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花の妖精のお手伝い ~枯れ木に花を咲かせましょう~
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【この島で一番大きな】
……なんかこう、妖精っていうともっとほわほわ~っとした感じっていうか。
私の勝手なイメージだけどさ。
そう、もっとパステルカラーってイメージじゃない?
桃川 圭花
は、豪奢な黄色のドレスを着て居丈高に立っている存在をみて、あやうく舌打ちをしそうになった。
約20cmほどの見るからにお嬢様といった格好をした妖精は、桃川の足元でいまだにふんぞり返っている。
時々広げた派手な扇子の隙間からチラチラと見上げてくるその視線は、感じたままに表現すれば。
まだなの?
何か言いなさいよ。待っててあげているのだから。
でも、もしかしたら……。そう。そうなのね。私の威厳に震えて声すら出せないのね。
その殊勝な姿勢、よくってよ。
でも、いい加減何か話すべきと私は思うのよ。
である。
桃川からすれば、いいかげんにしろと言いたい。
神魂事件だとしても、どうしてこうなんとも言いがたいものばかり起こるのか。
だがしかし、この存在をなんとかしない限り、どうしようもないことも身にしみて知っている。
「あー。その……」
「……」
「なんだかよく分からないけれど、一緒に来る?」
「……」
ちなみに、今度の妖精の視線は。
もうちょっと言い方ってものがあるでしょう?
でも、まぁ、しかたがないわ。そうね、そうよ。
私はないものねだりはしない女。足るを知る女よ。
しょうがないわね。次はなくってよ。
だろうか。
ちょっと小一時間ほど問い詰めたい衝動にかられる桃川だった。
桃川はその日、休日だったが、たまたま学校に用事があって外出した帰り道だった。
学校から桜花寮道沿いにある緑が広がる土地に、一面に菜の花が植えてある。
それほど広くないところを見ると、個人的な趣味か家のためだけに作った菜の花畑なのだろう。
密集しているので、小さい割になかなか見ごたえがある綺麗さだ。
だが、桃川はその畑の中にまるでミステリーサークルのように、花が咲いていない一角を見つけてしまった。
そう、見つけてしまった。そして見つかってしまったのである。
そのサークルの中から、鷲のように桃川をロックオンした妖精に。
今、その妖精は、桃川の肩に腰掛けてパレード車に乗っているかのように振る舞っている。
はっきり言って、かなりうざい。
唯一の救いは重さをまったく感じないことぐらいだろうか。
桃川は半分以上うんざりしながら、妖精を観察する。
この子、なんか誰かと雰囲気似てるような気がするのよね……。
妖精、って感じじゃない人。
……。
………あ。理事長!
そう、そんな感じ。
なら、やっぱ星ヶ丘とかの雰囲気が好みだったりする?
さらに注意深く見ていると、道沿いの店のなかでも、キラキラ輝いているものに強烈に反応している。
だからといって、もっとも興味をもっているように見えたのは宝飾専門店ではなく、駄菓子屋やおもちゃ屋で売っている、数百円で買えそうなお子様用アクセサリー。
いまいち基準が分からない。
……あの手のものが好きなのね。
でも、ああいう子供向けのものを買うのって、さすがにかなり抵抗あるんだけど。
うーん。
あ、そうだ。いいお店があるわ。
手頃な値段で品揃えも豊富なビーズアクセサリーの専門店に向かう。
さぁどうだ! と妖精に視線を向けると、まさに完璧にクリーンヒットしたらしく、かなり興奮気味に食いついていた。
その様子からは、素が見えている。
キラキラ輝く憧れの瞳。
桃川は唐突に理解した。
なんだ。この子、中身は背伸びしている子どもだわ。
どうりで宝飾店よりおもちゃ屋に惹かれるわけよね。
そうと分かれば、余裕が生まれる。
本質が見えれば、それは愛でるべき「小さきもの」だった。
「気に入ったものがあったら教えて。買ってあげる」
「!!」
妖精は狼狽したように扇子で口元を覆うと、ひとしきり右往左往した挙句、無理矢理胸を張り、淑女のようにビーズアクセサリーを検討し始めた。
長い長い時間をかけて妖精が選んだのは、エメラルドグリーンのビーズネックレス。
「貸しなさい。着けてあげる」
ネックレスを身に着けた妖精は、手鏡を取り出して角度を変えて確認し、それこそ隠しきれぬにやけた唇を扇子でごまかした。
下手をすれば、ムフーと鼻息まで聞こえてきそうな勢いだ。
桃川は内心笑いを噛み締めながら、時間を確認した。
もうすぐ夕方。今からいけばちょうどいい時間帯。
「さ、行きましょうか。レディ」
「!!」
桃川のエスコートを嬉しそうに受ける妖精からは、始めの居丈高な面は随分鳴りを潜めていた。
時間を見計らい大観覧車に到着した桃川と妖精は、さっそくボックスに乗り込んだ。
徐々に上がっていく高度。逆に沈みゆく太陽。
タイミングは測ったようにぴったりだった。
「あれがこの島で私が知っているいちばん大きな宝石」
「……」
星ヶ丘方面に沈みゆく、大きな夕陽。
桃川と妖精は身動きもせずに、その雄大で美しく、優しい光を眺めていた。
降りてきた後。
妖精は今までが嘘のように姿勢正しく、桃川に向けて最上の礼をもって優雅に頭を下げた。
そして扇で口元を隠すと、目元を柔らかく静かに消えていった。
「……なによ。できるんなら始めからそうしなさいよ」
桃川は面白そうに、でもどこか寂しそうに呟いて帰路につく。
菜の花畑には、もうどこにもミステリーサークルは確認できなかった。
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
阿都
シナリオタイプ(らっポ)
ブロンズシナリオ(100)
グループ参加
3人まで
シナリオジャンル
日常
動物・自然
神話・伝説
定員
15人
参加キャラクター数
15人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月05日
参加申し込みの期限
2016年08月12日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月12日 11時00分
参加キャラクター一覧
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