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空飛ぶチョコレイトハート
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●キューピット・ターゲット
突然だが、
嘉島 和穂
は恋する乙女である。
恋に恋する年頃を卒業して、晴れて恋の戦士となった。
そんな彼女にとって、今年の二月はきわめて重い。
「手作り……は、重いかな。付き合っても無いのに。あれ、違うのかな? 逆かな?」
バレンタインデーにチョコをあげようという風習が、日本の製菓会社が起こした商業イベントだというのは今更な話だが、そんなこと言ったら正月の餅も紅白まんじゅうもあったものではない。大事なのは気持ちなのだ。
で、その気持ちは今一番の難関だった。
思い描くは
クルト・エールヴァール
の顔。
「そもそも渡すか渡さないかの時点で……いやいや、渡したいですよ? 渡したいけれどもですよ? 渡す物によるというかなんというか……」
ああ、気持ちを物理的に表現することの難しさよ。
などと思っていると、ちょっぴり型崩れしたハートチョコが和穂の胸からぽーんと飛び出してきたでは無いか。
「えっ、なにこれ!?」
手作りも市販品もと悩んでいたから野生のチョコで手を打とうとそういうわけだろうか。
そんなわけがあっては困る。
手に取ろうとした瞬間、飛び退くようにチョコが逃げていく。
「ちょっと待って、ちょっと待ってってば!」
外へ向かって飛んでいくハートチョコ。
どこへ向かって飛んでいるかなんて、もはや考えるまでもなかった。
「ちょっと待ってー!」
和穂の追いかけっこが、始ま――。
「ん、これは?」
クルトがふわふわ浮かぶハートチョコを凝視していた。
「……」
「……」
顔を見合わせる二人。
「和穂ちゃんのチョコ、だよね?」
さて、ここで少しばかり時間を遡ろう。
クルト・エールヴァール
は冬の町をふらふらと散策していた。
きっかけはブロック塀の上を全力疾走する女子高生を目撃したからだ。
面識の有無はさておいて、ネコの如く塀をダッシュする
青物 といき
を見て『冬場でも運動を欠かさないとは健康的なことで』と思えるほどクルトもひねくれてはいない。
またぞろ寝子島に何かの異変が起きたのだろう。
現に、
八十八旗 信彦
が胸から大量のチョコを拭きだしては『仕方ないなあ』といった様子で前髪をふぁさぁってやっていた。
あまり大勢で騒いでいないあたり、緊急性の高いものではなさそうだが……。
といったようなことを考えながら古本屋に立ち寄ってみたところで、クルトは異変を確信した。
店の中から同年代らしき女性が猛然と飛び出してきたかと思うと、空飛ぶハート型のチョコレートを追いかけて走り去っていったのだ。
振り向けば、男子高校生が地面にチョークで何かを書き付けながら高級そうなチョコレートに何か言い聞かせている。
「チョコレートが空を飛ぶとは……これもろっこんの影響か」
ここで『バレンタインデーを前にして皆気持ちが飛んでいるな』とは思わないのがクルトである。
ゆえに。
「ちょっと待ってー!」
和穂がチョコレートを追いかけて走ってきても、反応が変わることはなかった。
「ん、これは?」
踵でブレーキをかけた和穂が、顔を真っ赤にして自分を凝視している。
彼女も女性。叫びながら走っている所を見られたら恥ずかしかろう。
走るほどの理由があるとすれば今目の前にふわふわ浮いているチョコレートだろう。
「和穂ちゃんのチョコ、だよね?」
なら取ってあげるのが紳士のマナー。
クルトはチョコに手を伸ばす。
が、チョコはサッとクルトの手をかわした。
追いかけて掴もうとするが、サササッと手を交わし続ける。
どころか、チョコはクルトに背を向けて逃げ去っていくではないか。
「く、クルトさん違うんですこれはそのっ……!」
「大丈夫、分かってるよ」
クルトは優しく微笑むと、チョコを追いかけて走り始めた。
「和穂ちゃんが困っているってだけで、助ける理由になるだろう」
「いえそういうアレじゃなくて」
「急ごう!」
改めて、クルトと和穂の追いかけっこが始まった。
和穂はフワフワの中にいた。
クルトが自分のチョコを追いかけて走っているという現実と、それをそのまま伝えるわけにはいかないという乙女心。くわえて全力疾走による疲労感も混ざり込んでもう何が何だか分からないフワフワに包まれていた。
「なかなか手強かったけど、いい運動になった。和穂ちゃんに返したら消えてしまったようだけれど……あれはなんだったんだ?」
クルトが返事を求めている。
何か返さねばならぬ。
返さねばならねども。
「すっ、すいませんでした、その、えっとお……」
自分でも意味の分からないジェスチャーを展開しながら目を左右に振る和穂。
「チョコレートが飛んで行っちゃって」
「そのようだ。作っていたのか?」
「あっハイ!」
言ってから、和穂は脳内で絶叫した。
作ったって言っちゃった。
「も、もうすぐばれんたいんじゃないですかあ?」
しかも理由を被せちゃった。
ええい、こうなれば。
「けど、消えてしまったな」
「れ、練習用だから大丈夫です!」
「練習か」
「練習です!」
「練習はいいことだ」
「ですよね! がんばります!」
「うん、応援しよう」
「ハイ!」
繰り返すが、
嘉島 和穂
は恋する乙女である。
好きな人に応援された乙女は、後に引けなくなるものだ。
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担当ゲームマスター
青空綿飴
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
恋愛
コメディ
定員
20人
参加キャラクター数
11人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月29日
参加申し込みの期限
2016年09月05日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年09月05日 11時00分
参加キャラクター一覧
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