「小森、体調はどうだ?」
1年9組の担任、
高野 有紀が扉に向かって声を掛ける。しかし、どれほど待てども返答はなかった。
「その……もし起き上がれるなら、先生と少し話さないか?」
言葉を選びながら高野が尋ねるが、やはり扉は沈黙を守っていた。
「……また来る。もし何か相談があれば、いつでも連絡してくれ。先生の携帯電話の番号、置いてくから。な?」
高野はそう言い残すと、がっくりと肩を落として帰っていった。
去り際にチラリと背後を振り返るが、わずかな期待は打ち砕かれた。
高野が去ってから、数分後。
けっして開かれなかった扉が、ギギと音を立ててひとりでに開いた。
しかしその向こうに広がっていたのは、普通の部屋ではなく、先の見えない暗闇だった――。
【サイド:I】
彼らは、気が付くと見覚えのない空間に放り出されていた。
そこは薄暗く、視認できるのはせいぜい5mがいいところだ。
前を見ても、ただ岩の洞窟が広がっているばかり。
ならばと振り返ってみると、そこは行き止まりでしかなかった。
空気の流れもなく、滞った湿気のわずかな冷気が不愉快に身体にまとわりついてくる。
ただいつまでも呆然としているわけにもいかず、彼らは一歩だけ、歩みを進めてみた。
その刹那。
愚かなる侵入者どもよ。今すぐ引き返せ。さもなくば――。
引き返せと言われても、どこにも出口らしきものはない。
それでも、もしかしたら……と行き止まりの壁を調べてみると、そこには小さく文字が彫ってあった。
もしこれを見つけた人がいたら、お願いします。
ぼくを助けてください。
ぼくはここから出る方法を知っています。
ですが魔王の部屋に囚われているので、ここから出ることができません。
魔王を倒してください。
そして、ぼくを外に出してください。
【サイド:D】
彼らもまた、気が付くと見覚えのない空間に放り出されていた。
ここは何処なのかと思って周囲を見渡しても、ただ岩肌の洞窟が広がっているばかりだった。
しばらくすると、どこからともなく声が聞こえてきた。
汝らに告ぐ。ここは我が孤高の砦なり。生きて帰りたくば、愚かなる侵入者を撃退せよ。
▼概要
気が付くと、あなたは出口のない岩肌の洞窟の中にいました。
ただし、聞こえてきた声は2種類あります。
※『サイドI』『サイドD』どちらのサイドで参加するのかは、ご自由に。
どちらか一方に希望が集中した場合は、NPCがフォローしますので、バランスなどの配慮は必要ありません。
▼サイド:I
あなたは気が付くとダンジョンの入り口に放り出されていました。
トラップだらけのダンジョンを攻略して、【ぼく】を助け出し、ダンジョンを脱出しましょう。
【ダンジョン攻略方法】
・ボスの部屋まで行って、ボスを倒せばクリア(下記の見取り図参照)
・攻略に失敗したら、入り口に飛ばされます。2回までリベンジ可能。
・1度の挑戦につき【2回だけ】、【警戒】することができます。
警戒すると、隠されたトラップや潜伏している敵を見つけることができます。(リベンジで回数リセット)
・アイテムを【3つまで】持ち込むことができます。
※トラップがない限り、照明についての心配は不要です。
・このダンジョン内で怪我をしても、入り口に戻ると元に戻ります。
▼サイド:D
ダンジョンにトラップを仕掛けたり、待ち伏せしたりして侵入者たちを退けましょう。
※致命傷を与えたり、気絶させたりすると侵入者は入り口に飛ばされます。
【侵入者撃退方法】
1.トラップ
・見取り図の【入り口】【ボスの部屋】【1~9の部屋】の【どこか1箇所】に、
【1人につき1種類】だけトラップを仕掛けることができます。
・不思議な空間の力なのかどんなトラップでも仕掛けられます。
(例:踏むと部屋に水が満ちる、触ると爆発する等)
※ただし、入った瞬間に入り口に飛ばされる等、対策のできないトラップはマスタリング対象です。
(例:◯:1の部屋に触れたら増殖する風船のトラップ。触れすぎると圧迫されて息ができなくなる。
×:部屋に入った瞬間に入り口へ飛ばすトラップ→トラップを踏んだ瞬間などに変更)
・複数の人物が同じ場所にトラップを仕掛けることも可能です。
2.待ち伏せor見回り
※待ち伏せ(α)か見回り(β)のどちらか片方だけお選びください。
2-α.待ち伏せ
・見取り図の【入り口】【ボスの部屋】【1~9の部屋】の【どこか1箇所】で待ち伏せすることができます。
・待ち伏せするときは【1度だけ潜伏】することができます。
潜伏すると、姿を見せるまでは侵入者に存在を気づかれません。
・アイテムを【2つまで】持ち込むことができます。
・複数の人物が同じ場所で待ち伏せすることも可能です。
(例:1の部屋にののことテオが待ち伏せ)
2-β.見回り・その他
・見取り図の【1・2・3の部屋】【4・5・6の部屋】【7・8・9の部屋】を見回ることができます。
・アイテムを【1つまで】持ち込むことができます。
・見回りをせずに、あなたを巻き込んだ人物と接触することもできます。
※【サイドD】を選択した場合は、参加確定後48時間以内にトラップについてヒントを書き込んでください。
(例:俺は【4】にトラップを仕掛けた。内容は……怖がる必要はないぜ。
かわいいかわいいよちよち歩きの赤ん坊がいるだけだ。ただちょっとご機嫌斜めで、ぐずってるから、
泣き止ませてくれるとありがたいな。おっと、可哀想だから無視なんてしないでくれよ?
もし無視したら……どうなってもしらないぜ。)
▼両サイド共通
【コメントページ】
参加確定後48時間以内に、どちらのサイドか選択してコメントページで宣言してください。
※サイドDを選択した場合は、前述のトラップに関する書き込みもお願いします。
※宣言がなかった場合は、原則【サイドI】という扱いになります。ご注意ください。
その後、マスターがコメントページの書き込みから参加者のバランスを確認して、
必要あれば、参加確定後96時間以内に【サイドD】に追加されるNPCとトラップについて書き込みがあります。
【アイテム】
※一般的に入手が困難なもの、現実に存在しないモノ等は採用されない可能性があります。
※例えば【スマートフォン】を持ち込んだ場合、
【ストラップ】や【バッテリー】などは【スマートフォン】に含まれるものとします。
ただし【充電器】や【予備バッテリー】は別のアイテムとしてカウントします。
【ダンジョン見取り図】
ボ - 7 - 4 - 1
ス 分 入
の - 8 - 5 - 2 岐 - り
部 点 口
屋 - 9 - 6 - 3