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雑貨店memoria~波と風のシークラフト~
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恵御納 夏朝
は洗浄で汚れを取り終えた石を使って、猫の顔と体を作っていた。
中くらいの大きさの平たくて丸い石が顔、それより大きめの平たくて丸い石が体だ。バランスを見て、一番いい位置でホールドしてから石材用接着剤を根元に付けた。乾いて動かなくなったのをきちんと確認して、長めの丸い石を手に、それより細くて長い石をしっぽにして、体に付ける。
両目はあの小さくて丸いシーグラスだ。
ちょっと迷って、青が右、青緑を左にした。そしてちゃんと均等に付けられたか、作業台から少し体を離して見る。
「きれいな瞳……夜もよく見えるかな?」
猫だもの。
きらりと光を弾くに違いない。
うん、とうなずき、アクリル絵の具を手に取った。大量にはいらないから、直接面相筆の先に、ちょっとだけ付ける。
鼻と口、それからほおひげ。まるっこい曲線で、かわいくなるよう思いを込めて描く。
あとは壁に立てかけられるよう工夫して……。
「完成」
夏朝はかがんで、目の高さを同じにして、つくりたての猫の置物に見入った。
「海から来たものから生まれた猫さん……。海ねこ……いや、『海にゃんこ』さんだ!
きみはきょうから海にゃんこさんだよ。よろしくね」
握手のかわりに、つん、と指先で手をつっつく。
「八神くん、こっちは終わったけど、八神くんのほうはどう?」
「うん……もうちょっと……」
八神 修
は手元から目を離さずに答えた。今ちょうど、目を入れているところだ。目は顔のなかで一番大切な部分で、これによって表情ががらりと変わることもあるから、一番気を張ってしまう。
兎は両側に目が付くので、バランスをとるのが難しい。仮置きしたときに付けた印の上に、そっと貼り付けた。
使ったのは少しオレンジがかった赤のシーグラス。小粒だが、濃い茶色や青色の瓶が多い日本ではめずらしい色だ。修が洗浄しているシーグラスのなかにあるのを見て、密架が教えてくれた。
『兎の目にするのなら、透明にしたほうがいいと思うわ。あと、貝がらにも塗ると効果的よ』
塗り過ぎたと思ったら布で拭きとってね、と渡されたハンドクリームをほんのちょっぴり付けるだけで、明るく透明度のある目に仕上がった。細長いタカラガイの耳も、ニスを塗ったようなつやが出ている。
「兎さん、かわいい。
名前、つけた?」
「うーん……、海でできた兎だから『海兎』だな。
そういえばこの前学校の裏でニホンノウサギを見たよ。かわいかったな」
「へえー」
興味津々顔の夏朝にそのときのことを話して聞かせながら、修は流木から切り出した台座に乗せて様子を見た。
「なんだか和菓子みたいだな」
「ほんとだね」
くすくすと笑う夏朝につられて、修も笑った。
「さて、猫も作るかな。兎より、ちょっと難しそうだけど」
視線が向かった先にあるのは夏朝の作った猫だ。
「恵御納の、かわいくできてるなあ」
「そう? ありがとう」
褒められて、照れたように夏朝ははにかむ。
「絵の具を使ったのか。俺は思いつかなかったけど、こういうのもいいな」
感心しつつ、猫を作った。ボンドが乾くまでの間に、台座にカッターであたり線を入れて、彫刻刀でスリットを彫る。そのあと、猫や兎を置くと決めた位置の周囲にボンドを薄く塗り、少量の砂と小さめの貝を散らした。
「これ何?」
黙って見守っていた夏朝が、スリットを指さした。
「ん? メモスタンドだよ。だけどこうして見ると、写真立てにしても良さそうだな」
猫と兎を石材用接着剤で固定して、できあがり、と具合を見るように修は一歩離れ、夏朝と並ぶ。
「猫さんに、うさぎさん……かわいい……!」
「あら。すごくいい物ができたわね、ふたりとも。初めてとは思えないくらい。それに、とってもかわいいわ」
通りすがりにふたりの作品を見て足を止めた密架も、その出来栄えを手放しでほめた。
梱包され、『memoria』と書かれた手提げ袋に入った作品を大切に持って、夏朝は修と並んで駅への道を歩いていた。
「ちょっと疲れたけど……今日のワークショップも……楽しかった!」
「うん。前のときも今回も、楽しかったな」
修も同意する。
「以前作ったスノードームも、大切に飾ってるんだよ?」
「俺も。スノードーム、飾ってある。
帰ったら、これもさっそく並べるつもり。これでまたひとつ、飾り棚がにぎやかになるな」
白い息を吐いて、にっこり笑う修は本当にうれしそうで、夏朝はその横顔を見つめてふふっと笑った。
うれしそうなひとを見ると、自分もうれしくなってくる。
(僕も、この『海にゃんこ』さんは、あのスノードームの隣に飾ろうかな……)
きっと見るたびに、それを作ったときの気持ちを思い出す。楽しかったこと、うれしかったこと。
ものをつくるって、思い出が残ることでもあるんだと、思った。
八神くんの猫さん、うさぎさんも。
みんなの作った物も。
思い出と一緒に、大切にしてもらえるといい。
夏朝は心からそう思った。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
寺岡志乃
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
定員
10人
参加キャラクター数
10人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年09月09日
参加申し込みの期限
2016年09月16日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月16日 11時00分
参加キャラクター一覧
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