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【バレンタイン】フェアリィテイルとチョコレート!
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あの時
の返事をする為に、
ハクア・クロスフォード
は
リリー・コルヴィッツ
を誘って寝子島を訪れていた。リリーには養い子に会いに行こうと言えば、疑うことなく付いて来てくれた。本当は、リリーも珍しい事だと少しだけ思っていたのだけれど、養い子に会いに行くというのは不自然な事ではなかったし、寝子島には愛着もあったので断る理由は1つもなかった。
「ああ、冬の寝子島もやっぱりいいものね」
寒さはドイツのそれとは比べ物にならないくらい優しく、リリーはふっと顔を綻ばせる。バレンタインという事もあり、シーサイドタウンはドイツとは違う飾り付けであったりイルミネーションであったり、チョコレートが溢れていたりとリリーには物珍しく面白い。
「そうだな……リリー、マリンパラダイスへ寄って行かないか?」
「マリンパラダイスへ? 観光かしら、私は構わないわよ」
ハクアからの珍しい提案に、リリーは一瞬動きを止めたけれど観光だと思えばちょっとした違和感は消え去った。対して、ハクアも自分の行動は珍しいものだと自覚している為か、なるべく不自然にならないように言葉を選んだりと余念がない。
少しの緊張と共にリリーとの時間を楽しもうと、さり気ないエスコートをしながらハクアはリリーを連れてマリンパラダイスへと向かった。土曜の午後という事もあり、幅広い年齢層の人々が水族館を楽しんでいる。
「ハクア、人魚の現れる水槽があるんですって!」
リリーの見つけたポスターには人魚姫と魚達の夢の競演、と書かれている。よく見れば時間帯によってショーの内容が違うとあって、毎回盛況の様子。
「私達はどの人魚姫が見れるのかしら、楽しみね!」
ショーまではまだ時間があると、魚達が泳ぐ水槽へと足を向ける。色鮮やかな魚達が澄んだ水色……透明な青とでも言うのだろうか、その中を泳ぐ様子は大人であっても溜息が漏れる程に美しかった。
「とても素敵ね……! ドイツにも水族館はあるけれど、なんて言うのかしら? 日本の水族館は細やか? ええと」
「繊細、か?」
「そう、繊細! さすがハクアね」
朗らかな笑みを向けられ、そんな事はないとハクアが緩く首を振る。知識は大事だけれど、それを感じ取れる心を持つリリーの方がハクアからすればすごいと感じるのだから。魚達の水槽を抜け、イルカの泳ぐ水槽、ペンギンの泳ぐ水槽と順番に見ていくと、人魚姫のショーが行われるという特設水槽の前へと出た。
そこは海の中を再現したかのようなフロアで、水槽とフロアの境目が曖昧になっていて更に照明等の効果がそれを増大させている。
「ショーまでもう少しね。丁度いいわ、休憩がてら座って待ちましょう」
既にフロアの段になった部分に幾人かが座っていて、リリーは真似するように腰を下ろす。ハクアもそれに倣い、リリーの横へと腰掛けた。
「素敵ね、まるで海の中にいるみたい」
「ああ、少し不思議な気持ちだ」
控え目にはしゃぐリリーに相槌を打ちながら、ハクアも体験した事のない空間を見回す。それはとてもよく出来た造りで、通路からフロアに入る境目も違和感がないようになっていた。ショーが始まるまでの間、この空間の素晴らしさやまるで魚になったような気分だとか、そんな他愛もない事を語り合う。……ハクアは相槌を打つ事の方が多かったけれども。
「ショーが始まるわ」
すっかり人で埋まった空間に、プロジェクションマッピングの映像が混じる。空間の美しさを壊す事無く映し出される映像と、水槽の中に現れた人魚姫は幻想的であちらこちらから小さな声が上がった。リリー達の見たショーは人魚姫の童話を再現したもので、リリーもハクアも孤児院の子ども達に読み聞かせた人魚姫の話を思い出す。けれど知っている物語とはいえ、迫力のある映像と人魚姫の美しさに2人は物語へと引き込まれていった。
人魚姫が悲しく舞う姿を見ながら、リリーは人魚姫の実らぬ恋を自分が抱えている実りを諦めている恋のように思えて目を伏せる。返事は告白する前から諦めている、だからそれはいいのだと言い聞かせていたけれど――。あの人魚姫のように、きっとハクアの為ならば自分は泡になって消えてしまっても後悔しないのだろうと自覚してしまえば、自分の想いは秋に告白した頃よりもずっとずっと増してしまっている事に気がついて、リリーは誰にも気付かれない様に小さく笑った。その想いを隠す為かリリーは、
「素敵だけれど、悲しい話ね」
と、ハクアへ小声で言った。リリーの言葉に頷きながら、悲しい……悲恋の話だけれど、人魚姫には王子と幸せになったという終わり方もあった事を思い出す。何で読んだ物語だったかは思い出せなかったけれど、珍しい終わり方をしていると記憶に残ったのだ。
人魚姫のショーが終わり、フロアの照明が少しずつ戻る頃、ハクアはハッピーエンドで終わる人魚姫の物語もあるのだとリリーへ言った。それはまるで、自分の想いも叶う日が来るのかもしれないと言われた様な気がして、リリーは穏やかな笑みを浮かべてその話を聞いていた。
すっかり照明が元へと戻り、人が少なくなるとどちらからともなく立ち上がる。そろそろ養い子達の元へ行かなくては、とマリンパラダイスを出て2人はシーサイドタウンを歩き寝子ヶ浜へ向かっていた。
「電車やタクシーもいいけれど、歩いて向かうのも悪くないものね」
「歩くのは慣れているからな」
冬の海は天候も相まってどこか暗く、恐ろしげに見える。まるで人魚姫が魔女の住処を訪れた時のようだ。けれど、隣を歩く存在がいてくれる……それだけで何も怖くないようにも思えた。エノコロ岬が見えるくらいまで歩いた時、ふとハクアが立ち止まる。
「ハクア? どうかしたの?」
急に立ち止まったハクアに首を傾げるリリーに向き直り、ハクアがその目を見つめた。
「……ハクア?」
「リリー」
改まって名を呼ばれ、リリーはすっと姿勢を正す。ハクアが何か、大切な事を言おうとしているのだと思ったからだ。
「……あの時の返事が、遅くなってすまなかった。だいぶ待たせてしまって申し訳ない」
それだけで、リリーの鼓動はどくんと跳ねた。何の返事をしようとしているのか、わかってしまったから。とうとうこの瞬間が来てしまったのだとリリーは思う。それでもハクアの声で終わりを迎えられるなら受け入れられる……そう覚悟を決めて顔を上げた。
「お前の気持ち嬉しかった。お前とは学生時代からの長い付き合いになるがいつも怒られてばかりだったな」
「ふふ、そうね。1つしか違わないのに、私の方がお姉さんでしょう! なんて言ってね」
そうだったな、とハクアの頬が緩む。そしてすっと表情が真面目になるのをリリーは黙って見つめていた。
「お前の兄が亡くなってからは、あの子を育てるのはお前がいなかったら出来ない事だったと思う。そして今もいつも俺の傍にいてくれて有難う……そんなお前となら、共に本当の意味で家族になれると思った。リリー」
「……はい」
「俺はお前を愛している」
波の音が響く。リリーは今、自分がどんな顔をしているのだろうかと考える。それから、言葉の意味を。
「……今日はエイプリルフールじゃないわよ?」
我ながら、なんて間抜けな答えだったのだろうか。それでも、返事をもらえる事とその内容に驚いてしまって、そうとしか言えなかったのだ。
「知っているし、俺が嘘を言うタイプだと思うか?」
黙ったままだったリリーの瞳が揺れて、ハクアの胸へと飛び込んだ。
「お願い、もう一度言って……」
呆気に取られたような、迷子になってしまった子どものようなリリーの表情に、ハクアが笑う。
「俺と家族になろう、リリー」
信じてもらえないのならとポケットから小さな箱を取り出してその中身をリリーへと差し出した。
「受け取ってもらえるか?」
俺はまだ君の想いに間に合うだろうかと、ハクアがリリーを見つめる。
「本当に、私でいいのね?」
「あぁ、お前がいい」
確かめる様にハクアがリリーの左手の薬指へ指輪を嵌め、それを見つめるリリーの瞳から、まるで真珠のような涙が零れ落ちた。
「ごめんなさい、涙が止まらなくて……あんなに、人前で泣かないように……泣けなくなるようになっていたのに……」
これが悲しみの涙ではなく、喜びの涙だからなのだろうか。その涙が止まるまで、ハクアは優しくリリーを抱き締めていた。暫くして落ち着いたリリーが顔を上げて、ハクアへと微笑みこう言った。
「子ども達になんて言ったらいいのかしら……」
その笑顔は、ハクアが今までに見たリリーの笑顔の中でも一番美しいものだった。
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担当ゲームマスター
加持蜜子
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
NPC交流
定員
1000人
参加キャラクター数
76人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月19日
参加申し込みの期限
2016年09月26日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月26日 11時00分
参加キャラクター一覧
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