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- 00月00日生 00歳
- AAA000000
R&R Agency：File03：１９９９年からの使者
● ネコの道
ネコのレリーフが掛かった道は、扉を潜って角を一つ曲がったところから急に幅が狭くなった。
「この道、ちょっと天井が低いねぇ」
天井も低くなってきて、小学三年生の曖浜 瑠樹でさえ、屈まなければ頭をぶつけそうだ。先頭を行く八神 修は四つん這いで進んでいる。そのあとに瑠樹と、少年化した畑中 華菜子、碧川 雪月が続き、さらに坂内 梨香、弘明寺 能美子、響 タルト、ブリジット・アーチャーと女子軍団が続いていた。
「梨香先輩！ レーザーサーベルだよ。ぶりちゃんもどうよ！」
しんがりは黒い暗視ゴーグルつきヘルメットに、黒いスーツ姿の桜庭 円。手にした赤いレーザーサーベルのスイッチを付けたり消したりして遊んでいる。
「円。危ないから消しといて」
ブリジットが嗜めた。が、未来技術で遊んでみたい気持ちはちょっとわかる。ブリジットとて昨夜は「レーザーガンはロマンってグランパが言っていたわね」と撮影会したクチだ。もっとも、見せたところでグランパはモデルガンと思うだけかもしれないけど。
「あと能美子は何故そんなに派手な格好なの？」
「なんかこうなっちゃったのよ！」
未来的に肩が尖ったジャケットに、身体にフィットしすぎな銀のボディスーツ。猫耳に似た銀のヘッドセットをつけた能美子は、振り返りながらヤケ気味に答える。現地民に擬態したほうがいいんじゃないかと思っただけだったのだが、気づけばこうなっていた。昨日、みんなが調べ物や武器の練習をしていたときに、桜 月に頼まれたファッション誌を手に入れるべく尽力してしまったことも一因かもしれない。（ちなみにファッション誌は入手済みである）
「似合ってるよ～」
微笑んだのは持参した水筒の水で頭だけ濡らし、ろっこん＜チェシャ猫＞で獣人化したタルト。猫耳と尻尾の生えた少女の姿になっていて、四つん這いでも猫のように静かに歩く。よく見れば瞳の虹彩が縦になっていて、夜目が効くようだ。
「ブリジットさんの金髪も綺麗だね～」
「ありがとう」
ブリジットは礼を言ったが、心の中ではこう思っていた。
（この子変わってる）
何が変わってるって、まずは名前だ。
（響タルト、タルトって美味しそうな名前ね。あ、いや、変な意味じゃないけど）
その上、タルトが話す内容も変わっていた。
「世界が滅ぶかもしれないシチュエーションって、やっぱり男同士の愛が似合うよね～♪」
「何の話？」
「ＢＬだよ～」
「ＢＬ？ 私はチーズバーガーなら好きだけど……」
「ベーコン×レタス！ それもいいけどそうじゃなくて、ボーイズラブ！ 男同士で恋愛すること！ 滅亡を目前にして、絶望と愛の狭間で揺れながら最後の夜を過ごすとか、萌えるよね～っ！」
「うーん。言ってること半分理解できないけど……猫になれるのだけは便利よね」
「いいでしょ？」とタルトはにっこり笑う。それから声を潜めて。
「ねーねー、Ｒ＆Ｒなんだけどさ。ボスの梨香さんって百合系の人じゃないの？ なんとなく」
「梨香が百合かって？ んー、違うんじゃない」
ブリジットが適当に返事をすると、間髪入れずに梨香が振り向く。
「誰が百合よ。お喋りしてないで仕事して」
無表情！ 逆に怖い！
ブリジットとタルトは顔を見合わせ、同時にお返事。
「「はーい」」
一方、先頭を行く少年たちは途方に暮れそうになっていた。分かれ道の数が尋常でないのだ。
入り口の大きさも様々で、あるものは立って歩けるし、あるものは頭も通らなそうなまさに猫サイズの道だ。
「分かれ道が、たくさん……一つずつ見ていくしかない、かな」
雪月の少年声も、行き止まりの道や崩れた小部屋を十か二十か数えた頃にはすっかり沈んでしまっていた。
「いったい……いくつ、あるんだろう」
そんな雪月の隣では、少年華菜子が手元のスマホを盛んに操作し、マッピングを試みている。
瑠樹が分かれ道のうちの一つを指した。
「手分けする？ オレ、ここなら入れそう」
子どもなら這って入れそうな大きさの道が左方に伸びている。
右方にはさらに小さな入り口もあり、そこにはタルトが進み出た。
「ボクも見てくるよ。猫になって、ね！」
「気を付けてアル」
華菜子は通ったことが分かるようにと、分かれ道の写真を撮り、目印もつける。
「これも使おう」
修が、荷物の中からラジコンを出した。ラジコンにはカメラ機能つきの携帯が括ってあり、手元のノートパソコンで映像を確認できるようになっている。
「通る前提の迷宮だろう？ 通路拡大か利用者縮小の仕掛けがあるんじゃないかと思うんだが」と修は言った。
「わかったよぉ。それも探してみるねぇ」
瑠樹とタルト、修の操るラジコンは、それぞれ分かれ道の奥へと消えた。
ネコのレリーフが掛かった道は、扉を潜って角を一つ曲がったところから急に幅が狭くなった。
「この道、ちょっと天井が低いねぇ」
天井も低くなってきて、小学三年生の曖浜 瑠樹でさえ、屈まなければ頭をぶつけそうだ。先頭を行く八神 修は四つん這いで進んでいる。そのあとに瑠樹と、少年化した畑中 華菜子、碧川 雪月が続き、さらに坂内 梨香、弘明寺 能美子、響 タルト、ブリジット・アーチャーと女子軍団が続いていた。
「梨香先輩！ レーザーサーベルだよ。ぶりちゃんもどうよ！」
しんがりは黒い暗視ゴーグルつきヘルメットに、黒いスーツ姿の桜庭 円。手にした赤いレーザーサーベルのスイッチを付けたり消したりして遊んでいる。
「円。危ないから消しといて」
ブリジットが嗜めた。が、未来技術で遊んでみたい気持ちはちょっとわかる。ブリジットとて昨夜は「レーザーガンはロマンってグランパが言っていたわね」と撮影会したクチだ。もっとも、見せたところでグランパはモデルガンと思うだけかもしれないけど。
「あと能美子は何故そんなに派手な格好なの？」
「なんかこうなっちゃったのよ！」
未来的に肩が尖ったジャケットに、身体にフィットしすぎな銀のボディスーツ。猫耳に似た銀のヘッドセットをつけた能美子は、振り返りながらヤケ気味に答える。現地民に擬態したほうがいいんじゃないかと思っただけだったのだが、気づけばこうなっていた。昨日、みんなが調べ物や武器の練習をしていたときに、桜 月に頼まれたファッション誌を手に入れるべく尽力してしまったことも一因かもしれない。（ちなみにファッション誌は入手済みである）
「似合ってるよ～」
微笑んだのは持参した水筒の水で頭だけ濡らし、ろっこん＜チェシャ猫＞で獣人化したタルト。猫耳と尻尾の生えた少女の姿になっていて、四つん這いでも猫のように静かに歩く。よく見れば瞳の虹彩が縦になっていて、夜目が効くようだ。
「ブリジットさんの金髪も綺麗だね～」
「ありがとう」
ブリジットは礼を言ったが、心の中ではこう思っていた。
（この子変わってる）
何が変わってるって、まずは名前だ。
（響タルト、タルトって美味しそうな名前ね。あ、いや、変な意味じゃないけど）
その上、タルトが話す内容も変わっていた。
「世界が滅ぶかもしれないシチュエーションって、やっぱり男同士の愛が似合うよね～♪」
「何の話？」
「ＢＬだよ～」
「ＢＬ？ 私はチーズバーガーなら好きだけど……」
「ベーコン×レタス！ それもいいけどそうじゃなくて、ボーイズラブ！ 男同士で恋愛すること！ 滅亡を目前にして、絶望と愛の狭間で揺れながら最後の夜を過ごすとか、萌えるよね～っ！」
「うーん。言ってること半分理解できないけど……猫になれるのだけは便利よね」
「いいでしょ？」とタルトはにっこり笑う。それから声を潜めて。
「ねーねー、Ｒ＆Ｒなんだけどさ。ボスの梨香さんって百合系の人じゃないの？ なんとなく」
「梨香が百合かって？ んー、違うんじゃない」
ブリジットが適当に返事をすると、間髪入れずに梨香が振り向く。
「誰が百合よ。お喋りしてないで仕事して」
無表情！ 逆に怖い！
ブリジットとタルトは顔を見合わせ、同時にお返事。
「「はーい」」
一方、先頭を行く少年たちは途方に暮れそうになっていた。分かれ道の数が尋常でないのだ。
入り口の大きさも様々で、あるものは立って歩けるし、あるものは頭も通らなそうなまさに猫サイズの道だ。
「分かれ道が、たくさん……一つずつ見ていくしかない、かな」
雪月の少年声も、行き止まりの道や崩れた小部屋を十か二十か数えた頃にはすっかり沈んでしまっていた。
「いったい……いくつ、あるんだろう」
そんな雪月の隣では、少年華菜子が手元のスマホを盛んに操作し、マッピングを試みている。
瑠樹が分かれ道のうちの一つを指した。
「手分けする？ オレ、ここなら入れそう」
子どもなら這って入れそうな大きさの道が左方に伸びている。
右方にはさらに小さな入り口もあり、そこにはタルトが進み出た。
「ボクも見てくるよ。猫になって、ね！」
「気を付けてアル」
華菜子は通ったことが分かるようにと、分かれ道の写真を撮り、目印もつける。
「これも使おう」
修が、荷物の中からラジコンを出した。ラジコンにはカメラ機能つきの携帯が括ってあり、手元のノートパソコンで映像を確認できるようになっている。
「通る前提の迷宮だろう？ 通路拡大か利用者縮小の仕掛けがあるんじゃないかと思うんだが」と修は言った。
「わかったよぉ。それも探してみるねぇ」
瑠樹とタルト、修の操るラジコンは、それぞれ分かれ道の奥へと消えた。
シナリオ
シナリオデータ
シナリオスケジュール
- シナリオガイド公開日
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- 2016年09月01日
- 参加申し込みの期限
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- 2016年09月08日 11時00分
- アクション投稿の期限
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- 2016年09月08日 11時00分
