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● 天界/クリスタルフォレスト・2
森の中をどれほど飛び進んだろうか。
羽根の先までかちこちに凍りそうになったころ、女神の言っていた『魔女の木』らしき木を見つけた。捩れた幹と、骨ばった老女の指先のような細い枝をもつ、氷で出来た枯れ木だ。森は、まるでその木を避けているかのように、ぽっかり空白になっていた。
寒そうに両腕で肩を抱きながら、梢はきょろきょろとあたりを見回す。
「これが魔女の木ですかねー。アイスクラウン、ありますー?」
「うぅむ」
亨は目を凝らしてみるが、一面が雪の白で覆われていて、すぐには見つからない。
「木を隠すには森の中、と言うがそこから宝石を探すのは木の一本よりはるかに難しい」
亨は言って、<縮身>で己が身を小さくした。
そうしてあたりをちょこまかと走り回るが、花はいずこか。
アイスダストだろうか、キラキラと細かい粒子が舞っていて、ものの輪郭が見えにくい。
「小さな花なら相対的に大きくすればまだ見落としにくいかと思ったが、これもまた難儀だねぇ」
その亨をひょいと掌の中に抱え上げ、「あたしにまかせて」と瑠奈が言った。
「女神様からもらった手鏡でオーロラを反射させれば……」
魔女の木の上まで羽ばたき、女神にもらった手鏡で、上空を覆う青白い光を地上に反射させる。
すると、チカチカっと魔女の木の根元が光った。
それもひとつではない。木を取り囲むように、リング状に青白い光がいくつも並んでいる。
縮身を解除した亨が光のもとへ飛ぶ。
「これか!」
見つけるや、亨はその場で、出来る限り風を起こさないように気をつけながらホバリングした。
そこには、人間の小指の先ほどしかない小さな銀の花が一輪、儚げに咲いている。
瑠奈が下りてきて、アイスクラウンの花をうっとりと眺めた。
「夜露を取る前に、すこしだけ、この可愛らしい姿を瞼に焼き付けさせてもらってもいいかなぁ」
「いいんじゃないか。でも気を付けろよ。もしかしたら吐息の熱でも溶けるかもしれないし……ああ、花より先に、俺の心が溶けるかもな」
瑠奈は後半の俺の心云々を華麗にスルーして、にっこり笑った。
「うん。そっと見るね」
その銀の花は、幼いプリンセスの冠を思わせた。よく見れば花弁には細かい模様があり、銀の透かし細工のようである。その内側に夜露がコロリ、涙みたいに溜まっている。
「こんなに寒いのに、夜露は凍らないんだね。だから特別なのかなぁ」
瑠奈は写真に撮りたいと思ったが、ぼやけちゃうかなぁと考え直して心の中でだけシャッターを切った。
「お花が繊細なら、私が能力でやったほうがいいのかなー? 寒いけど」
梢が言った。梢のろっこんなら、自分が蝶に変身することもできるし、花を蝶に変えることもできる。たしかに人の手でやるより繊細な仕事ができそうだ。だが、修が梢を笑顔で押しとどめた。
「俺がやってみるよ」
修が手にしていたのはパック飲料などについている細いストローだ。
修は花弁に触れないよう細心の注意を払いながら、ストローの先を夜露に接触させた。
それからストローの反対側の穴を押さえる。
そのまま持ち上げると夜露がわずかにストローの先に付着した。
「1滴というには足りない、か……?」
「修君、それは?」
瑠奈が尋ねる。修はもう一度試して、同じ結果に嘆息しつつ答えた。
「毛細管現象を利用して、ストローをスポイト代わりにしようと思ったんだ」
理系の修らしいアイデアだ。
毛細管現象とは細い筒状の物体の中を、液体が重力に逆らって上昇する現象のことで、表面張力と同じ力によって起こるのだ……というようなことを修は簡単に解説してくれた。テストに出るかもしれない。
「夜露の量に対してストローが太すぎるのかもしれない」
ふたたび<縮身>で小さくなって、茎を押さえつつ見守っていた亨が言った。
「そのストローを貸してくれ。一寸の身ならあるいは」
ミツバチほどの大きさになった亨は、ストローを受け取ると、人間の手よりもさらに繊細な動作で、夜露をストローの中に掬い入れようとする。
「む、ストローがあと何ミリか細ければいけそうなんだが……思い切って花に飛びつきこの両の手で掬おうか」
それを見ていた梢ががぜん身を乗り出した。
「そーいうことなら、やっぱり私の出番ですよー。なにしろ蝶の口は極細のストローと同じですからねー」
梢は素早くろっこん<胡蝶の詩>で蝶に変身した。
そして、アイスクラウンの花弁にそっと止まると――亨がストローで下から支えたおかげで、花弁は蝶の重さに耐えた――修の言っていた毛細管現象を利用して、見事夜露を吸い上げてみせたのだ。
こうして蝶の梢は他のアイスクラウンからもそれぞれ夜露を採取して、必要な三滴を金属瓶に入れた。
修は金属瓶を服の内側に隠すと相変わらずオーロラの美しい天を仰いだ。半日は過ぎていないはずだ。
「これでいい。屋敷野、お疲れさま」
「どういたしまして。お役に立てて何よりですよー」
梢は蝶から人間の姿に戻ってそう言い、それから盛大にクシャミをした。
「ずず……、寒くて凍え死にそうです。目的は達しましたし、急いでバードサンクチュアリに戻りましょー!」
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シナリオデータ
担当ゲームマスター
笈地 行
シナリオタイプ(らっポ)
シルバーシナリオ(150)
グループ参加
なし
シナリオジャンル
SF・ファンタジー
神話・伝説
定員
77人
参加キャラクター数
28人
シナリオスケジュール
シナリオガイド公開日
2016年08月01日
参加申し込みの期限
2016年08月08日 11時00分
アクション投稿の期限
2016年08月08日 11時00分
参加キャラクター一覧
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