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雑貨店memoria~波と風のシークラフト~
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葉利沢 倫理子
がこのシークラフト・ワークショップに申し込んだきっかけは、実は倫理子自身、よく分かっていなかった。
心療内科からの帰り道。いつものようにカウンセラーとの対話で内面の吐露という、いわば追体験も同然の行為に身も心も疲れきり、いつもの数倍の努力を要しながら歩いていた倫理子が足を止めたのは、旧市街の商店街から少しはずれた路地の前だった。
前をふさぐように道に座った黒猫が、倫理子を見上げている。
ぶみーーー
倫理子が見ていることに気づくと、黒猫はダミ声で鳴いて路地奥の影へ溶け込むように消え、なんとはなし、目で追った先では黒鉄の吊看板が揺れていた。文字は『memoria』。
キィキィと風にきしみながら揺れているそれを見ているうち、なんだか気になって足をそちらへ向けた。
雑貨店であることは窓から見える内部で分かった。目についたのは、小さな掲示板に貼られた、ワークショップの張り紙。
『何か、趣味を持つのもいいかもしれませんね。葉利沢さんは手先が器用そうですから、絵画、手芸とか』
以前、カウンセラーがそんなことを言っていたことを思い出した。心の治療で、抑圧された感情を発奮させるツールとしてそういったものが有効であるとし、実践されているのはよく知られていることだ。
カウンセラーには黙っていたが、最近意識の喪失がしばしば起きていた。この人に話してもどうせ何も変わりはしないからと、このことは話していない。ただ、その間の記憶が欠落していることが気がかりで……たぶん、そういう不安を見抜いての提案だったのだろう。
もし理由をつけるとしたら、そのあたりだろうか。
「……まあたぶん、これも何かの縁、というところよね……」
あの猫に足止めされたのも。そう考えることにした。それがきっと、無難。
そう結論づけて、マフラーで隠れた口元でそっとため息を吐き出すと、コートから袋を出して波打ち際へ近づいた。波が靴先に触れないぎりぎりの位置を歩いて、砂に半分埋もれたシーグラスをつまみ上げる。
まだこれが面白いかどうかは決めかねるけど、でも、こういうのを拾って歩くのは悪くないかも。無心で、心をからっぽにして。何も考えずにただひたすら目についた物を拾う。ただそれだけなのに、心が休まりそうな感覚になる。
海水に濡れたシーグラスをいくつか手のひらに転がしてみる。
「同じ青でもいろんな色があるのね」
まだ何を作るか決まっていなかったが、こうして見ていると、何かぼんやり胸に浮かんでくるような気がする。たぶん、終わるころにはそれがかたちとなっているだろう。このガラスたち自身が、生まれ変わりたいと訴えているように。
割れて、傷ついたガラス。生まれたときはまさかこんなことになるとは思いもしなかったはずだ。それが大海にさらわれ、波に転がされているうちに形を変えて、以前とは全く違う、新たなものへ生まれ変わるのだ。
それは無性に倫理子の心を惹きつけてやまなかった。
「寝子島での亡命生活も、はや5カ月ね」
寝子ヶ浜海岸を見たとき、
深林 真瞭
はわれ知らずそうつぶやいていた。
前にここへ来たときのことを思い出していたのだ。あれは去年の9月だから、約5カ月前になる。今はもう2月。晴れてはいるけれど、あの肌に突き刺さるような照りつける太陽の日差しはなく、海の色も目の覚めるようなあざやかな青ではない。演奏旅行で世界じゅうを飛び回る生活を長らく送ってきた自分が、2つの季節をここで過ごしたことになると思うと、ちょっと驚きだった。
某有名交響楽団で第一ヴァイオリンとコンサートマスターを務めるという責任ある立場上、もちろんその間も東京へ通勤している。だから正確には「亡命」という言葉はあてはまらないかもしれない。だが真瞭の心理的には、その言葉が一番似つかわしく思えた。心が距離を置いてしまっている。昔、あれほど憧れた、天職とすら思えた職につきながら、今ではあまり魅力を感じられなくなっているのだ。
主に、人間関係のごたごたで。
権力とか、駆け引きとか。そんなものに悩まされることなく、ただただヴァイオリンだけを弾いていられたら、どんなに幸せだろう……。
「うーん、やめやめっ。しめっぽいのは今日はなし!」
思い出にふけってくよくよするために参加を決めたわけではない。そんなことは星ヶ丘のマンションの自室でだってできる。ここへは楽しむために来たのだ。
頭を振って退けると、真瞭は気分を入れ替えるように深く息を吸った。表に『memoria』と書かれた袋を手に、砂浜へ身をかがめる。
正直、どれが良くてどれが悪いのかなんて、まったく分からない。
「ま、こういうのって、フィーリングでいいわよね。私が良ければそれでいいの」
選択をミスったら最後、失敗というわけでなし。気楽に拾って、ピンとくる物を選べばいいのだ。
自然のいたずらで生まれたとしか思えない、カラフルな色の混ざり合った石やマーブル模様の貝がら、爪の先ほどの大きさの丸いガラス片。
「今までじっくり見たことなかったけど、こうして見ると、きらきらしてとってもきれいね」
つんつん、と爪でつつく。手のなかのそれらをつくづくと見て、袋のなかへ入れた。何を作るかはもう決めてある。これをこんなふうに使って、そうしたらこれはこっちに使ってと、完成図を空想しながらあれこれと拾うのは思いのほか楽しくて。真瞭はいつの間にか夢中になって拾い集めていた。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月09日
参加申し込みの期限
2016年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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