魔界からの試練　――たゆたう混沌姫ミサラトテップ――｜リアクション

魔界からの試練　――たゆたう混沌姫ミサラトテップ――

「うわっ？！」
「させるかっ！」
　触手に狙われた黒兎都の前に、ゆきこさん（龍目豪）が出る。ぷるん、とバストが揺れたかと思えば、その身体は触手によって絡め取られていた。
（計算どおりだ。ガンガン攻撃してやるぜ！）
　元々、囮として動いていたゆきこさん。勿論、ただ捕まるだけに終わらない。ゆきこさんはピッケルで触手をがんがん殴っていた。
「助けてもらってばかりじゃ、悪いからねっ」
　と、都もゆきこさんを助けようと触手を思いっきり蹴り上げる。だが、なかなか倒せない。
『あら、おいたしないで』
　そんなゆきこさんに、触手が動いた。両手を上げるようにして腕を縛り、胸を強調するように別の触手が這い上がってきた。
（なっ？！　なんだ、この感覚は……！）
　背筋が泡立つような、奇妙な感覚に思わず武器を落としかける。だが、それでもゆきえさんは首を振るい、顔に迫った触手へとがぶり、と噛み付いた。だが……同時に甘い何かが口へと流み、意識が朦朧とし始めた。
　それは、別の場所でもおこっていた。後木真央が相変わらず釘バットで応戦する側で、北条冬華と獅子目悠月が触手に囚われていた。
「きゃあああっ！」
「っ！　冬華ちゃん！　悠月ちゃんっ！」
　悲鳴を挙げて締め上げられる冬華。彼女を庇えず悔しさを隠せない悠月だが、持ち上げられた事で、流された４人が戦闘区域へ戻ってきた事を知る。また、近くでは仲間が捕まった者を救おうと武器を振るっている。
（援護なら！）
　悠月が呪文を唱えようとしたその時、にゅるり、と触手が口の中へ。同時にとろり、とした何かを飲み込んでしまった。
『ふふっ、もっと深くへ誘ってあげる』
　ミサラトテップの声に心地良さを覚え、悠月の身体から力が抜ける。頭もぼんやりとし、口はただ触手をはむはむするだけだ。
（なんなんだ、これ？！　まさか……！）
　その理由に行き着いた時、悠月の身体をなんとも言いがたい快楽が駆け抜けた。
　ミサラトテップの触手が、思いっきり振り回される。飛び散る蜜を浴び、飲んでしまった者たちの数名がくたり、と膝を突き、触手の群れが冒険者達を襲う！
「ふわっ？！　身体が……」
　丁度がら空きになった場所へと切り付け攻撃を行っていた二一は、どうにか武器を落とさずに居られた。だが、気がついたときには触手が体中を這っている。
「あんっ！　どこ触ってるのよっ！」
　その隣には胸などを弄ばれながら宙吊りになる真白の姿が！　健康的な青少年には実に刺激の強すぎる光景である。そして、少し離れた所では真央が釘バットを封じられ、あちこち締め付けられていた。控えめバストの上を細めの触手が刺激していく。
　猫っぽいからか、喉を擽られ、真央が笑いながら身もだえしている。よく見れば御剣刀もまた、実に官能的な格好で縛り上げられていた。
　彼は触手がぎりぎり届くか届かないところで援護に回っていた。その筈なのに、気がつけば触手によってこの状態である。
　素早さに自信のあった翼もまた、触手に縛られていた。感じたことの無い奇妙な感覚が喉元に込みあがり、思わず口を噤む。
　その側で可愛い悲鳴が上がったかと思えば、碧南が触手に捕まっていた。取り残された梢と円はその光景を険しい表情で見つめている。どうやら碧南によって庇われたらしいが、微妙に複雑な心境らしい。
（うゎマジ近距離パッシブきっつぅ……）
　運悪く逆さま吊りとなった都は、現実逃避的にそんな事を思った。触手によって締め上げられてはいるが、実を言うとBSは免れている。隙を付かれた事に内心悔しさを憶える。そして、目の前には同じように逆さま吊り……なのにその露出の多さ故に扇情的な格好に見えるサキリの姿があった。
（最終手段で囮は考えていたけど、油断したかな）
　想像以上に柔らかく感じる触手が、繊細な動きで胸を揉みしだく。思わず声を上げそうになった所で堪えるが、その表情がそそるのか、ミサラトテップは非常に機嫌をよくしていた。