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【バレンタイン】フェアリィテイルとチョコレート!
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タクシーを呼んで運転手に行き先を告げると、
日月 透
は後部座席のシートに身体を沈めた。折角のバレンタインだからと、恋人である
望月 神無
をディナーに誘ったのは数日前の話。どこか……シーサイドタウンや星ヶ丘で待ち合わせても良かったかもしれないけれど恋人はひと回り以上年齢の離れているお嬢さんだ、自分達は気にしなくても見る者が見れば気にするかもしれない。それならばいっそ、タクシーを使って、家の前まで迎えに行った方が早いと考えたのだ。
年齢ほど老けて見える訳ではないから、気にする事もないのだろうけれど……そっちの方がお忍びデートのようだと思ったのも事実だ。程なくして神無が身を寄せる姉夫婦が経営する洋食店の前へ着く。既に神無は外に出て待っていて、黒猫のような身のこなしで透の乗る後部座席の横へと滑り込んできた。
「こんばんは、日月せ……透さん」
「はい、こんばんは」
神無を黒猫のようだと思ったのは、着ているシックなドレスのせいだろうか。黒いドレスはバスト下に切り替えがありウエスト周りがすっきりと見えてスレンダーな神無によく似合っている。スカート部分はアシンメトリーになっていて、動くたびに優雅に揺れていた。
「わざわざタクシーなんて、密会みたいだな」
「でしょう? お天気も不安定みたいですから丁度いい。……ドレス、よく似合ってますよ」
「あー……これは、その。母さんから何故か送られてきたものだ」
おそらく姉が母に密告したのだろう、そうでなければ送ってはこないだろう。
「透さん、も。スーツ似合ってる」
あまり見る事のないスーツ姿はどこか新鮮で、惚れ直してしまいそうなほど。
遠くの景色を見る振りをして、ちらりと透の横顔を盗み見れば、気付いているという風に微笑まれて神無は少し悔しくなる。そう思っているうちに、車はイソラ・ガレッジャンテの近くへと到着していた。
「行きましょうか」
透がスマートにドライバーに支払いを済ませ、神無の手を取ってレストランヘト歩き出す。外は寒かったけれど、繋いだ手は温かくて神無はさっき悔しく思った気持ちがどこかへ飛んでいくようだと思った。
レストランで予約した名を告げれば、すぐに夜景が綺麗に見える個室へと通された。
「個室も美女と野獣のモチーフで飾られていますよ、Beauty&the Beastフェアと言うだけはありますね」
野獣を模した毛皮だったり、テーブルに飾られたガラスケースの中に入った1輪の赤い薔薇だったり……細かいディティールも凝っている。夜景を前にしてテーブルが設置され、2人並んで座るようになっている席へ腰を下ろした。既にディナーコースを予約してある為、あとは料理が来るのを待つばかりの2人はキラキラと煌くシーサイドタウンの夜景を眺めながら、取り留めの無い話を始める。
「しかし美女と野獣とは……まるで私達みたいですね」
「どういう意味っすか?」
自分は美女には程遠く、透も野獣には遠いように思えて神無は首を傾げる。そんな神無に透はふわりと笑ってみせた。
「見た目は置いても、野獣ですよ、私は。神無さんみたいに綺麗で若いムスメさんに恋して、そそのかしてこうして一緒の時間を手作って……親御さんにケダモノと言われても仕方がない」
その言葉の意味を聞いて、神無は思わず笑ってしまう。
「おかしいですか?」
「うちの父親も母親も、日月先生のことを獣だなんて言いませんよ。むしろ、俺が獣であるあなたに夢中なんですから、誰にも文句なんて言わせやしませんよ」
ふふ、と神無が不敵に笑う。ああ、もしかしたら美女が野獣なのだろうか? けれどこの身の奥に巣食う激情を見せてしまったら、君は逃げてしまいやしないだろうか……なんて考えてから、きっとそれでも彼女は逃げないのだろうと透は思う。
「折角のデートに辛気臭い話は止しましょうか。そういえば、美女と野獣のラスト、好きなんですよね」
「美女と野獣、アニメの奴でしか見たこと無いんっすよね」
「女性の『あなたは私の夫になるのです』ってセリフで男が救われるのが面白いな、と」
そう話していると、個室の扉がノックされる。返事をすれば、料理が運ばれてきた。スープ、前菜、魚料理、パスタ、メインの肉料理と運ばれてくる品は多彩で、食事をしながら神無は先程の話の続きをする事にした。
「女性から野獣に結婚を申し込むんですか」
「派生作品が色々あるから、そればかりではないけれどね」
暇があったら原作本でも読んでみようかと思いながら、神無は料理に口を付ける。どれもこれも、工夫を凝らしてシェフが腕を振るった物ばかりだ。
「ここの料理、美味しいっすね」
「そうだね、都内の有名なレストランにも引けを取らないって感じかな」
美味しそうに食べる神無を見て、連れてきてよかったと思いながら透も食事と夜景を楽しんだ。
「あ、薔薇が」
「どうしました?」
メインを食べ終えた頃に、神無がふっと呟く声に透が視線をやるとテーブルに飾られたガラスケースの中の薔薇がその花弁をはらりと落としていた。
「本当に野獣の薔薇みたいだ」
「それだと全部散る頃に私が倒れてしまうじゃないですか」
「はは、そうなったら俺が助けてあげるから大丈夫っすよ」
それはまるで遠まわしなプロポーズのようだと、透はそっと神無を見る。言った本人は気が付いているのかいないのか、気にした風ではない。なんとも罪作りな子ですね、とそっと溜息を吐くとデザートが運ばれてきて、目の前に置かれると透は神無へ囁くように耳打ちした。
「実は予約した時にコースのデザートを変更していただいたんです」
「へぇ、ここってデザートとか変更できるんですか」
知らなかった、と呟く神無の目の前にはアンティーク風のシックな宝石箱が置かれていて留め金の部分に薔薇の刻印がされている。
「開けてみて下さい」
「え、もしかしてこれがですか?」
まさかと思いながら神無が留め金を外して宝石箱を開けると、中には薔薇の花弁の砂糖漬けと何種類ものチョコレートが詰まっていた。
「すごい……綺麗だ」
「家でも楽しめるように持ち帰れるようにして貰いました。今夜の余韻、少しでも長く味わって欲しいので」
「ありがとう」
暫くの間、神無はその宝石箱を眺め中に入っている薔薇の砂糖漬けをひとつ口にする。それは甘くてかりっとした食感も楽しくて神無の頬が綻ぶ。透はといえば、そんな神無の様子を頬杖を突きながら彼にしては珍しく、少し意地の悪い微笑みを浮かべてこう言った。
「ところで神無さん。『俺』には、ないんですか?」
「……そういう言い方ずるいですよ」
いつもと違う透の一人称とその笑みに、神無は渡しそびれていた箱を鞄の中から取り出した。それは長方形型の箱で、とてもシンプルな神無らしい物。受け取った透は今度は嬉しそうに笑って、開けても? と問い掛ける。
「どうぞ、義兄に教えてもらいながら作ったんで、味は保証します」
箱を開ければ、中に入っていたのはオペラと呼ばれるケーキだ。年上の彼にぴったりだと思って、神無が義兄に手伝ってもらいながら作った物。手伝ってもらったとはいえ、義兄は作り方を細かに教えてくれたり道具を提供してくれたりで全ての工程は神無が行っている。
「ありがとう、とても嬉しいです。ここで少し食べても?」
「もちろん……ああ、それなら」
神無は悪戯を思い付いた子どもの様に笑うと、手元のフォークでオペラを1口分掬い取ると透に向かって言った。
「はい、透さん。あーん」
「……あーん」
その女性らしい仕草と悪戯っ子のような行動に面食らいながらも、すぐに優しげな笑みを浮かべて口を開けた。そして口の中で広がるビターチョコの味にコーヒーの風味、甘すぎない丁度いい味がとても美味しい。
「とても美味しいです、残りは家でゆっくり頂きます」
「よかった、気に入ってもらえるか少し心配だったから」
ほっとしたと言って微笑む神無をとても愛しく思いながら、ケーキの箱を元に戻す。神無も宝石箱を鞄に仕舞うと、そろそろ出ましょうかと席を立った。エスコートするように透が先に扉の前に立った瞬間、神無は透の袖を引く。
「どうしま……」
途中で言葉は頬に当たる唇の感触に驚いて途切れてしまう。ふふ、と神無が笑ったかと思うと、
「意地悪の仕返しですよ」
と、目を細めた。無自覚に煽られていると、透は彼女の手に熱の点った指先を絡める。
「私が大人になるまで我慢して下さいね?」
「……ええ、待ちますとも。貴女の為ならいくらでも」
けれど、これくらいはさせてもらいますよ? と神無の耳元で囁いて、透は絡めた指を強く握りキスを返した。
早く大人になって欲しいと思う反面、あと数年もしたら此方が翻弄されるのだろうと思いながら、透は神無と共に部屋を出るのだった。
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担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
76人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月19日
参加申し込みの期限
2016年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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