スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？｜リアクション

スノーマンとの戦い＆のんびりコタツムリ？

「島の異常な積雪も、やはり神魂現象か」
　グラウンドでの戦い――その最後の方を目にしたサキリ・デイジーカッターは、校舎の屋上で嘆息した。
「相変わらず、テオの指示は突然だから困るな」
　おかげで、状況の把握に時間がかかってしまった。
　サキリは散っていた雪だるまの逃走経路を頭の中で反芻しながら、どの個体を追うべきか考える。
　――いずれにしろ、移動した跡をそのまま追跡するのは危険かな。
　あれだけ動けるなら、待ち伏せも十分にあり得る。
「別ルートで追うとして……倒すなら、ちょっとした準備も必要かな」
　サキリはそう呟くと、校舎の中へと瞬間移動し、消えた。

　一方その頃、亮はすでに逃げた雪だるまの追跡に入っていた。
　グラウンドで襲撃され、校舎で様子を伺うこと十数秒。校門から出ていく雪だるまたちを見ると同時に、亮は学校の外へと向かった。
　今、バズーカとマシンガンを手にした雪だるまは、街路を我が物顔で進んでいる。亮はその後方をピタリとマークしていた。
　敵意があるなら、倒すまで。
　だが念のため、本当に敵意があるのか確かめる必要がある。
「おーい」
　のんびりと声をかける。振り返った二体に手を上げ、敵意が無いのを示す。
「――ダメか」
　すぐさま手近な木の後ろに隠れる。間をおかず、雪玉が盾にした木を打ち据えた。
　問答無用の攻撃だ。
　――連中を倒すしかなさそうだな。
　木から木の間、途中の障害物を利用し攻撃を誘う。その間に亮は、相手の攻撃パターンの観察に時間を費やした。
　――一番面倒で、倒しやすいのはバズーカだな。
　球はマシンガンに比べ大きいから、威力はある。代わりに一発の発射間隔は長い。スピードも雪玉が大きな分遅い方なので、走って近づき一気に倒せる。
　問題は、組んでいるマシンガンの方だ。
　威力はバズーカに比べ劣るが、連射間隔が短い。バズーカの隙を補うように撃ってきている。
　だが一撃が弱いなら、我慢すればいい。
　幸い、耐えられるものであることは、グラウンドで攻撃を受けた際に分かっている。
　とにかく、バズーカの弾を避けつつ、一体を倒す。
　そう決めて、亮は木の裏から飛び出した。

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