今日から自宅警備員になりました。｜リアクション

今日から自宅警備員になりました。

おめでとう、僕。今日は記念すべき３周年だ。
３年というと長いように思えるけど……ああ、うん、やっぱりとても長い時間だったよ。
といっても１年を過ぎた辺りからはあまり変わらない気がするけどね。
去年の今頃は、絶対に３周年は来ないと思っていたね。
そのときばかりは日々は単調な繰り返しではなくて、積み重ねることで自然と変わっていくものだと信じてた。
それなのに結局こうして３周年を迎えられたことは……感慨深い、のかもしれない。
え？　いったい何の記念日かって？
そんなの決まってるだろ、僕が学校に行かなくなってから、３年経った記念だよ。
正確には、高校には何回か……２回くらいかな？　それくらいは行ったけど、でもこの程度はノーカンでもいいよね。

なんで行かなくなったんだっけ。たぶん、ちょっと友達と喧嘩して、無視されて。
仲直りできないうちに孤立して……。そんな感じだった気がする。
高校も行ってみたはいいけど、誰とも仲良くなれなくてフェードアウト。
２日で諦めるあたりが、残念な感じだけど（笑）

そんな記念すべき今日、不思議な事が起こったんだ。

僕の最近お気に入りのゲーム『今日から自宅警備員になりました』は任侠堂から出てる所謂タワーディフェンスゲームだ。
そのゲームをしていたら、急に目の前が本当に洞窟みたいに変化して。
たぶん、ゲームの中に入りこんだんだと思う。
で、僕が主人公になって、コマを配置して侵入者を撃退するんだ。

……そこまではよかったんだけど、何故かコマは全然僕の言う事を聞かなくて、自分勝手に動いてる。
その上、ゲームにはなかったシステムなんかが一杯あって……
それぞれがすごく楽しそうにしてるんだ。
コマも侵入者も知り合いが多くて、戦わずに和気藹々と話しなんかして。
気が付くと、侵入者もコマも僕を倒そうとしてるんだもん。
本当にわけがわからなかった。

でも……すごく楽しそうだった。
僕も、ゲームの魔王なんてやめて、そこに混じりたいと思った。

……てか侵入者はなんで僕の日記の内容知ってたのかな？
助けて……なんて、誰にも言ったことないのにさ。

変な世界から戻ってきてからも、いつも通りの日常は戻ってこなかった。
何故かダンジョンにいたイケメン君（どうやら同じ学校の生徒らしい）が訪ねてきてゲームのマルチプレイに誘われたり、
（そういえばどうやって僕のこととか知ったんだろう……？）
ゲームマネーを買うために外に出たら、めちゃめちゃ優秀だった中ボス君や猫耳の子を見かけたり。
あ、木刀を持ってた女の子は、現実世界ではフツウに可愛い子だった。物騒、ダメ、絶対。

……そんなわけでせっかくの記念日にアレだけどさ、きっと４周年は来ないよ。
この日記も今日で終わり。
おめでとう、僕。
ありがとう、まだ名前も知らない誰かさんたち。

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