んでいた。朔夜の予定では、店員さんにラッピングを全てお任せしようと思っていたのだ。何故なら自他共に認める不器用だったからである。最初はもちろん自分でラッピングを試みたのだが、早い時点で諦めてどうしようかと悩んでいたところ偶然この雑貨屋を知って、お願いしようと決めたのだが――。
するとなんということでしょう、優しい赤ずきんのお姉さんはそれなら手取り足取り教えるので自分でやってみましょうと微笑んだのです! マジかよ、という言葉が脳裏に浮かんだけれど、ここまで手作りしたのだから最後まで自分でやってみるのも悪くないと挑戦してみる心境になって今に至る、と。
まず手作りの小さめガナッシュチョコケーキをレースペーパーを敷いたトレイに入れ、それを透明な袋で包む。口をカールリボンで結んで一息。そこから高さが丁度いい箱に入れて包装紙で包む、もちろん中身がケーキと言うこともあって裏返したりはできない為、スクエア包みという方法を教えてもらっていた。そして最後にリボンを斜めに掛けて――。
「はい、綺麗にできましたね~!」
「あ、ありがとうございます……!」
やっと出来たという思いと、不器用なりに頑張って包装できたという思いで朔夜は嬉しくなって頬に笑みを浮かべる。
「こんな素敵なバレンタインのチョコレートケーキを貰える方は幸せですね~!」
お姉さんもにっこりと微笑んでそう言えば、これをこれから渡さなくてはいけないのだと朔夜の顔から湯気が出た。
お礼を言って店を出る頃には待ち合わせの時間までもうすぐで、朔夜は早歩きをしながらシーサイドタウン駅へと向かった。
「来たか、月ヶ瀬」
「待たせた?」
「いや、俺がちょっと早く来すぎただけだ。行こうぜ」
いつも通りに並んで歩く、けれどいつもとは少し違うのはバレンタインとそれに浮かれた街のせいだろうか。遠くに見える大観覧車はチョコレートが掛かったようなデコレーションで、どこを歩いてもバレンタインデーの文字が入ってくる。
「なんつーか、こうやってゆっくりするのも久しぶりだな」
「そうだね、ちょっと久しぶりかも」
だから緊張してるのかもしれないと思いながら、朔夜は鞄の中の綺麗にラッピングされたそれをどう渡そうかと、そればかり考えてしまう。いやいや、この日の為に頑張って作ったケーキだ。ちょっと不恰好かもしれないけれど美味しくできたし、何よりもやっぱり食べて欲しいし……! ぐるぐると胸の内で呟く。
一方、庚も物凄く落ち着きのない朔夜を見て、これは迷っているという事なのだろうかと考える。ちらりと見える赤い包装紙を、それはと自分から言うのも憚られた。
何より、朔夜が自分から踏み出そうとしている勇気を無碍にするなんて庚には出来ないことだ。あれこれ考えているうちに大観覧車の前まで来てしまったし、庚も妙にそわそわしてしまってどうしたものかと考えたその時だった。
ほんの少しだけ開いてしまった距離を、朔夜がすっと詰めてきたのだ。そして、鞄から出して後ろ手に隠していたそれを庚に差し出して――。
「あのっ……はっぴーバレンタインデー!」
もっと色々考えていたはずのセリフは、何故かはっぴーバレンタインデーになっていたけれど、それでも。すっと伸びてきた手はちゃんと差し出した赤い箱を受け取ってくれたし、朔夜にしたら上々と言わざるを得ない。
「いや、なんつーかよ……こういう所謂本命ってヤツを渡されたのって初めてだから……その……有難うよ」
朔夜の勇気の塊を受け取って、庚もどこか照れながらまっすぐに朔夜の目を見てそう言った。
「……あう」
頭から湯気を出しながら、朔夜がこくこくと頷く。そんな彼女を見ていたら、庚の胸もなんだかドキドキしてきて受け取った箱を片手で持ち、もう片方の手で朔夜の手を掴んで歩き出す。
「ひゃ、あの」
「どっかで食おうぜ」
「う、うん!」
どこかで温かい飲み物でも買って、2人で。庚はドキドキしたまま、この気持ちはなんだろうと考えながらアウトレットへと向かう。
その感情が『愛しい』だとわかるのは、きっともうすぐ。
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担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
76人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月19日
参加申し込みの期限
2016年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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