Chocolatの甘い罠！？｜リアクション

Chocolatの甘い罠！？

　鴻上彰尋に改めて無事を確認されて、千歳飴楓子はぺこりと頭を下げた。
「おかげで助かった。どうもありがとう」
　そのまま互いに名乗り合う２人の様子を横目に、新田亮はスポーツドリンクを口に運ぶ。
（ああ、この味じゃないとな、やっぱり）
　喉を潤す味に、心まで癒されるような心地がした。
　戻ってきた現実感を胸に確かめながら、亮は渡辺美里愛の声を耳に聞く。
「……あの、ね。デコちゃんコーくん、ミリア迷子なの……」
　そわそわと所在なさげな様子の美里愛の言葉に、楓子が呟いた。
「ああ、そういえば、出会った時もそんなことを言っていたな」
「だったら、送っていくよ。大丈夫」
　彰尋が安心させるように穏やかな声音で言って、楓子も同意とばかりに頷く。
　美里愛の顔に、ぱあと満開の笑顔が咲いた。
「送ってくれるの？　わーい、やったー！」
　目に見えてはしゃいで、「じゃあかけっこして帰ろ！」なんて言い出す美里愛。
「よーいどん！！」
「えっ？　ちょ、み、美里愛ちゃん、そっちじゃないんじゃ……」
「え、こっちじゃないのー！？　どっちー！？」
　美里愛、彰尋が思っていた以上の見事な迷子っぷりである。
　助けを求めるように楓子のいた方へと視線を遣る彰尋だったが、
「あれっ？　千歳飴さん！？」
「少し待ってくれ！　レアなモンスターを発見した！」
　楓子は、スマートフォンを手に美里愛とは逆方向に走り出していて。
（あれは……無事に帰れるのか？）
　呆れ混じりの息を漏らした亮の鼻孔を、甘い残り香がさざめくようにくすぐった。

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あとがき

担当マスター：巴めろ
ファンレターはマスターページから！

お世話になっております、ゲームマスターの巴めろです。
まずは、ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました！

チョコレートの妖精と過ごすちょっぴり不思議な夜。
ＰＣ様方にとっても皆様にとっても、心に残るものとなっておりましたら幸いです。

重ねてになりますが、ご参加くださった皆様に心からの感謝を。
この度も、本当にありがとうございました！

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