今日から自宅警備員になりました。｜リアクション

今日から自宅警備員になりました。

【サイドI：羽生碧南】

　碧南は七夜あおいのいなくなった３の部屋を通り、６の部屋へやってきた。
　何もない伽藍堂の部屋が二度も続いたが、先ほどの部屋に比べて今の部屋にはどうにも違和感を覚える。
　部屋の入口近くに立て札があった。

　※イロイロ埋めてあるよ～
　　　掘り返して宝探しをするもよし
　　　アタリを引けば……楽しい事になるかもねぇ※

　碧南はヘルメットを深く被る。木刀もしっかりと握り直し、つぶさに部屋中を観察していった。

「……これって」

　よく見てみると地面が不自然に盛り上がっている箇所や、色が違う箇所がある。
　そうと気が付いて、碧南はピンと来た。これは何かを埋めた痕跡だ、と。
　立て札にあるように、本当にイロイロ埋まっているのだろう。

（でも言葉の通り『宝』が埋まってるのかな？　それとも……）

　碧南はこれが罠である可能性を考慮して、迂闊には進まず観察を続ける。

（もしかすると罠かもしれないけれど……かといってボスを倒すためのヒントが埋められている可能性だってあるんだから無視するわけにも……）

　熟考の末、【自分が埋める側としたらどこに罠を仕掛け、どこに罠へ導くためのフェイクを仕掛けるか？】と想像を巡らせることにした。

（まず入り口近く……いきなり罠を仕掛けるかな？
　侵入者目線は、すごく勇気のいる第一歩。避けたくなるところ。
　まさかヒントが埋まっているとは考えないところ。
　って、考えるよね）

「……うん！」

　碧南は思い切って、入り口から一番近いところに埋まった何かを掘り起こすことにした。
　その結果――

【羽生碧南は地雷を掘り当てたが、掘り起こす際に失敗した。入り口に戻る】

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